第15話 ××ぼっちのパーティ
「で、タイヘーたちと別れちゃたわけだけど……」
「別れたっていうか――」
~回想~
「ん、なんだこのボタン?」
「押さないでよ?」
「ポチっとな……」
「あ、タイヘ……きゃあああ~~~!」
「んぁああああああ~~~……!」
~回想終わり~
あたしとBBは穴に落ちていくタイヘーとセシルを冷めた目で見おくった。
「あいつらはアホなの?」
「脳に致命的な欠陥がある……」
あたしたちは魔王城の廊下を歩きながら、しゃべる。
幸い魔王城は明かりが等間隔に灯っているので松明などはいらない。
「整備されてるわね」
「モンスターと違って魔族には知能があるからね」
「てか、魔族ってなんなわけ? モンスターとも違うし……あんたらの獣人とも違うのよね?」
「亜人と言えば亜人だけどね……。亜人八種族って知ってるでしょ? 獣人、人間、エルフ、ドワーフ、ゴブリン、ゴーレム、鳥人……そして魔族。そしてその魔族の王が魔王」
「それだけ?」
「それだけ……」
「ふーん……魔族って、人間なの?」
「人間ではなくて、亜人。だいたい人間も亜人の一種……」
「……? じゃあ亜人の『人』ってなにを表してるの?」
「…………」
BBはあたしの疑問に驚いたような目をしてこちらを向いて、話しかけてきた。
「アリシア……」
「なによ?」
「それ新しい見解……」
「ゲハハ! 人間どもやーっと見つけたぞ!」
「ん?」
あたしらの前に翼の生えた魔族が飛び出てくる。さらにその脇からぞろぞろと手に手斧や片手剣を持ったやつらも出てくる。
「いままでどこに隠れてたのやら……」
「ガハハ! あの目つきの悪い人間がいなくなるまで息を潜めていたのだ! やつは危険だからな……どうだ、俺様頭いいだろう?」
「タイヘーみたいなやつ見つけた……」
「脳に欠陥のあるやつらだらけね」
あたしとBBは魔族の群れを前に肩すくめた。
「なんだその態度は!? いいか貴様ら、貴様らは殺さずに規約的に全年齢対象やR-15では表現できないあんなことやこんなことをしてやる、グヒヒ……」
「いや言ってる意味が全然わかんないけど、まああんたらが馬鹿だってことはわかった。さっさと来たら? それともその手に持ってるのは飾りなわけ?」
「……っ! コロス!!!」
「あーあ、それ言ったら死亡フラグやーつ……」
BBが眠そうに言った。
「それ言って、相手ボコボコにしてたやついなかったっけ?」
「さあ……? 落とし穴に落ちた人なんて忘れた……」
「なにをごちゃごちゃと、お前ら突撃ぃー!!」
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