第84話 変電所作業に移る。

 そして変電所に入った私達はやはり火災事故を起こした京王のそれよりはマシだったが、やはり変電所の老朽化も非常に深刻な状況でこれは拙いと実感した。

 特に近鉄側の方が長年使用していた影響からかその傾向が非常に強く感じる。

 故に、私は秋水に変電所の問題について彼ならどう対処するのかしっかり聞きだしてみる事にした。

 そうすれば町がなく彼がどう対処するのか考えさせる要因ができるから猶更だと…。


「ねぇ。秋水。」


「どうしたの?美咲さん。」


「秋水はもし、変電所が劣化したらどうやって対処する?」


 私はそう問いただした後、変電所の劣化についてどう対処するのか彼からしっかりと聞き出してみようと思った。

 そして彼はその言葉を聞いて凄く良い目をしながら私にその事を話してみようと思った。


「う~ん。変電所に関してはよくは判らないが、とにかく電線が錆びたりビニールが剥がれる他、変圧器の劣化が酷い場合が多いから先に交換する方が優先すべき事案かと。」


 彼の言う通り、電気系統の場合、良く使用する機器の好感を優先することが非常に大事になるのは変電所火災を防ぐ上でも大事な事だと感じたからだ。

 そしてこの変圧器を調べる事、そして電線などの電気系統の劣化を手早く調べる事でこういう変電所火災を防げると改めて感じた。


 京王の場合、長年における緊縮経営がこのような事態を起こした場合が多い。

 つまり、運賃を安くするが、大して投資をやらない姿勢が長年積み重ねた結果、人口減で混雑緩和させる思考についてしまい、非常にダメな私鉄だと感じた。

 最も京王相模原線の加算運賃回収率は既に9割越えしたので、後少しで廃止できる状況にある。

 但し、これは小田急の複々線化対策によって下げたものだからという思考は私にはあると実感している。

 実際、加算運賃問題は全国各地にあり、近鉄鳥羽線や相鉄いずみ野線などが代表だが、やはり利用しやすい鉄道体系をしっかりと整えてこそ、利用者を増やす姿勢が大事なのだと改めて感じるこの頃だ。

 既にロシアでは混雑緩和の為に貨物線を転用してモスクワ中央環状線という非常に利便性の高い鉄道が出て、利用者が増加したのも相まって10両化され、現在に至っている。

 勿論、紀勢本線も伊勢鉄道がJR化して利用者が増え、複線電化されたので現在では近鉄とJRの利用者が同じ位の利用者が増えた事になる。


 そういう意味を考えて、いかに競合の論理が鉄道に金を回し、発展させてゆくのかはやはり金をいかに回して積極的に載らせる発想が鉄路を守る要素になると感じた。

 つまり、インフラを強化させて需要開拓をできるだけ拡大させることが非常に大事だと理解し、それが攻めのインフラ投資だと実感した。


 逆に言えば、公共交通インフラは守りの投資。

 即ち、後ろ向きな投資をする事はインフラを却って劣化させ、大きな弊害が起きるのかはっきりしていると改めて実感した。

 ゆえに守りの投資ではケチになり、インフラの劣化に繋がってくる事からその影響が大きいと感じた。


 そういう問題を考えると実はブラック企業や倒産しやすい企業は実はケチの方が多いのはそういう側面が強いのは当然だと感じた。

 つまり守りの経営をしているからブラック企業になりやすい。

 それはイコールケチでもある事は非常に明白だと。

 当然、路線に関してもサービスが悪い路線程、競合がなく自然と儲かっているのでそこには殆ど、金を回さない傾向がここでもある。

 そういう傾向が露呈されている現状があるからこそ、いかに積極的に利用者を乗らせてモーダルシフトをいかに向上させてゆくのかが大事だと感じた。


 そう考えながら、私は変圧器などを確認して、流石に熱を持ち始め、劣化の酷さを改めて感じるレベルの状態だったので交換しながら進め、新品の変圧器に変えた後、変電所がこれ以上、火災を起こさないように電線なども念入りに確認した。


「すごい。美咲さんは手早く交換が行えるんだね。」


「あぁ、私はこうやって確認して電線の問題を解決しているんだ。そうすれば手早く回収できて非常に早いから案外、早くおらわせられるよ。」


「成程。そういう事だったか。」


「で、断路器や保護継電器などもしっかり確認して、受電盤などもしっかり確認することで鉄道の問題をしっかりと直すことができるからな。」


「成程。他の部分もしっかりと直すことが大事ですね。」


「あぁ、その通りだ。秋水。」


 私はこの問題をしっかりと考えさせられる状況がこんなにあると思いつつ、断路器、保護継電器、受電盤などもしっかり確認して変電所の確認をJRや近鉄共に確認した。

 そして近鉄とJRの変電所の問題を確認した後、交換を無事に終え、これから私は分岐器関連の工事を始めようとした。

 当然、秋水もこの分岐器に関してしっかりと掃除しなければいけないと感じながら私はこの調子で大丈夫なのか非常に不安を感じつつ、後は分岐器の稼働がしっかりしているのか確認するのみとなったのでこれが最後だと安心した。

 そういう問題を考えつつ、私は分岐器の確認をした。

 流石に分岐器に関しては名古屋指令所の確認が必要だ著感じていたが、それらの構造を見ていると無事に動いており、電気系統もそこまで問題ないと感じたのでこれで一先ず安心し、今日の深夜作業はこれで終わったと感じた。

 すると、所長さんが私の仕事ぶりを見て…、


「おぉ。美咲さんはよう頑張ったね。」


 と私の頑張りを無事に褒めてくれて、こちらからしても非常に嬉しいと安心した。

 彼の成長も凄く、私もそれで成長すれば非常に嬉しいと感じた。

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