第210話

 右ストレートだ。

 そう思った時は、すでに身体が反応しバックステップを踏み、間一髪、避けていた。


 凄まじい反射神経だ。瞬時に身体が動き反応していた。


「くッ!!」

 続けざまに、クルッと後ろへ回転しながら、回し蹴りを放った。


「うッぐェ~…!!」

 相手の腹部へ突き刺さったかに思えたが、致命傷ではない。

 まだ当たりが浅かった。


 しかし相手は両手を振って叫んだ。

「ちょッ、待った! 待ったァ~ー!!」


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