第3話 チーター特有の戦い方

 めっちゃ吹っ飛ぶやんこれ、敵mobの物理演算もなかなかリアルだな。


「あっやべNPCの会話スキップしちまった……何言ってるのか聞いてなかったわ」

「「「「えっえええええ!?」」」」


 おおぅ、チュートリアルのNPC一人やっただけで他のNPCもこんなに驚くのかよ結構パターン組んでるんだな。

 けど最初からこんなことやってるとバグるかもしれんし、とりあえず表記を初期ステと同じにしておこう。


 そういやこいつら何レベルなんだ?

 えーっと、それっぽいスキル……”観察眼‘‘をとりあえずレベルマックスにしてと……



△sysrem

 スキル〈観察眼〉 Lv.MAXを習得しました



△system

 スキル〈観察眼〉 発動



△system

 山賊1 Dランク 恐怖 HP100

 山賊2 Dランク 恐怖 HP100

 山賊3 Dランク 恐怖 HP100

 山賊4 Dランク 瀕死 HP5/100

 詳細 →はい いいえ



 瀕死っていうのはさっき吹っ飛ばしたやつか。

 折角の機会だ、残り三人の敵でチートを色々試してみるか。


 とりまちょいちょいとプログラムに手を加えて……


「……よし。おいそこの山賊1、そんな混乱するなってほら」

「ひいッ来るなぁ!」


 山賊はビビりながらも俺に向けてボロボロの短刀を振りかざすが、攻撃は全く当たらない。


「なっ!?」

「自キャラのダメージ判定を別の場所に移動するチートも問題なし」


 ちなみに今どこにあるのかっていうと、俺の真下の土の中の10m先の場所だ。


 このチートは『ターミネー〇ー』のようにエフェクトを出さず、ただ判定をずらすだけなので比較的簡単に作れる。

 バトロワ系でも作ったことはあったが、見た目もそこまで派手じゃないのでそんなには売れなかったがな。


「ひいいいいいっ……」

「ほー腰を抜かすモーションがあるのか。なかなかリアルなゲームだな」


 次はNPCの位置情報を入れ替えてみるか。


「えーっと、山賊1と山賊2の場所をチェンジで」

「えっ?」


 おーしおしおし問題なし。

 腰を抜かした山賊1は5m離れたくらいの場所にいるな。

 んで目の前には間抜けズラした山賊2が立ってる。


「おい、ほらこっちこっち」

「なっなんで俺がこんなとこに―――」


 さーてと、じゃあお試しとして早速ちょっと驚かせてみるか。


「ガオー」

「うわあぁぁぁぁ……あ……?」

「ほー、攻撃の跳ね返しも問題なしか」

「あぁぁぁぁぁ!」

「そんなうめき声上げながら倒れるなって」


 今使ったチートは俺に来た攻撃を自動で攻撃してきたキャラに返すというものだ。

 戦国無〇でmodとして使ったことがあり、敵陣地に突っ込んで放置するだけで物凄い勢いで敵が死んでいくのだ。

そんなことがこっちのオンラインゲームでもできるみたいだな。

 

 山賊の腹にはしっかりと短刀を刺したかのような傷が刻まれていた。


「さてと、山賊はあと一人だ―――」

「すみませんでした!」」


「……えっ」

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