緑の黒髪
俺が高校生の時、古典の授業中に緑の黒髪とは、美しく艶やかな黒髪を意味すると習った。
そんで、俺がかっこつけたがりだったのもちょうどその頃で、やたらと難しい言葉を使いたがった。
そこで、俺はどうしても習いたての「緑の黒髪」とやらを使いたくて、行きつけの美容院を予約したんだ。
美容院に向かっている間、どうやってかっこよく言おうか考えてると、あっという間に到着していた。
「今日はどーすんだい?」とニコニコしながら担当の美容師さんが聞いたから、トリートメントしてもらうつもりで、「緑の黒髪でお願いするぜ。」と俺はノリノリで言ってやった。
すると、おっちゃんは俺が古典の知識を使いたいがためにトリートメントしにきたのがわかったようで、「いかすねぇ、楽しみに待ってな。」と言ってトリートメントを取りに行った。
しばらくして、おっちゃんは二種類のトリートメントを用意してきてくれた。
いつもは一種類しかないのに、よっぽど俺が可愛かったようで、二種類ものトリートメントを持ってきてくれたようだった。
椅子に座って完全にリラックス状態の俺は、心地よくて座ったまま眠っていたようだった。
しばらくして目を覚ますと、おっちゃんが「できたぜ」と言って、手鏡を渡してきた。
すると鏡には、俺の黒髪がツヤツヤしてると思いきや、左右に緑と黒の髪が広がった緑の黒髪になっていた。
それから俺はかっこつけたがりじゃなくなったのさ。
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