グリーンアイズ
貴方の瞳は緑色。
私はそのエメラルドに光るガラス玉を美しく思い手を伸ばすのに、貴方は私を拒絶する。
私が貴方に出会ったのはいつだろうか。
きっとずっと昔だろう。
ガラス越しに貴方と目が合った。
私は笑い、貴方も笑う。
私が泣いていると、貴方もその美しいガラス玉を濡らして一緒に泣いてくれる。
こんなにも通じ合っているのに、私が貴方に触れようとすると貴方は手を出して拒絶する。
私は貴方のぬくもりを感じたいだけなのに、いつも伝わる感覚はガラスの冷たさ。
貴方に恋する私を、周りの人は恐ろしいモノを見たかのような目で見てくる。
私を優しい瞳で見てくれるのは貴方だけ。
今日も私は貴方に手を伸ばす。
貴方はやっぱり私を拒絶した。
私はどうしたら貴方に触れられるのだろう。
きっと貴方はずっと私を拒む。
それならばいっそのこと、貴方のその薔薇色の唇を奪ってしまおう。
例え貴方に嫌われようと構わない。
私は勇気を出して貴方の唇に自分の唇を重ねようと前に出た。
するといつも私を拒んでいた貴方は私と同じ動きで近づいてくる。
そして唇が触れ合った。
それなのに、貴方の唇は温かくなく、ガラスの冷たさだけが伝わってくる。
どうして貴方に私は触れられないのだろう。
鏡の中の貴方に、今日も私は恋をする。
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