World 2 date.12.24 ?? 6:15

 井田駅のホームでしんと美奈はお互い見つめ合っていた。

 2人の横を、多くの人が通り過ぎた、下り電車は時間通りに滑り込み、そして去っていく。


「「あの」」


 声が思わず重なり、2人は口を閉じた。

 なんと言っていいのかわからない、しかし美奈は言いたいことがある。残された時間はない、これだけは言っておきたかった。


「ありがとう」


 その言葉はしんに届いたのだろうか。しんにはその言葉が聞こえたような気もするし、それも夢の中での出来事だったような気もする。

 永遠にも近い間、2人はその場で立ち尽くしていた。

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