魅惑と戦場のお風呂2
「「うへへへ、お姉様お姉様お姉しゃま好きしゅきなのしゅ……はっ!?」」
「あ、あれ?」
「私達いつの間に…お姉様は?」
私とミーナちゃんは涎でびっちょびちょになった身体を無理矢理起こす。
周囲に愛しい御方が居ない。
先程までお姉様に全てを捧げようとしていたはずなのに。
残っているのは私達の体液でドッロドロになったお姉様の枕のみ。
「ミーナちゃんお姉様は何処に行ったのかしら?」
「うーん、ちょっと調べてみましょう。」
そう言うとミーナちゃんは四つん這いになって床の匂いを嗅ぎ始めました。
私達信者であればお姉様の残り香から居場所を探る事は容易い。
ミーナちゃんは廊下へ出てどんどん匂いを頼りに移動する。
途中メイド達とすれ違うけど気にしません優先順位はお姉様です。王国のメイド達と違って四つん這いで探索する女の子にギョッとしていてなんだか新鮮。
我が国では日常風景ですよ。
進むにつれてお姉様の居場所がはっきりとしてきました。
そこはお風呂場。
「間違いないです。こちらにお姉様がまだ居られます。芳醇で香ばしい匂いが濃くなっています。じゅるり…。」
「ミーナちゃんありがとう。なら、やる事は一つしか無いですね。じゅるり…。」
近くに居るメイドへ私達の着替えを持ってきてもらうようお願いしていざ出陣へ。
着ている衣服を放り出して生まれたままの姿になる。
待ちきれないとばかりにそこら中から体液が溢れてしまいます。
「ミーナちゃん、私達の初めてはここで貰って頂けるようですね。」
「はいスゥ様。いきなり複数なのは少々興ふ…不安ですが精一杯お姉様に尽くしましょう。」
ふふ、ミーナちゃんも不安からか体液が止まらない様子です。
木桶一杯に貯まりそうな涎を放置して豪快に大浴場への扉を開け放つ。
すぐに発見した我らがお姉様。
開いた扉に気付いてこちらに振り向くお姉様。
湯煙が邪魔で仕方ないお姉様。
運命のように目と目が合う。
目と目が合ったならもうそれは同意でしょう。
「あ、二人共起きたんだね。そこで立ち止まってないでさっさと入りなよ。」
「「お…お…」」
「お?」
「「お姉様……ご覚悟!!」」
「おぉ!?」
桃源郷はもう目の前。
突然の出来事にびっくりした。
お風呂でも変態に襲撃されるとは思わなかった。反省してくれないのだろうか。
呆れるように湯舟でぷかりと浮かぶ2つの死体を眺める。うつ伏せで表情が見えないけど周囲へ徐々に赤い染みが侵食していってる。
いきなり覚悟と叫んで数メートルの距離を一気に縮めて迫って来た。
目は本能と煩悩と欲望に塗れて怖かった。
咄嗟に近くにあった木桶で二人の頭部を叩き払わなかったらどうなっていたことだろう。
その後まだ立ち上がろうとする二人を丁寧に背後から首へ抱きつき締め落としていった。
「じ、直で…直で…。」
「背中に伝わる絶壁…。」
首を締めているのに何故か嬉しそうに鼻血を出して逝く姿は不気味だった。
変な事を呟いているし…。
王国では姫様と稀にお風呂に入る事はあったけどこんな事は無かった。
旅先で浮かれているのかもしれない。
ロコルお姉ちゃんだって妙にやたら現在進行形で抱きついているし。
なんで身内に警戒しないといけないのかな。
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