魅惑と戦場のお風呂
ハッ嫌な気配が!!
咄嗟に己の身を横へかなぐり捨てる。すると、今まで俺を包んでくれていた毛布に抱きつきベロベロと舐め回す二人の変態の姿が。
「「はぁはぁはぁお姉様お姉様お姉様?………いない!?」」
数秒間舐め続けた後でないと気付かないなんてとんだお嬢さん達だぜ。
「「ど、何処へ?」」
「ふふ、二人共寝込みを襲うなんて随分とご機嫌だね。おはよう。」
俺はゴゴゴと唸る闘気をチラつかせながら笑顔でご挨拶。それに対して二人は口の端をひくひくとヒクつかせる。
「「お姉様、おはようございます!!とても心配しておりました(わ)!!」」
どの口が言う。
先程の光景を見ているんだけども。
とりあえず二人の頭を鷲掴む。
「「お、お姉様……な、何を?」」
「何か最後に言い残す事はある?」
「「……………………お姉様、だーい好きキュピン!!」」
わぁ可愛い。
じゃあ、逝っとこう。
頭を掴んだ両手にゆっくりと確実に力を込めていく。
可愛らしい小さな2つの頭にメキメキと小気味良い音色が弾んでいく。
「「あ、あぁ…ごめんなさい。次からはもっと上手くやりんあああぁぁ!?」」
これでも反省しないから信者は質悪い。
昇天して意識を天へ捧げた二人は両手を離せばその場に崩れ落ちてピクピクだけする。
汗や何か分からない粘液を垂れ流して横たわる二人。
地べたに放置はまずいだろうからひとまず俺が寝ていたベッドに乗せて寝かす。
白目なのに動き出す二人。無意識でも本能からか俺の使っていた枕を嗅いだり舐めたりしている変態達。
寝てるよね?
ハァと呆れた溜息を吐いて外を見る。もう日が暮れかかっていた。
確かディーナさんに抱きつかれて昇天したんだっけ。しばらく気を失うなんて無かったけど幸せだから良い。
あの時のひとときを思い出し噛み締めているとドアをコンコンと叩く音が。
「はい、どうぞ!」
「アリス様、失礼致します。お目覚めになられたのですね。良かったです。」
そう言って入って来たのはロコルお姉ちゃん。
俺をちゃん付けして欲しいけど偉い人が何処からひょこっと出現するか分からない。
寂しいけど寂しいけど仕方ないから諦めます。
「うん、もう大丈夫だよ。心配掛けてごめんね。」
笑顔で返せばギュッと抱きしめてくるロコルお姉ちゃん。
気のせいか普段以上にギュギュッとしてくる。ロコルお姉ちゃんもなかなかの持ち主である。
思う存分抱きしめられた後、夕食前にお風呂行きが決定した。
未だ枕を舐る少女達を残してお姉ちゃんを連れてお風呂場へ。
着替えはお姉ちゃんが用意してくれたようなので準備は要らない。ローブを豪快に脱いでちゃちゃっとすっぽんぽん。
優しく微笑むお姉ちゃんと一緒に素っ裸で大浴場へ突撃。
湯から煙が立ち昇り、不可思議な動きで周囲を漂う。絶妙に乙女の領域を隠すそれは神の気まぐれか。
木桶にお湯を掬ってお姉ちゃんと洗いっこ。
お姉ちゃんの絶妙な力加減でくすぐったいような気持ち良いような。
「ふふ、ふふ、ふふふ…。」
「お姉ちゃん?」
「なんでもありませんよ。しっかり綺麗にしましょうね、ふふふ。」
温かいのに鳥肌が立つ。
不思議だね。
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