聖女ちゃんは語りたい


人々は真理を求めて生きている。

だが心配は要らない。

真理とはここにあるのだから。



俺は何か大きなモノに包まれた。

極小・小・微・中・大・特大・爆。

この顔に押しかかるモノは沢山の大きさの頂点である爆に違いない。

それが何かはすぐに分からなかった。

でもただ温かくて癒され、香る匂いは薔薇。

いつまでも包まれていたい気持ちと自分には無い絶望に苛まれる。でも、負けてもいい。


そう思える。


2つの大きなそれは大きな双丘に対面して勝ち負けなんて無いのかもしれない。

絶望を感じるのは刹那の一瞬でその後訪れるのは只々感謝。


ありがとう。

俺を包んでくれてありがとう。


全ての幸福はここにあり。

抗えない幸せが顔から全身へ伝っていく。

ふと口から液体が垂れる。


よだれだ。

世界で最も幸せで生まれたよだれだ。


気付かなかった。

今自分の顔がどうなっているか不明だけれど、おそらく緩みきってだらしない表情だろう。

けれど、それがなんだ。

顔一杯に伝わる幸福を前にして緩まない訳がない。


あぁ、ありがとう。


次第に呼吸が苦しくなってきた。口も鼻も塞がれているんだ当然だろう。

でも、ありがとう。

苦しくても幸せです。このまま死んでも良い。戦死や犬死に病死、数多ある死に様の中でお胸様による圧死ならなんと安楽な死に方だろう。

こんな幸せに感謝せずにはいられない。


俺は呼吸が途切れる最後まで感謝して逝くことだろう。

伝えたいこの気持ち。


ありがとう、ありがとう、ありがと…ありが…。




その時の光景を語るお姫様。


出会いの歓喜に満ちたディーナ様がお姉様に抱きつきました。

ほんの一瞬ですがお胸様に支配されていくお姉様の表情が絶望色に染まっているように見えました。

その後しばらく抱きつかれるお姉様。


私も含め全員が羨ま…微笑ましく見守っていました。



でも、事件はいつも唐突に訪れます。

突如として埋もれたまま震えだすお姉様。あと、何故か感謝を口にしています。よくよく考えれば埋もれてからもう何分も過ぎている。

他の人達もお姉様の異変に気付き始めました。



「お、おいディーナ!震えているぞ呼吸出来ていないんじゃないか!」


「え、嘘!?あらやだ、アリスちゃんごめんなさい!!あ、アリスちゃん、アリスちゃん!!」


ガバリと大きなお胸様をお姉様から離す。

お胸様から生まれたお姉様はなんとも幸せそうな顔で白目を剥いてよだれを垂らしていました。

それもまた素敵ですお姉様。


至福に溺れたお姉様はディーナ様やセイル殿下の呼び掛けにも反応しません。

ただ呟いています。


「ありがとう、ありがとうありがとうありがと…ありが…ぐふっ…。」


「お、お姉様?お姉様…お姉様!」


幸せそうに白目な笑顔でお姉様は逝きました。

セイル殿下の指示により急いで医務室に運ばれて行きました。


あれ、もしかしたら好機では。


気を失うお姉様ほど無防備な状態の方はおりません。

ミーナちゃん達と目配せをする。



今日をもってお姉様の貞操は最後です。



じゅるり。



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