ようやく挨拶
お風呂に入って数十分。
約二名をうつ伏せから仰向けに変更しながらゆっくり浸かる。
うへぇと頬を緩ませて仲良く100数えて上がりましょう。
終始乗せられていたロコルお姉ちゃんのお膝から離れてこの場を後にする。
俺らが着替え始める頃には変態達も目覚めて一緒に着替えた。
ただ着替える俺を凝視してまた涎を垂らすから呆れてしまう。
でも今度は襲って来ないで手をワキワキさせて涎を散らすだけだから許す。
幾らこんな二人でも周囲の人目がある時はまともに戻るだろう。
着替えが済んだら出口で待機していたメイドの案内に従い付いていく。
どうやらこのまま食事らしい。
結局意識を失って挨拶が出来ていなかった。
だから、夕食の場にて改めて俺は挨拶をする事となりました。
王の食卓に相応しい大扉が開かれて中へ入る。
もう既に俺達以外は席に着いているご様子。
知っている顔はフォルクスさんにセイル様それとディーナさん。
残りの人は知らない人達ばかり、けれど皆キラキラな金髪で王族です感が凄い。
ディーナさんに手招きされて椅子の前に到着したら、キラキラ集団の中でアルフの父ちゃんくらいの年齢のおじさんが口を開く。
「やあお嬢さん方、お風呂はゆっくりと浸かりましたかな?」
「あ、はい。お待たせして申し訳ございません。」
「いやいや気にしないでおくれ。我が城で少しでも落ち着けれたのであれば幸いだ。改めて挨拶をしたいのだが宜しいだろうか?」
我が城って事はこのおじさんが王様だな。
「はい、私から宜しいでしょうか?」
王様(仮)が頷いたのを確認して挨拶をする。
今まで通りの常套句なので割愛。
キラキラ集団の名前は以下でまとめたい。
王様の名前はゼノン様。鼻下の髭がより一層王様さを出しているけど俺が平民だからなんて偏見の目も無い。
次に王妃のルノワール様。目元にあるほくろがなんだか色っぽい。参考にしたい女性候補に入りそう。
その次は第一王子のハイド様。セイル様も王様もそうだけど皆爽やかさ満開だ。シェアローズに居た珍獣元王子と違って悪意を感じなくて良い。
セイル様は飛ばして王女姉妹。どちらも俺より年上さん。
姉のトワレ様に妹のノルン様。こちらも敵意は無くスゥ様ほど鼻息荒く俺を見つめることもない。一定の距離をきちんと分かってくれている。
総合してアーランド王国の王族の評価は良好。
一応肩書きのある俺と違って明らかなミーナちゃんやロコルお姉ちゃんっていう平民が居ても文句を一切言わず笑って同席させてくれる許容の大きさ。
毎回敵意や悪意を振り撒いてくる貴族達も見習って欲しいよ。
こうして簡単な挨拶を済まして夕食へ。
どんな材料が使われてるのか到底俺には理解出来ない料理の数々。多分、全部高級。
食べ方が分からずおずおずと口にする。
なんで同じ平民組のミーナちゃんは器用に上手く食しているんだろう。
「お姉様の愛奴隷として当然の所作でございます。」
誤解な発言ダメゼッタイ。
アーランド王族組の噂通りですねの発言が聞き捨てならない。
俺達そんな関係ではありません。
夕食はもうちょっと続く。
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