ぶらりほのぼの殴り旅2




これは共和国までの道のりで二つ目の町に寄った時の出来事でした。


町に着いたのは朝方。

なので次の日の出発までは聖女として住人の治療をしようと思っていた。

実際に治療を始めてお昼頃まで続けてました。

一旦昼食がてらの休憩と称してロコルお姉ちゃん達姦し乙女四人組で屋台を練り歩いていた。


するとお肉を頬張る俺の元へ駆けてくる一人の男性。

見た目はちょっと失礼だけど柄が悪そう。まぁ誰であっても関係ないけど。

どうも治療をして欲しい人が居るそうだ。



怪訝そうにするミーナちゃん達をなだめて男の案内に従ってついていく。

人混みからどんどん離れていき最終的に薄暗い路地裏へ。


何処まで行くのだろうかと思っていると男は不意に立ち止まる。


「着いたのですか?患者はどこですか?」


俺へ答える代わりに下卑たな笑い声で返してくれる。流石に前後を挟むように囲む気配は気付く。

退路はしっかり断たれたようだ。


「けっへっへ、お嬢ちゃん達。大人しく捕まるなら痛い目に遭わせるつもりはねぇ。いいな、抵抗するなよ。」


次第に俺達との距離を狭めていく野郎共。

一応、最終確認。


「えーと、怪我人は居ないのでしょうか?」


「けへへへ、これはとんだお人好しだぜ。そんなもん居る訳ねぇだろうが!」


「そうですか、なら良かったです。では、投降するなら武器を捨て両手を上に組んで跪きなさい。」


今のうちに捕まる事をおすすめする。

だって、俺より本能を優先する三人娘がいるんだよ。この殺気に気付かないのかい?


「けっへへへ、この人数が見えねえのかよ!大人しく跪くのはテメーらだよお前ら捕まえろ!!」


そう言い彼らは動き出した。

動き出したはずなのに次々と糸が切れたように一人また一人倒れていく。


仲間がどんどん崩れていく姿に男達は困惑を浮かべている。

彼らには三人娘の動きが捉えられていない様子。


「「「聖女様に対して不敬である!!!」」」


なんか口調が変わってる。

瞬間移動したかのように背後へ回り頭に掌底打ちをかまして意識を奪っている。


困惑がぐるぐるする中、残ったのは威勢良く息巻いていた男のみ。


「な、な、な話がちが…。」


「えーと、改めてお聞きします。投降するなら武器を捨てて両手を組んで跪きなさい。」


「は、はいいぃぃぃ!!」


投降するなら最初からしてくれればいいのに。

恐怖に屈した男達が無力になったところでフォルクスさんの騎士達が町の衛兵を連れてやって来てくれた。


「ご無事でなによりです。この者達の後始末はこちらでやりますので聖女様方は明日までごゆるりとお過ごし下さいませ。」


「はい、ありがとうございます。」


後は任せてもいいみたい。

どっかで食事でもしようかなんて呑気に考える俺を横目にスゥ様達はまた何やら考え事に夢中。


「どうしたの?」


「いえ、お姉様なんでもございませんわ。少し小腹が空いて元気が無いだけです。」


分かる。

沢山肉を食らわないと力が湧かないよね。

他の二人も同様にお腹が空いているようなので、そのまま騎士達に会釈して昼食に向かう事にした。



その後は特に問題なく過ごせました。

でも、時折ロコルお姉ちゃん達が三人で何やらこそこそ話し合いをして俺が蚊帳の外ってのが多々あった。


べっつに良いけどね。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る