第25話 共闘

「どうやらうまく行ったようだな」


かばんに銃を向けるタダヒサに朧が近づく


「あぁ見ての通りだ、それで、誰を連れていけばいいんだ?」

タダヒサが朧に問いかける


「そこで転がってる男二人とそこの女一人でいい」

朧が答える


「あの狼はどうするんだ?」

タダヒサがオオカミの方を見ながら言った


「そのまま転がしておけ、所詮はただの獣、あの方は気にはしない、行くぞ」

朧がゼロとトモカズを近くに居たセルリアンに乗せ歩き出した

「お前も行くんだ」

タダヒサがかばんに言った


「……っ」





そしては山頂に着いた朧達は

「連れてまいりました、スター様」



「待ってましたよ朧、厄介者は始末できましたか?」

スターが朧に近づく


「ええご覧の通り、ですが、あなた様の目で確認された方が宜しいかと」


ドサッ


朧がセルリアンの方へ向くとセルリアンはトモカズとゼロを落とした


「確かに死んでいるようですが、念のためとどめを刺しておきましょう」

そう言いながらスターはトモカズに近づき

「それではさようなら、私の邪魔をする者よ」


スターはトモカズに刀を振り下ろした





その頃山の麓では


「先生!起きてください!先生!」

キリンが必死にオオカミを起こそうとしていたが……


「もう諦めるのです……最初は気づきませんでしたが、何回か銃と呼ばれる武器の音が聞こえたのです……もしかしたらオオカミはもう…」

博士が悲しそうに言った


「そんな……そんな……先生!先生!」







「さっきからうるさいな、君は」


「え?」


するとオオカミは何事もなかったかのように起き上がった、そしてその口には

「全くあのヒトは無茶をさせてくれるよ、まぁそのおかげでいい顔見れたけどね」

銃弾を加えていた





そして山では

「なッ!」


トモカズが起き上がりスターを木刀で貫いていた


すると

パァンッ!


タダヒサがすかさずスターに向け銃弾を放ち


「オラアアアアッ!」

同じく起き上がったゼロがスターを殴り飛ばした




ズガァァアン!

飛ばされたスターは岩に直撃した


「く…これは一体どういう事ですか…」

そう呟くスターの周りにセルリアンが集まり出した


「早くあの者達を始末しなさい」

スターはセルリアンに命令するが



………

セルリアン達は動く気配がない

「何故だッ!何故私の命令に背くッ!」

言うことを聞かないセルリアン達にスターは焦りを見せ始める


「まだわからないのか、ここに居るセルリアン達はお前が作り出したと同時にあの方が作り出したものだ」

朧が静かに答える


「それはどういう事ですか、朧…何故君が私を裏切る」


「裏切ってなどいない、私が忠誠を誓ったのは二度目の命をくださったスター様のみだ、そしてそのスター様は今も貴様の中で生きている」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る