最終話 決戦

「あいつは死んだ、私が喰らったのは君たちも知っているはずだ」

スターが静かに口を開く

「死んでなどいない、最近貴様の言うことを聞かないセルリアンが増えたのは、貴様の中にまだあの方が生きているからだ」

朧が刀を握り締めながら言った


「くっ…しかしどう私に勝つつもりですか?まさか、数だけで私に勝てると?」


するとタダヒサが

「さっきあんたにぶち込んだ弾丸、あれもサンドスターの供給を断つ代物だ、おまけにそれだけじゃない」

タダヒサが笑みを浮かべた

その瞬間


「なッ…コレは!」

突然スターの体が光り始めた


「体の中のサンドスターを強制的に消費させる効果付きだ、つまり…」


それを聞いたトモカズはスターに向かって走り出した

「やるなら今しかねえッ!ここで決めろおおおおッ!」




「うらああああああああああッ!」

トモカズはスターに向かって木刀を振り下ろした

「無駄なことをッ!」

スターは防ごうとするが

シュルッ!

セルリアン達が触手でスターの動きを止めた

「なッ!」


「おらああああああああああッ!」

トモカズはスター目掛けて一心不乱に木刀を振る


ドゴォッ! バキィッ!


「うらああああああああッ!」


木刀が当たるたびにスターから出る光が輝きを増していく


(何故だ…この男のどこにこんな力が残って…)


「コイツで終えだああああッ!」



バゴォッ!


トモカズはスターを突き飛ばした


ズガァァアン!


スターは岩に叩きつけられ土煙が舞う


「はあ…はあ…やったか…」

トモカズは息を切らしながらスターに近寄る


スッ

土煙から刀が飛び出した

「ちッまだ生きてやがんのか!」

トモカズは後ろに飛び距離を取る


「残念でしたね、君の剣は私には届かない」

スターは笑みを浮かべながらも苦しげな表情を見せる


「そう言う割には随分顔色悪いじゃねえか、立ってるのもやっとなんじゃねえのか?」

トモカズは木刀を構えた


「君にだけは言われたくありませんね、次で終わらせますよ」

スターも刀を構える


ダッ

二人は同時に駆け出した

「「はあああああああッ!」」


互いの剣が交わる瞬間、スターは


(…!ヒロアキ…)

かつて自分にとって一番大事なヒトとトモカズの姿を重ねた


シャキイイイイン!


二人は剣を交え互いに背を向けた状態に、そして


「私の負けだ……ありがとう……」

そう言いながらスターの姿は消えた






数ヶ月後

観覧車の中で人で賑わう遊園地を見下ろしながら

「あれからすぐに再開して客も来るようになったし、めでたしめでたし…だな」

トモカズが呟いた

すると

「何か言いました?カズさん」

目の前のかばんが笑いながら聞いた

「いや、なんでもねえさ」




Fin

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