第0.5話
「10年以上も一人で待ってたのか…そりゃどうりでいきなり抱きついてくるわけだ」
トモカズが呟いた
「そういや他の奴はどうした、人が居なくたって他の仲間とかは…」
イエイヌに尋ねた
「…確かに他のフレンズも最初は居たのですが…セルリアンが…」
それを聞いたトモカズは
「まさか、食われたのか?」
「いえ、そうではなく…実はヒトが居なくなってから少し経ったあと…フレンズを食べない…フレンズに対して徹底的に攻撃するセルリアンが増えまして…それでみんな怖がって隠れるように…」
イエイヌは顔を伏せた
「そうか…」
トモカズは窓の外を見た
すると
コト…
足元の方で何か音がした
「なんだ?」
足元を見るとフリスビーが置かれていた
「あ、あの…これを投げてもらえませんか?」
「………」
ヒュン!
外に出た二人はフリスビーを投げ、取りに行く、それを繰り返した
「ふ…たまにはこういうのも悪く無えかもな…後でタケヒトにどやされそうだ」
しばらく二人は遊んでいたが…
ピクッ
突然イエイヌが動きを止めた
「あ?どうした?」
「…おうちの中で待っててください…絶対に出ないでくださいね!!」
そう言うとイエイヌは走っていった
「あ、おい!…どうしたってんだ…」
「ガルルルルルルルル…」
イエイヌは唸り声をあげていた、その視線の先には
「グオォォ…」
四足歩行型の巨大セルリアンが居た
「これ以上先には…行かせません!!」
イエイヌはセルリアンに飛びかかった
その頃トモカズは家の中で待っていた
「……待ってろとは言われたものの…一応仕事で来てっからな…アイツには悪いがそろそろ……待てよ、そういやさっき…」
(フレンズに対して徹底的に攻撃するセルリアンが増えまして…それでみんな怖がって隠れるように…)
トモカズはイエイヌの言葉を思い出した
「まさか…アイツ!!」
トモカズは家を飛び出した
(クソ…そういや犬は耳が…だからアイツ!)
ドガァッ!
「うぅ…」
セルリアンの足に吹き飛ばされたイエイヌが地面に叩きつけられた
しかしイエイヌは再びセルリアンに飛びかかるが…
ドゴォ!
「あぐ…」
その度にセルリアンに吹き飛ばされる
「はあ…はあ…絶対にここから先は…通しません…!」
「グオォォォォォォオッ!!」
セルリアンが唸り声をあげイエイヌに足を振り下ろした
ズガァァアン!!
「…………え?」
「うおおおおおおおおおお!!」
トモカズが木刀でセルリアンの足を受け止めていた
「な、何やってるんですか…ヒトがセルリアンに勝てるわけ…」
「……おいワン公…答えてくれ…ずっと一人で待ってて寂しかったか?」
「え?」
「久しぶりに人が戻ってきて嬉しかったか?」
「…はい…」
それを聞いたトモカズは
「だったら泣け…笑え…寂しかったら思いっきり涙流して泣きやがれ、嬉しかったら思いっきり腹抱えて笑いやがれ、自分のやりたいように生きろ…!今お前が一番望んでる事はなんだ!!思いっきりぶちまけやがれ!」
イエイヌは
「……私は…私は…!もう一度…もう一度…ヒトと遊びたいです!もう…ひとりぼっちは…」
涙を流しながら答えた
トモカズは少し笑い
「上等だ…安心しろ、少なくとももうお前を一人にはさせねえよ…!」
ガクッ!
トモカズの体制が低くなった
しかしセルリアンの足をまだ受け止めている
「うぐ…」
(もう持たねえ…くそ…だが!)
「おいワン公…!一度しか言わねえから耳の穴かっぽじってよぉく聞け!俺がもう一度人間がまた来るようにしてやる…だから!」
トモカズは少しずつセルリアンの足を押し上げていった
「それまでアホみてえに尻尾振って待ってろおおおおおおお!!」
トモカズはセルリアンの足を弾き飛ばした
ズガァァアン!
体勢を崩したセルリアンは倒れ込んだ
「うらああああああ!!」
トモカズはそのまま石めがけて木刀を振り下ろし
パッカァーン!!
セルリアンを倒した
「ったく…調査に来ただけでこんなに疲れるとはなぁ…」
そう呟くトモカズの元にイエイヌが駆け寄る
「あの…さっき言ってたのは…」
「…昔あるやつと約束してな、パークを復興させるってな…ま、こっちが一方的に言っただけなんだがな、まぁそういう訳だ、あれだ…俺の仲間が居るところに連れてってやるから人が戻ってくるまでそいつらと一緒に居ろよ」
「…はい!」
ポン
トモカズはイエイヌの頭に手を置き
「良く頑張ったな…これでも食うか?」
タケヒトからくすねたクリームパンを渡した
「あ…ありがとうございます…!」
それから時が経ちパークに再び人がやって来るようになった
「んでまたセルリアンが湧き始めたから協力要請をだな」
トモカズがカズヤに言った
「いや長いわ!!なんで二話もかかったの!もう元号変わった次の日だよ?!」
「しょうがねえだろ、アニメの扱いがあまりにもあれだったから出番増やすって
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