第0話

新元年特別編 0話


これは第1話が始まる前…まだパークが復興する前の物語




「あー…だりぃ…ったくなんで俺がこんな事しなくちゃならねえんだよ」

船の上でトモカズが文句を言っている

「少し黙ってろ、しょうがねえだろぉが、一応他のエリアも見ておかねえといけねぇんだし」

タケヒトが睨みつけながら言った

「大体なんでお前と行かなきゃならねぇんだよ、俺嫌だよ?こんな厨二拗らせた大人と一緒」

それを聞いたタケヒトは

「そうか、だったら」

ゲシ

ドパァァン!!

トモカズを船から蹴り落とした


「一人で泳いできなこれで厨二拗らせた大人と行かなくて済むだろ?」

不敵な笑みを浮かべながらタケヒトが言い放った


落とされたトモカズは

「ガババババ!わ、悪かった!だから乗せてくれえええ!!おおおい!!」

叫んだが船は既に遠くまで行ってしまった


「チクショー!!許さねえぞあんの野郎!!船酔いする呪いかけてやる…」


トモカズはそのまま泳いでごこくに向かった




そして…

「ぜえ…ぜえ…やっと着いた…あーもう滅茶苦茶だよ」

ごこくの海辺に着いたトモカズは船を探した

「クソッ!どこにありやがる…お?あったあった」


船を見つけたトモカズは船内を漁りあるものを見つけた

「アイツの大好物のクリームパン食ってやる…」

そう言いながらトモカズはクリームパンをバッグにしまった


「さて、どうすっかな」

トモカズは船を降りた その時



ドシン!!

セルリアンが目の前に落ちて来た


「おいおい…久しぶりの歓迎にしちゃあ随分と手荒じゃねえの」

トモカズは木刀を構えたが


パッカァーン!!

突然セルリアンが弾け飛んだ


「は?」


トモカズが目を凝らすとセルリアンのいた所に人影が

すると突然


ガバッ!!

「うげッ…」

人影がトモカズに飛びついて来た


「もしかして…あなた…ヒト…ですか?」

ギュウウウウウウウウ…


「イダダダダダ…離せ!離せって!」

トモカズが離そうとした瞬間


グギッ!

「はぁッ!!」

腰のあたりから不吉な音がなり

ドサ…

トモカズは倒れた

「ああ…すみません!大丈夫ですか?」


「あのね…救急車呼んでくれる…?」

トモカズは意識を失った




その頃タケヒトは

「無え…俺のクリームパンどこ行ったああああ!!」

トモカズが盗んだクリームパンを必死に探していた




「あ、良かった…気がついたみたいですね…」

トモカズが目を覚ますと先ほど飛びついて来た者が覗き込んでいた

「イテテ…よく無えよ…あんな力強く抱きつくバカがどこの世界にいんだよ…イテテ…」

「す、すみません…あまりに嬉しかったので…つい…」


「んで、ここどこよ、それにあんたは…」

トモカズが訊いた

「あ、申し遅れました、私はイエイヌです、あとここは以前ヒトが住んでいたおうちです」

イエイヌと名乗ったフレンズが答えた


「おうちだぁ?ここに人が住んでたって…」


「はい、ある日急にいなくなってしまって…それ以来ずっと帰ってくるのを待ってたんです、それで嬉しくて…つい…すみません…」

するとトモカズは

「おい…ちょっと待て、人が居なくなってからずっと待ってただと?10年以上前だぞ…まさかその間一人で…」


「はいそうです、いつか戻ってくると信じて…」

イエイヌは寂しげに答えた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る