第22話 真相

「な…なんで…」

カズヤはタダヒサに問いかけた

「言ったであろう、人を襲う獣を始末するのもワシらの役目よ」

するとオオカミが起き上がった

「オオカミ!!」

しかしタダヒサは再び銃を構える

「中々しぶとい獣よ、ヒヒヒ」


パァン!!

ドサ…

そしてタダヒサはオオカミに近づき

「やはりな、原因はこれであったか…」

何かを手にしながら呟いた


タダヒサがカズヤの方へ振り返ると

「いくらなんでもこれは…やりすぎですよ…」


カズヤは膝をつき項垂れていた

「…案ずるな…ただの催眠弾よ、時期に眼を覚ます」

「え?」

「ただ眠っているだけだ、死んではおらぬ、そして話は変わるがヌシはこれを知っておるか?」


タダヒサは先程手にした何かをカズヤに見せた

「これは…なんですか?」

「やはり知らぬか、実はこれは獣を操る機械よ、昔これを作った小僧が居てな、獣を操り人を消そうとしたり、獣同士で争いを起こした、しかしヌシの父がそれを止めたのだ」

「父さんが…」

「ワシは今からこれを報告しに行く、ヌシはヌシのやりたい事をするが良い」

タダヒサは歩いて行った




その頃トモカズは

「んで、話って何すか?園長さん」


「断られるかもしれないが…君は園長の座に着く気はないかね?トモカズ君」

トモカズは頭をかいた

「ああ…お断りしますよ、生憎そんなもん興味ないんで、話が済んだんなら俺は行きますよ」

トモカズは部屋を出ようとするが

「待ちたまえトモカズ君、話はもう一つあるのだよ、君もそろそろ知るべきだ…君の父親の死の真相を…」

トモカズは園長の方に振り返った

「親父の?」


「そうだ、君の父親はスターに食べられ死んだ…その事は一部の人間しか知らない、だがそれは違うのだよ」

「違う?一体それは…」

園長はうつむきながら

「裏切りだよ…タダヒサ君のね」

そして顔を上げ

「君の父親がパークへ1人で行く、それを知るのはタダヒサ君と私だけだった…それをタダヒサ君は上層部に流した、当然その事実を知れば上も黙っては居ない、すぐにパークに向かった」

トモカズは黙って聞いていた

「そして君の父親は上に密かに始末された…そしてスターは自らの身を隠すために君の父親を食べ姿を変えた、そう、タダヒサ君が裏切らなければ君の父親は死ぬ事は無かった…彼は裏切るのが得意だ、君も知っているだろう?以前は医者だったが裏切りがバレ辞めさせられた、そしてここへ来た、私はねトモカズ君、最近起きている事件はタダヒサ君がやっているとしか思えない…」

「話は終わりですか、なら俺は行きますよ」

返事を待たずにトモカズは部屋を出た


(そういう事か…)

トモカズは壁に寄りかかった



ロッジでは

「う…うう…」

オオカミが目を覚ました

「あ、起きた?」

「…カズヤか、どうやら彼は本当にやってくれたらしい…」

「どういう事?」

するとオオカミは

「彼から口止めされているが話しても大丈夫かな…」

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