第17話 解放

「フフフ…これなら良い映像が撮れそうだな、他の奴らも動けねえだろうな」

男が見ているモニターには城内全ての映像が流れていた

「一応全部に仕掛けておいて良かったぜ、ん?な、なんだこれは!!」

ザザー

モニターの映像が次々に消えていた

「い、一体何が起こってやがる…」



カズヤは城の中を走っていた

「見たところ作戦は順調かな」


*城に入る前

「作戦はこうだ、カメレオンは透明になって監視カメラを壊してって、全部じゃなくていいから」

「しかし城のカメラは…」

「そう、いくつもある、だけど壊せばある程度敵の目をを引きつけられる、その間に父さんとゼロさんが人質を助ける、それで連絡が入ったらライオンとヘラジカを僕らで止める、やってくれるね」

「分かったでござる…」


(頼むよ、父さんたち…)


「一体なんだよ…これ」

男が呟いた、その時

ドガッ!!ドゴォッ!!

別の部屋から突然音が鳴り響いた

「さっきからなんなんだよ!!」



男が部屋に向かうと

「な、なんだ…あんたら」

赤い帽子を被り赤い服を着たトモカズとゼロが立っていた、そして2人同時に不気味な笑みを浮かべながら

「「どうもこんにちは、執行人サンタクロースだよー、誘拐犯良い子制裁プレゼントを届けに来ましたー」」


「ヒ、ヒイッ!!」

2人を見た男は座り込んだ

それを見たトモカズは

「あれ?反応悪いな、なんでだ?」

「そりゃお前、今は夏だぞ、サンタは冬に来るもんだろ」

ゼロが返した

「確かに物語的には夏だけど現実はクリスマスだぞ?サンタぐらい出るって」

「まあそれは置いておいてだ、そろそろ時間だ」

2人は男に近く

「や、やめろ…来るなぁッ!!」

するとトモカズが

「サンタの服ってなんで赤いか知ってるか?ゼロ」

「知ってるに決まってんだろ」

そして2人同時に

「「血の色を誤魔化すためだよ」」

ドゴオオオオオォッ!!

男に拳骨を食らわせた

そしてトモカズはスマホを取り出した

「さて、と」



「来た…はい、こちらカズヤ…了解、じゃあこっちも止めに行くよ、それじゃあ」

カズヤは襖を開けた


そこでは


ドガッ!!バキッ!!

「うらぁッ!!」

ガキィィィン!!


ライオンとヘラジカがぶつかり合っていた

「おーい!!2人ともー!!もう戦わなくて大丈夫…って!!」

ドゴオッ!!

カズヤの元にヘラジカが飛んできた

「ちょっと…もう戦わなくていいんだってば…」

しかしヘラジカは再びライオンに飛びかかった

「嘘…でしょ…」

「完全にヒートアップしてるでござるな…あの2人…」

突然現れたカメレオンが呟いた

「そんな…せっかく人質は助けたのに…」

カズヤは木刀を握りしめた

「カメレオン、どっかにもう一本木の棒かなんか無い?」

「え?あるにはあるでござるが…一体何を」

カメレオンは自分の持っていた棒をカズヤに渡した

「決まってんじゃん、あの2人を止めるんだよ」

カズヤは2人の元へ行こうとするが

ガシッ!

カメレオンがカズヤを掴んだ

「ダメでござるよ!!危なすぎるでござる!」

「だからって黙って見てるなんて俺は嫌だね…離せよ」


カズヤはカメレオンを振り払い走り出した


「「はあああああああああ!!」」

ライオンが爪をヘラジカが杈を振りかぶった

ガキィィィン!!


「なっ…」

「何をしている…」

カズヤが2人の攻撃を防いでいた

「ッ…痛え…結構来るなぁ…やっぱり」

カラン

手にしていた木刀と木の棒を落とした

「もう戦わなくて良いよ…父さん達がなんとかしてくれたからね…イテテ…」

カズヤは木刀を拾い歩き出した

するとヘラジカが

「見たか…カズヤのあの目」

「見たよ、流石はアイツの子だ…」



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