第15話 化け物

「ありがとうな、助けてくれて」

ツチノコがカズヤに言った

「別に、僕はただ気にくわない奴らをぶちのめしただけだよ、あと…さ…あの事なんだけど」


「分かってる、黙っときゃいい良いんだろ?なんで隠すのか知らんが」


「もしバレたらヘラジカみたいなのが勝負仕掛けてくるのがめんどくさいからね、だから戦えないフリをしてた」

カズヤはうつむきながら言った


ヒ…ヒイ…来るな!!!!


「そういう事に…しておいて…」

「そうか、それで、お前は何しに来たんだ?」


「ちょっと探しものをね、ツチノコは知ってる?ヒトのフレンズって」

「さあな、俺は知らんぞ」

それを聞いたカズヤは

「そっか、ありがとう」

そう言いながら歩き出した




みずべちほーでは

「はぁ…」

プリンセスがため息をついた

「なあ、あいつこの前からなんか可笑しくないか?」

イワビーが言うと

「確かに、練習の時も振り付けを間違えたり…プリンセスさんらしくないですよね…」

ジェーンが返した



そしてさばくちほーを出たカズヤは

「さて…こはんに来たんだけど…」


「んぐぐぐぐぐ!!」

何者かの足が地面から出ていた

「犬●家の放送日って今日だっけ?いや違うや、じゃあ何これ?」


「んぐぐぐぐぐ!!」

「なんか唸ってるし…え?マンドラゴラか何か?引っこ抜いたら死ぬってやつ?なんか怖いから無視しよ」

そう言ってカズヤは通り過ぎて行った



へいげんでは

「さあ、どうする?俺との取引は成立かな?」

男が問いかけたのは

「「………」」

ライオンとヘラジカだった

2人は黙って男を睨みつけていた

「黙ってるって事は成立かな?じゃ、始めてくれよ…とびっきりのショーを!!」



「一応バスを乗り継いでへいげんまで来たけど…流石に疲れたな」

カズヤは俯いた

「もう面倒事は嫌だな…」

顔を上げ歩き出そうとした時


「「あ」」

カメレオンと目があった


次の瞬間カズヤは全力で走り出した

「なんで逃げるのでござるかああああ!!」

その後をカメレオンが追う

「なんで追いかけてくんのさ!!」

「ヘラジカ様とライオンが大変な事になっているのでござるよおおおお!!」

「また面倒事じゃん!!逃げるよ!!逃げるに決まってんじゃん!!」


「2人とも命が危ないのでござるよ!!」

それを聞いたカズヤは立ち止まった、そこへ

ガツッ!

「あだッ!急に立ち止まらないで欲しいでござる…」

止まり切れずカメレオンが突っ込んだ


「2人の命が危ないって、それってどういう…」




「実は…」


カメレオンから事情を聞いたカズヤは

「……分かった、なんとかしよう」

スマホを取り出した



その頃さばくちほーでは

「ツチノコは金に目が眩んで仲間割れしたとか言ってたがコイツらはガキにやられたとか言ってるが…分かんねえな」

トモカズとゼロが男達の取り調べをしていた

「仮に子供がやったとして一体誰が…まさかカズヤじゃねえよな、アイツらお前の顔見た時かなりビビッてたぞ」

「さあな、とりあえず一旦…ん?」

トモカズのスマホが鳴った

「カズヤか…どうした?あ?ああ、分かった」

「どうした」

「今すぐへいげんに行くぞ、ゼロ」

トモカズは歩き出した

「何しに行くんだよ」

ゼロが尋ねた


「作戦会議だ」

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