第14話 絶体絶命

「さあ、そいつをこっちに渡せ、そうすればお前だけは見逃してやる、元々お前に用はないからな」

男の1人が口を開いた


「本当に…本当に見逃してくれるの?」

カズヤが訊いた

「ああ、本当だ」


するとカズヤは

「ごめん、ツチノコ…」

ツチノコの首の後ろを叩いた

「おまッ…」

ドサ

「僕は狡い奴だよ…本当に」


男たちがカズヤに近づく

「ハハハハハ!!嘘だよ!!お前も口封じのためだ!一緒に来てもらうぜ」

「………」

カズヤは何も答えない

「なんだぁ?びびっちまったのか?」


カズヤは

「……ビビる?違うね」


「は?」


バゴッ!!

「がは…」

男の腹を殴った

ドサッ…


「ツチノコを気絶させたのはあんたらに渡すためじゃない、見せないためさ、俺があんたらをぶちのめすところを」

カズヤはニヤリと笑い

「へぇ、いいもん持ってんじゃん」

木刀を持った男に駆け寄り

ガシッ

「ちょっと借りるよ」

「なッ…」

腕を掴み

メキメキメキメキ

力を込めた

「うぐあああああああ!!」

カラン

男は木刀を落とした


「それじゃあ、始めようか」


ドガッ!バゴッ!

「うらあああああああああ!!」

カズヤは男たちをなぎ倒していく

「ここは迷路だけど通路は狭い、だから存分に暴れられる!!オマケに一方通行だ、囲まれる心配も無い!!」


その後も男たちを倒していき

「に、逃げろおおおお!!」

1人になった男が走り出したが

「逃すかってんだ!!」


カズヤは木刀を投げた

ボゴッ!!

「あが…」

ドサッ…

「ふぅ…疲れた」


カズヤが後ろを振り返ると


「ははは、俺の勝ちだな…」

最初に気絶させた男がツチノコを人質に取り銃を突きつけていた

「切り札は最後まで取っておくもんだな…さあ、そこを退け!!こいつを撃つぞ!!」

しかしカズヤは男に近づく

「な、なんだよ!撃つぞ!!」


「撃ってみなよ」

カズヤはポケットに手を入れ何かを取り出し

「撃てるもんなら撃ってみな」

地面に落とした

それをみた男は

「な、なんでお前が」

落としたのは銃弾だった

「最初に1発殴った時に、ね」


「出来るわけがねえ!!それに何も変わった所は無かった!!」

男が叫んだ

「なら見てみなよ、あんたが持ってるそいつを」

それを聞いた男は持っている銃を確認した

「な、なんだよ…ちゃんと入ってるじゃねえか…ッ!!」


「そうだよ、アレはハッタリだ」

カチッ

今度はカズヤが男に銃を向けた

「…ッ!な、なんでガキがそんなもん持ってんだよ!!」

「さあ?なんでだろうね」

男は持っていた銃を落としツチノコを離した

「い、命だけは…命だけは助けてくれ!!」


「はあ…そいつを握るって事は撃たれる覚悟があるって思ってたんだけどな…残念だよ」

カズヤは引き金を引いた


パァン!!


「は?」

銃口からは旗が出ていた

「残念、ドッキリアイテムでした、さて…俺からアンタに一言」


ドゴオッ!!

「撃たれる覚悟も無え奴が銃を握ってんじゃねえ!!」

男の左頬をカズヤの拳が、そして

「なんだ、起きてたんだ」

「煩くて寝れなかったんだよ、悪かったな」

右頰にツチノコの下駄が食い込んだ


「がッ…」

ドサッ





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