第11話 捜索
「失礼します」
ミライが部屋の中へ入った
「話とは一体なんでしょう、園長」
ミライが目の前の男に尋ねた
「実は、次の園長についでなのだが、私ももう若くは無い、だから次の園長を決めなくてはならない、そこで次の園長は君にやってもらいたいのだミライ君」
するとミライは
「しかし、それならトモカズ君の方が適任なのではないのでしょうか」
「確かに、彼はパークを復興まで導いた…素晴らしい功績だが、彼は園長の椅子に座りたいと思うのかね?おそらく自ら断るだろう」
「…分かりました、少しの間考えさせていただきます、それでは」
ミライは部屋を出て行った
コンコン
「入りたまえ」
今度は男が部屋に入って来た
「園長、PPPの件なのですが」
「ああ、既に聞いているよ、早く手を打たねばまた同じようなことが起こる…早く犯人を見つけねば…」
「やっとここから出られる」
カズヤは病室を出た、そこへ
「あら、意外に治りが早かったのね」
1人の女性がやって来た
「ミツバさん、どうしたんですか?」
「どうしたも何もあなたのお見舞いに来たんじゃないの」
「見舞いって、そんな大したことじゃ…」
「……フレンズを、いや、誰かを庇って自分が傷ついて…本当、アイツそっくりね」
ミツバが小声で言った
「アイツ?」
「そ、あなたの父親、トモカズよ…本当にアイツに似て…馬鹿なんだから…」
ミツバが悲しそうな声を出した
それを聞いたカズヤは
「あの、前から気になってたんですけど、父さんとはどういう関係で?その感じだとただの幼馴染とは思えないのですが」
「…あまり言いたくは無いんだけど…私はトモカズの元カノよ」
「え?元カノ?ミツバさんが?父さんの?」
「そ、とは言ってもトモカズの方は本気じゃなかったでしょうけどね」
「えっとつまり父さんは遊びだったと…」
(父さんめ…いつか母さんにバラしてやる…)
ミツバは
「違うわよ、ただ色々と事情があるから言わないけどね、しかし、アヤもやるわねぇ、あのトモカズと…」
「母さんも知ってるんですか?」
「もちろん知ってるわよ、アヤもパーク職員なんだから、前からトモカズの事が好きだったらしいのよ、だから私たちが別れた途端猛アタック…凄かったわよ本当に」
「は、はあ…」
(だめだ、だんだん分からなくなってきた…)
その頃
「そのルビヤメロォ!!変な誤解招くだろ!!」
トモカズが叫んだ
「んで何か手がかりは掴めたのか元カレさんよぉ」
ゼロが尋ねた
「お前もその呼び方ヤメロよ…まあとりあえず置いといて、少なくとも真犯人はパーク関係者で間違いねえ、コノハズクが文字を読めるのを知ってんのは関係者ぐらいだからな」
「客の誰かが知ってる、ってのは無いのか?」
「それは無えな…コノハズク達は開園時間中…」
******
『じゅるり…』
******
「客が持ってきた食いもん見てヨダレ垂らしてるだけだからな」
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