第9話 犯人

「………随分と手の込んだ仕掛けしておきながら…何故だ?」

トモカズは鉄骨に埋もれていた白い何かを見つめていた


「トモカズ、何か見つけたのか?」

「ああ、犯人の手がかりが早速見つかったよ…だが気になることがあってな」

「気になること?一体なんだ」

するとトモカズは鉄骨の一部を見ながら

「あれ見てみろ」

それを聞いたゼロはその場所を見た、そこにはヒビが入った鉄骨とテープのような物が

「コイツは…」

「ああ、亀裂が入ってる…いや、完全に切断されてやがる…そしてそのテープ…」

「あらかじめ鉄骨を切断…ある程度頑丈なテープを巻き付けてたってわけか…」

「ああ、下手に触らなければ崩れることはない…だからこそ、この仕掛けをしたんだ、スピーカーの音による振動、5人が踊った際に起こる僅かな振動…これが鉄骨にダメージを与え」

「最終的に崩れた訳か…だが、それなら鉄骨を切断した時点で崩れてるはずじゃねえのか?」

「それは全部を同時にやった場合の話だ、一本だけならそう簡単には崩れねえ、だから犯人は一本一本丁寧にこの仕掛けをしたんだ、ただしごく一部だけだかな」

「全部に仕掛ければ簡単に崩れるからか」

「ああ、おそらくな…ま、それは置いておくとして早く犯人のとこに行くぞ」

そう言いながらトモカズは白い何かを拾い上げ歩き出した



「…ここは…」

病室のベッドの上でカズヤが目を覚ました

「ああ、確かプリンセスを助けてそれで…そうだ!!プリンセスは!!」

カズヤはベッドから出ようとするが


「まあ待たれよ」

タダヒサがカズヤを止めた

「あなたは…」

「主が心配せずともあやつは無事よ、それより主自身の事を心配したらどうだ、まだ立つのも辛かろうヒヒヒ」


「……」

カズヤはタダヒサを無視して病室を出ようとするが

「確か主はある者を探しておるらしいな…ヒトのフレンズをな」

それを聞いたカズヤはタダヒサの方を振り返った

「…知っているんですか?」

「ヒヒヒ、勿論よ、主がこのままここに残るのならワシが知っている限りの事は話そう、ヒヒヒ」

「…本当ですか」

「ああ、本当よ」




トモカズとゼロはある場所に到着した

「…行くぞ、ゼロ」

「ああ、わかってる」

トモカズは図書館を見た

「色々訊かなきゃならねえからな…」

そして歩き出した


2人は図書館の中へ入って行った、そこには

「よお、やっぱり待ち伏せてやがったか」

バサバサ…


「コノハズクさんよぉ」

コノハズク、博士が2人の前に降り立った

「随分と早かったのですね、カズ」


「…芝居はよせよ、もうすぐ来ると思ってたんだろ?わざわざ証拠残してよぉ」

「一体なんでお前が…コノハズク…!!」

博士は静かに口を開いた

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