第8話 親子
ここはジャパリパークに存在する病院…その一室
「すまねえ…トモカズ、俺が付いていながら…カズヤを…」
ゼロがトモカズに向かって土下座をした
「…
トモカズは寝ているカズヤを見ながら言った
「トモカズ…」
ゼロが顔を上げた
「こいつが簡単にくたばる訳ねえだろ?何故なら…」
トモカズはゼロに振り返り
「こいつはこの小説の主人公だからな」
「は?」
「そもそも漫画だろうがアニメだろうが主人公は基本死なねえんだよ、ド●ゴンボールはド●ゴンボール使って生き返らせる事が出来るから死ぬし、仮に転生物だったら俺たちはこうして話してられねえ、主人公目線だからな、最近アニメ化した…ほら…スライムになるやつ、あれだって物語が始まってすぐ転生したろ?この小説もう8話目だから、もう転生するの遅すぎるから、だから死ぬことはありえ…」
ガシッ
突然ゼロがトモカズに掴みかかった
「てめえ!ふざけてんのか!!息子がこんな時によくそんな事を言えたな!!お前は…お前は
「父親だからだ…」
「ッ…!!」
「俺は信じてる、こいつは絶対死なねえ…だからこんな呑気な事が言えんのさ、父親が信じてやらねえと…本当にくたばっちまうからな」
ゼロはトモカズから手を離した
「すまねえ…つい…」
「気にすんな…もし俺がお前でもそうしたさ…だが今は信じてやる事しか出来ねえ…だからこそ早く犯人見つけて、目覚めた瞬間あいつにぶん殴ってもらうのさ」
トモカズは病室を出た
「あいつはお前みたいに野蛮じゃねえと思うが?」
ゼロがトモカズに続く
「全く馬鹿な小僧よなぁ、あんな獣見捨てれば良かったものを、ヒヒヒ」
病室を出ると1人の男が立っていた
男は2人に向かって
「あの小僧は無事か?ヒヒヒ」
2人は男を睨みつけた
「タダヒサ…てめえか?」
ゼロが訊いた
「はて?何のことだ?もし仮にワシだったとしても証拠がなければヌシらは何も出来んぞ」
そう言って男、タダヒサはカズヤが居る病室に入っていった
「何、心配しやるな、少し様子を見るだけよ、ヒヒヒ」
「行くぞ、みずべちほーに」
トモカズは再び歩き出した
「さて、ヌシにはもう少し生きてもらわねばならぬからな、ヒヒヒ」
そう言ってタダヒサは注射器を取り出し、カズヤに刺した
みずべちほー
「さて、まずは証拠でも探すか…って言っても有る訳ないだろうがな…」
トモカズは崩れた鉄骨を見ながら呟いた
「ま、探さねえよりはマシか」
その時プリンセスがトモカズに近づいて来た
「ね、ねえ…カズヤは?カズヤは大丈夫なの?」
「……さあな…だが少なくとも死んじゃいねえよ、だから心配すんな」
「そう…」
そう言い残しプリンセスは歩いて行った
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