第2話  恥じらい

仕方ないので、幸子の脱ぎ散らかした服(下着も)を、下の洗濯機のところまで持っていく。

「康徳くん、悪いわね」

外から帰ってきたおばさんに声を掛けられた。

「いつものことです」

「康徳くん、お昼どう?」

「あっ、でも幸子は?」

「いいの、いいの」

遠慮なく、頂くことにした。


おばさんは、料理が美味い。俺の母よりも美味い。

幸子には、その血は受け継がれなかったようだ・・・


「ごちそうさまでした」

「お粗末さまでした」

食べ終わった食器を、流しまで運ぼうとしたら、

「いいのよ。置いといて・・・」

「えっ、でも・・・」

「いつもやってるの?康徳くん」

「はい」

「えらいわね」

当たり前だと、思うのだが・・・


「ねえ、幸子を見てきてくれる?」

「わかりました」

おばさんに言われて、幸子の部屋に行く・・・


まだ寝ている・・・


心配しなくても、寝ぞうが悪いので、生きている・・・


叩いても、蹴っても起きないので、それはしない。

自然に目が覚めるのを待つ・・・


しばらくは、本だなから本を借りて読む。

幸子はかなりの読書家で、部屋意外にも、書庫を用意してもらっている。

2000冊はあるらしい・・・


ちなみに漫画や写真集などは、5%にも満たない・・

なので、国語の成績だけはいい・・・


午後2時を過ぎた頃、ようやく幸子が目を覚ました。

「あっ、やすくん来てたんだ。おはよう」

「もう、昼だよ。よくそんなに寝れるね」

「寝る子は育つって、言うじゃない」

「お胸は、成長していないようだけどね」

「そう?これでもBはあるんだよ」

俺は男、お前は女

少しは恥じらいもて・・・


「着替えるから、待っててね」

幸子にそう言われる。


隠せよ・・・ていうか、俺を追い出せよ・・・


こっちが照れくさいので、目をそらす・・・


「やすくん、おまたせ」

「はや」

幸子よ・・・贅沢は言わない・・・

俺を男としてみなくても、結構・・・


ただ・・・

もう少し、恥じらいを持ってくれ・・・

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