嵐が去った様に
文化祭2日目は京子と真野が顔を合わせる事が無かった。京子はクラスの出店に大忙しで真野は教師としての仕事が忙しかった。
後夜祭も何事もなく終わった。
それから引退した京子とマリ2人は美術室に行く事も無くなった。
受験に追われた京子は焦り出し、普段関わりのない真野とさらに疎遠になっていった。
それを察していた栞も真野の話題を出す事もなくなった。早見の方も真野に京子の話をしなかった。
卒業を間近に迎えた3年は自宅学習となりより学校へ行く機会は減った。
「もしもし、栞?どうしたの?」
家でゴロゴロしていた京子に栞から電話がかかって着た。
『何してた?』
「ゴロゴロしてたよ。」
『暇なら学校行かない?』
栞の誘いを少し考えたが真野に会うのが気まずくなり京子は断った。
「ごめん、学校は行かない。」
『そっか。』
電話を切った京子は布団に寝転がった。
「振られた訳でも無いのにこの虚しさ…。はあ。
どうしよう。」
同じことを毎日考えて考えて、いつしか季節は春を目前にしていた。
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