全年齢対応のエロって成立するのか?
「お風呂借りるわ。シャワー浴びたいの」
相変わらずサバサバした感じのみう。
「シャワーくらいならまぁ。てかなんで急にシャワー?」
「セクハラになるからやめなさい」
まったくもってなにがセクハラなのかわからないが、女の子にはいろいろを不思議があるのでその類いだと思ってスルーした。
ガチャリと玄関ドアの鍵が開く音がした。最近我が家も若者のたまり場と化しているので、まゆが来ようが美姫が来ようがさほど気にすることじゃない。しかし悪戯が好きな『みう』がシャワーを浴びているという事実をもっと考慮すべきだったと、後の祭りで後悔した。
バタンとドアの閉じる音がして、現れたのは美姫だった。両手には野菜やら果物やらと主婦感あふれる登場。手伝いのために袋を手渡されると結構な重み。こりゃ買い物は毎回ついていってあげた方がよさそうだなぁなんて頭の片隅で考えていると
「だれがシャワー浴びてるの?」
と美姫が尋ねてきた。
「みう。理由聞いたらセクハラって言われた」
「それはセクハラだね」
世の中おかしいよ……。中間管理職のおっさんが肩を叩いたらセクハラ。若手のイケメンが肩をもんであげるのは優しさ。おかしい……。
「バカなこと考えてないで、手伝って」
このあとの出来事を俺は一生忘れないだろう。
パタパタとスリッパの足音。みうがシャワー浴び終わったんかね、と思いながら子猫とじゃれていたら、ぎしっと軋む音。隣に座ってきたのはみうだった。
オッケー。話をまとめよう。シャワーを浴びに行ったのはみう。美姫が買い物持って家まで来てくれた。つまり美姫はキッチンにいる。そしてみうはバルタオル1枚だった。冷静に。見間違いじゃないかしっかり確認。強調された胸の深い谷間。頭がクラクラしてするほどの甘い香り。間違いなくバスタオル1枚だった。やばい……。理性が負ける寸前だ。負けたら、
みうのバスタオル、引っ剥がしてあれやこれや――(自主規制)して楽しんできっと妊娠させちゃう。いや、最後のは笑えないけどな。
「声出したら神楽坂さんに気が付かれちゃうわよ?」
実に楽しそうな顔で、やばいどんどん近づいてくる。逃げる? 無理だ。そのあとみうが出てきたら言い訳のしようがない。
今の俺達の身体の向きは、俺がみうに押し倒されている感じだ。さして大きいソファーなんで、もうかなり高い密着率。髪の毛サラサラ。甘い香りに頭がしびれて考え事なんてできない。
いきなり、足にみうの軽い体重がかかる。そのまま勢いつけて俺を思いっきり抱きしめてきた。胸があたって、脳内ピンク色。このまま勢いで最後までいきたいなーなんて呑気に考えてたら、
「ふうぅ。」
キッチンには美姫がいることを忘れていた。すばやく土下座。言い訳より先に謝るのだ。あれ? 俺、悪くないんじゃね? なんてことはあとで友達と愚痴混じり話せばいい内容なのだ。
「っこ、これはね。ちょっとした悪ふざけで」
おいおい。そんな格好で急に立ち上がると……、、、
バサッと裸なみうを見てしまった。
なんで俺だけ正座で1時間お説教なんだ……。
ちなみにみうは俺の部屋で心を落ち着けているらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます