ネコ系女子とホットミルク

1月1日――深夜――


 寝ることもできなくて深夜のキッチンで1人物思いに耽っている。

 生産的な活動ではないのはわかってるよ。それでも軟弱な俺には考えることしかできないから。


 足音は聞こえなかったがリビングのドアが開く音がした。どんどん猫みたいになっていく彼女に、自然と笑みが浮かんだ。

 すぐにここまで来るだろう。冷蔵庫から牛乳を取り出して電子レンジに入れた。


「おはよう」

 まだ眠そうに目をこすっている。

「おう。まだ朝じゃねーけどな」

 時間は4時くらいだろうか。朝日はまだ差してはいない。

 電子レンジからホットミルクを出して渡すと

「お砂糖……」

「ほいよ」

 一口。満足したのか微かに笑顔が見られた。ほんとにかわいいなぁ。妹みたいな飼い猫みたいな感覚だ。


「私、いつも間に寝ちゃってた?」

「わかんないな。気がついたら寝てたから」

「もったいないことしちゃった……」

 俺としてはあの状況で寝ることができることにびっくりしてたが……。


「なんで私なの?」

「なにが?」

 わかっているけど知らないふりが正解だと思う。

「あの日からずっとおかしいの。

好きなのか? 怖くてすがりついてるだけなのか」

「……」

 俺には返す言葉がない。


 ホットミルクって人を安心させる効果があると聞いたことがある。まゆもソファーでまた眠り始めた。

 その無防備な寝顔に心が柔らかくなった。

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