短すぎだろ……

年末も年末。12月31日――深夜――


 happy new year  を迎えるまで数時間。多くの人が浮かれ気分の温かい冬。

 我が家は極寒の修羅場を迎えていた。

 俺はもう諦めて、某笑ってはいけないをまったく笑えない気持ちで眺めていた。


 なぜこんな状態になってしまったのか。


 回想


12月31日――昼――


 美姫もまゆがしばし我が家に身を寄り添うことには、何かしらの決断を下したようだ。仮初の同棲生活に突っ込まないで、今までと同じように家事をしてくれている。

 美姫が来なかったときに、まゆが料理をしようとして。包丁を握った瞬間に過呼吸を起こしてしまった。それ以来、まゆが料理をすることを俺は認めないし、まゆも諦めたらしい。


 そんな昼下がりの13時。美姫が昼ごはんを作りに来てくれ、3人で温かいうどんを食べ、美姫は片付けにまゆは冬休みの宿題をおれはテレビをぼんやりとテレビを。平和な時間を過ごしていた。


結論から言えば、そんな平和も長くは続かなかった。


 インターホンが来客を告げた。誰よりも早く美姫が迎えに出る。すげえ嫌な予感……。

 戻ってくるのは2人の足音。ごまかす必要はなかった。

 長谷川みうだ。


 3人揃ってしまった……。今まで頑張ってきたのに……。


「あら貴方。神楽坂さんがいることは予想していたけど。なんで三原さんが?」

 みうの凍てつく波動。心臓が握られているようだ。

「私としてなんで長谷川さんが来るの? って感じだけど」

 もう敵意しかない美姫の凍てつく波動。

 なにも言わないで俺の部屋着を握っているまゆ。

 まゆがヤンデレっってキャラ設定がどこかへ行ってしまった。


 回想終了

 

 回想終わるの早くへ? と思っているだろうけど、そのあと誰も話さないで過ごしたんだよ……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る