ツンデレが人気なのって今じゃない?

ラブコメ……したかった……。 

 

 そんなことを思う産まれて17回目のクリスマスだ。



「幼馴染が神楽坂さんでしょでしょ? そりゃ面食いにもなるな」

「面食いじゃない! 俺が好きになった女の子の顔がたまたまいいだけだ」

「てか!お前!ほんとに女の子好きなの?」

「失礼な! 今はいない。てか今までもないけど」

 ここらへんで解説すると友達のA君だ。名前覚えるの苦手なんだよ……。


 珍しく真面目に授業を受けて板書された数式をノートにそのまま書写しているとポケットの中のスマートフォンがブルッと着信を告げた。


『今日、授業が終わったら私を迎えに来なさい』

 なんで、いつも長谷川からのLINEは命令形なんだ。いつも暇つぶしに顔を出しているからなのか。

 でふたりきりのときの長谷川めっちゃかわいんだよ……。

 いつも無愛想にツンツンしてるのに、ふたりっきりになったとたん、いきなり抱きしめてきて、うるうるした上目遣いで、俺に頭を撫でてほしいと全力でアピールしてしてきてな。

 ほらめっちゃかわいいだろ?



 そして放課後。

 掃除当番も終わり指定された(というか毎回ここ)誰もいない空き教室に、すっとはいると長谷川の姿があった。俺が来たことに気が付かず、一生懸命に深呼吸を繰り返してる。

「どうしたー?」

 声をかけながら長谷川の方まで歩いていくと、

振り向き様に柔らかい感触で唇を重ねられた。

 柔らかくて暖かくて何より気持ちを直に伝えられた。

『私は貴方が好きです』

 ついでに舌まで入れてきやがった。さすがにそれにはついていけなっくて(度胸が) なくてぱっと身体を離した。

 

 そのときの長谷川の笑顔で、これ以上ないってくらい幸せそうだったので満足なり。

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