第38話 これからのクイズ

混沌となる生徒室は極めていた。

生徒会長は、まさしく青天の霹靂であった。


「ハァ・・・ハァ・・・・・

み、みなさんご機嫌うるわしゅ」

「「「「・・・・・・」」」」

「ギャハハハハ!生徒会長の気品が

なけなしに困惑する一年生さん」

「・・・あぁー!もうやってやれるか!?」


やけくそになった生徒会長は、結んでいた

髪留めを外しメガミを投げて・・・

パリンと割れる・・・なんだか

男らしい先輩の女性だな。

・・・・・んっ?よく見れば久坂が拾った

写真に酷似した人がいたのだ。

な、何て言えばいいのか残念で

怠惰なイメージが強い。

本当に生真面目な生徒会長にうって変わり

雰囲気が一変・・・もはや対極的な

雰囲気があった。


「・・・み、皆さんその・・・

わたしが生徒会長の

峰島喜代みねしまきよです。

ウッ、うわあぁおおお!?」


(な、泣き出した!?)


もはや生徒会長の威厳など失った。

いいところがあるとしたら

美少女と呼べる容姿になったぐらいだろうか

・・・三条は嬉々として話を進める。


「狂人よ、こいつがお前に興味を

お持ちで俺が馳せ参じたわけなんだが

次はこの生徒会長とクイズでバトル

してもらう」

「は、はぁー・・・」


なんだろうこのカオスは?もうここに消えたい気持ちである。生徒会長は、泣き止むと

隣に説明を始めた三条にキッと睨む。


「・・・書類を増やすから楽しみに

しなさいよ三条!!」

「・・・・・さ、さぁ、狂人よ。

生徒会長を満足する戦いをしてもらおう」


あっ、この人、すごい汗が出ている。

なんだか因果応報すぎて同情にも

まったくならないなぁ。


「えーと、あの人とクイズバトル

するのですか?」

「ええそうよ。あなたの実力は間者の

三条の情報で気になっていたからねぇ。

それと、貴方はこう言えばやりきる

なるかしら・・・

わたしはこの学校では一番の実力だと

自負しているわ!」

「っー!?・・・・・くくっ、くくっははははははは!!いいだろう

魂を揺さぶる戦いをしようぜ!

生徒会長さんよ」


生徒会長は豪華な机から支給されている

タブレットを取りだし

俺は片手にずっと持っていたタブレットで

掲げる。

そして有名なクイズアプリの対戦と

押してジャンルはランダムと難易度は

Maxにして戦いを始める。

生徒会長を距離をおき壁にもたれ見守る

三条。俺の回りに集まる三人。

お前らも三条のように離れてくれないかなと

思ったが諦めため息を零す。

さて、実力を見ようか。


第一問。野球の巨人。結成したのは

来日したドリームチームの

ピンポーンと説明の中で押したのは

生徒会長の峰島生徒会長。


「答えはベーブ・ルースよ!」


正解と表示と爽やかな音が鳴る。


「あー、スポーツは由利くん弱いからねぇ」

「久坂の言葉に否定したいが

できねぇー」


第二問。この漢字は?【海盤車】

ピンポーン早いのは俺だ!

答えは・・・ヒトデ

音が鳴るのは正解。

もちろん海のヒトデ。普通に使う漢字は

海里だ。


「・・・やはり漢字は強い!」

「過分な賛辞な気がするなぁ・・・」

エリーゼの呟きに正直にそう思う。


第三問。学生と生徒の意味を答えよ。

一般的に使う意味ではなく


答えを入力に動くが早いのは

相手の方だった。

答えは・・・

学生――大学に在籍している

生徒―中高生に在籍

正解と鳴り響く。

くっ!知っていたが速い!


「これは、スピード勝負になると

五分五分かもしれないなぁ」

「それでも・・・勝ってみせるだせだ」


安藤の言葉にそう強く決意する。


第四問。301年に中金堂を再建した

興福寺。それは何年?

ピンポーンと押し速かったのは俺。

正解と思うのは・・・2018年

これは、正解だったようだ。


「・・・久方ぶりに楽しそうな顔を

しているなぁ生徒会長」

「はは、たしかに今はたのしい!」


生徒会長と三条のやりとりに長年の築いた

絆を窺える会話。


第五問。この漢字は?【鬼頭魚】

迅速に先に答える俺は自信があった。

しいら。正解と音を響かせた。

もちろん魚のあの、しいら。


「へっ、そこそのやるな生徒会長さんよ!」

「一年のくせに生意気だね。

まぁ、嫌いじゃないけど」


不適に笑う俺に相手も熱い表情で返す。

それから熱い戦いは続け気づけば最後の

出題となる。


第二十問。この漢字はなに?【稚海藻】

この最後に答えたのは俺が速かった。

ワカメ・・・・・正解と最後に鳴り響く。

そして、勝利となったのは俺。

正解数は20中13問。


「・・・全力の由利くんに7問も

取れるなんて生徒会長は強い!」

「うん・・・ここまで行けるか」

「そうだな。それでも俺は絶対に

越えてみせるって決めているけどな!」


三者三様の言葉に俺は辟易してきた。


「いや・・・俺が強いとかおののくとか

じゃなく比較しての生徒会長の

賛辞なの!?」


なんか納得できずそうツッコム。

生徒会長の峰島喜代は、爽やかに

俺に手を伸ばす。


「悔しかったけど楽しかったわ。

また、やろうねぇ!」

「へっ、そうだなお前とはいい勝負が

できそうだ!」


拍手してそれから、部室に戻り

三人はクイズでバトルが始まる。

そして、次の日の部室でとんでもない

ことをしる。


「ゆ、由利くんがあのひとだったの!?」

「まさか、お前が・・・」


たまたまクイズアプリで長年のフレンドと

なっている相手を対戦しようと部室で

やろうとしたら、対戦の申し込みに

久坂のタブレットが鳴ったので

訊いてみたらなんと、中学の頃に

オンライン対戦の唯一のフレンドで

いつも挑んできたのか、久坂だったのだ。


「くくっ、、まさかいつも相手になって

いたのがお前だったとはなぁ!」

「そうだよね!わたしが落ちこんでいた

頃にこの容赦ないなぁとか

最初だったけどいつも間にか尊敬して

熱い人だなと思ってねぇ。

対戦しているうちにクイズが強くなって

楽しくって熱くなって・・・

元気になれたきっかけなんだよ」

「そ、そうか。そう正面で熱烈に

言われると戸惑うが熱くなれたら

それはよかったと思うぜ」


お互いの正体が分かってから

饒舌になって喋ると金髪碧眼の半眼になる

人が視界に入った・・・・・


「・・・楽しそうだね二人とも」

「なっ!?エリーゼなぜそんな

敵愾心を剥き出しなんだよ!!」

「エ、エリー!?こ、これは違うの!?」


頬を赤らめしどろもどろになる

この部室のトップさん久坂。

エリーゼさらに不機嫌になっていく。

なにゆえこうなったのでしょうか?


「はは、相変わらずの状況だな」

「・・・安藤そこで見ていないで

助けってくれエリーゼが

睨んでくるんだよ!」


今日もこのクイズ部は平和だった。

そして、由利は新たな強敵や仲間に

成長と変化を齎すであろう。

由利のクイズは永遠に暑く燃えている。


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クイズで無双すると集まりぼっちになれない 立花戦 @fadpgf33gaa5d5d

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