第33話 勝利を余韻をシラナイ狂人者

見事、久坂が勝利したことにより

俺達のチームが国内クイズセンター試験で

高校一年のクイズ代表チームの優勝となった

わけだが、トロフィーや

取締役など祝いの言葉など余計で

望んでいない行事を欠伸あくび

噛み殺しながら聞いていた。

やっと、行事が終わりクイズセンターから

入り口に出ると、わあ!応援に来て

下さった皆さんが待っていた。

「・・・一難去ってまた一難・・・

熱いクイズを来ただけなのにおかしく

ないかこれ?」

「あ、あはは。思いきって無視して

逃げる?ううん。由利くんがそれで

いいなら、部長命令で逃げるけど」

珍しく功労者の久坂が無計画そうな案を

言い出した。

「・・・いや、適当にあしらって

行けばいいじゃないかそれぐらい」

俺だけだったら、なんの迷わず実行して

いたが久坂とその愉快な二人様が

悪い噂は心が痛いしな。

ただ、それだけだって言うのに久坂が

どうしたら、そんな俺の言葉に笑顔になっているのか、理解できない。

・・・ハァー、どんな解釈したんだ一体。

「久坂さん凄かったですよ」

ファンらしき同級生と思われるそこそこの

リア充型の男の一人が言うと後ろに続く

者や次々と似たような言葉で絶賛の嵐。

「素敵でした久坂さん」

「ヤバイ、ヤバかったですよ」

「ヤバミ!」

・・・なんだか、頭の痛くなるような言葉に

失笑してしまうになるが、なんとか

信頼している久坂の名誉のため堪える。

「エリーゼ様も素敵でした!」

「スゴかったよエリーゼさん。よろ

しければ僕と付き合うのは・・・」

などエリーゼ特に男性ファン層が多い。

「ありがとう。あと、付き合えない」

エリーゼも大変だな。

「キャーーー安藤様よ」

「サインをください!!」

「つ、付き合ってくだひゃい!!」

イケメンの安藤も似たような状況だった。

女性ファンに告白や拍手など求められ

やんわり断って対応していた。

あっ、これマネージャーがいないと

収拾ができないやつだ。

さて、どうするか・・・・・。

「ゆ、由利さん・・・

優勝おめでどうございます」

前の少し視線を下げると黄昏に染まる景色に

儚さが余計に増す轟花菜とどろきかな

は頬を赤くなり嬉しそうに祝ってくれた。

「ああ、ありがとう。こちらこそお礼する」

「お、お礼ですか?」

「俺のときだけは高い声で声援していたこと

それにこの御守り」

懐の内ポケットから御守りを出すと

轟は、あっ!と意外そうに驚いていた。

「ここまで、応援されると嬉しくない

わけがないだろ」

「え、えーと・・・はい・・・・・」

俺なりに感謝をしたつもりだったが

うつむくと、轟は身を縮めていた。

も、もしかして怒っていると思われたのか。

・・・お礼のつもりだったけど

怒っている言葉にしか聞こえないなぁ。

俺、お礼するのこんなに苦手だったのか!?

「ち、違うぞ。轟の応援が嬉しかったって

言う意味であって、だから

わざわざ俺なんかのために応援してくれて」

「い、いえ?・・・あっ!

最初からお礼だって分かっていましたよ。

少し・・・わかりにくかったですけど」

あれ、お礼だとなんとなく伝わって

いたのか。

なら、どうしてうつむくのか

まだ分からずじまいなんだが。

「鈍感レベル現在進行中か!」

この高飛車な声音は・・・・・

「本田か。お前も応援してくれていたなぁ

お礼を申す」

本田牡丹は嘆息して轟の隣に立つと俺に

指を向け言葉を言うのはなんなのか。

「なによ!この扱いは。わたしにも

しっかりしたお礼をしなさいよ」

まさか、そこで怒られるとはおもわず

その勢いに退いてしまいそうになる。

「わ、わかった。高い声で・・・

少し驚いたけど見事な高さだった。

俺も見習いたいと思う」

「はぁ!?なによそれ。たとえば頭を

ナデナデとかハイタッチとかをねぇ」

要求されなんでそれなのかいまいち理解

出来ないが応えなければまた

騒がられそうなので応えるしかない。

「なでなで、いいんだな」

「そうよ。それぐらいやってくれないと

嬉しく・・・・・・へっ!?」

仕方なく頭をなでる。

佐々木さんぐらいしかやっていないから

うまく出来るか自信がないけど

怒らないか戦々恐々となって

優しくゆっくりと頭の上を左右に動かす。

「・・・・・・・・・」

口をパクパクと動かし瞠目どうもく

つまり驚き目を大きく開いていた。

「ど、どうしたんだ?

顔が突然、赤いけど風かなにかか?」

その反応だとまるで好意を抱いている人に

向けられるようなものなんだが・・・・・

さすがに俺なんか好きになるようこと

していないしなぁ。

「ち、、ちがうわよ。・・・その

驚いていたから・・・や、やっぱり

風かなわたし」

「そ、そうか。苦しかったら家まで

送るがどうする?」

「えっ!?ぜ、ぜひお願いするわ、

お願いお願いお願い!!」

言葉がどんどんおかしくなって

きている・・・病院に連れていった方が

いいだろうか?

「わかった。帰りはほとんど

一緒だしなぁ。久坂らに報告して

早く送ってやるよ」

「はい!・・・フフ、やった」

最後の小声に俺の中で疑問が浮かぶが

訊ねるのはやめるとしよう。

今まで見守っていた轟に視線を戻すと

放心していた?

「・・・・・」

「と、とどろき大丈夫か?」

「・・・あっ、はい。大丈夫です・・・

わたしも家まで送ってくれませんか!?」

高い声で叫びの音量でお願いをされる。

叫ぶほどの声だったので周りも聞こえられ

黄色い声が聞こえてくる。

どうして、周りはキャー、キャーなんて

楽しそうにしていんだ?

「わるいけど、断らせてもらう。

体調がわるくないのに送る理由がないから」

「そ、そうですね・・・・・・・・・・」

轟は、落ち込み始めた・・・??

「は、ははスゴイねぇ由利くん」

そしてランクSイケメンの氏家が

引き気味な顔をしていた。

「たしかによく分からない要求されて

少し困惑している」

「・・・そうじゃないけど、

いいか別に」

何故か苦笑して解釈を間違えたことを

訂正しない氏家。

そっちの方が今は助かる。

速く会話を終了して帰りたしいなぁ 。

もちろんその願いなど露知らずの

三人に質問や歓迎ムードに辟易しながらも

応えていく。

「少しいいかしら?」

ランクS三人に囲まれていると

俺に強い視線と声をまっすぐ向けられ

その人物は決勝で俺と戦った

そして、最後の延長戦で久坂に敗北に

喫した十条凜千だった。

轟は、俺の前に向けていた視覚を背後に

見ると、後ろ姿でも驚いているのが

伝わる・・・俺ってそんなに轟と付き合い

長かっただろうか?

それは、一旦いったん置いとくとして

どんな理由だろうか。

「ああ、いいぜ。先のリベンジなら

受けたっても」

敵愾心を剥き出しなのでそう思って発言

したが、十条の反応は首を傾げた。

俺も首を傾げる羽目になった。

「なんだか思ったより変わっている人ねぇ。

あっ、ごめんなさい。とうとつに失礼な

事を言って」

「平気だ。四六時中に言われている

単語だからなぁ」

「そ、そう。ならよかったわ・・・えーと

少しゆるい空気になったけど

次は負けないから!今わたしが戦っても

絶対に負ける・・・強く刻まれてしまうほどに・・・・・だから勝つ。」

強い視線を宿った理由は好敵手の意味だった

のか。奴は強い前よりも強くなって

激戦を楽しめるかもしれない相手。

「いいぜ、その闘志を魂さえも燃やした

力を磨くのを楽しみにしているぜぇ」

「えっ、あ、うん」

俺の返事に戸惑い頷く十条さん。

熱意に影響された俺は高まり熱くなった

心を狂った言葉を言ってしまったと

後悔するのはあとから。

戸惑い状態を回復した十条は

不適に笑う。

「それじゃあ、改めて名乗らせて

もらうわ。わたしの名前は

十条凜千じゅうじょうりんせんよ。

貴方のお名前は?」

少し独特な自己紹介。しかし俺好みの

好戦的で認められたのか

名前を言うのだった。

「俺は由利騎魅正ゆりきみまさだ。

最強の相手を熱い戦いを求めている。

その名前を刻むといいだろう」

熱くなった結果またも勢いで

初対面の人に引かれること間違いない

名乗ってしまう。

「か、カッコいい・・・・・」

「「「えっ!?」」」

対戦相手だった十条がそう感想を漏らした。

その言葉を聞いた応援に来てくれた三人は

驚きの声、俺も声にはしていないが

ビックリしている。

「はっ!?そ、そういうわけだから

バケモノそれまでは負けないことね」

漏らした言葉が羞恥に悶えそうになるような

表情ですぐさま去っていた。

それと、俺の事をバケモノってなんなのか

問い質したいが、まぁいいか。

いずれ戦いを交えるときがあるだろうし。

「わたしに手強いライバルが・・・」

轟は十条の言動に危機感を感じていた

ような言葉を発する。

どうやらクイズとして闘争心を燃やして

いるようだ。

「・・・・・安心はできないわね。

今の現状じゃ・・・」

同じく危機感を覚えているのは轟だけ

ではなかった。本田牡丹もそうであった。

「フッ、その熱い想いがあれば

お前たちも前に進めるはずだ。

練習相手ならいつでもとは言わないが

時間があれば付き合うぜ!」

佐々木さんや部にも行かないといけない

身だが極力協力はしたいと思っている。

「う、うん」

「そうね。・・・・・・

本当に鈍いんだから」

芳しくない返事だった。

複雑そうに二人は赤面していた。

「・・・・・鋭いけどある一点を除けば

由利くんはとんでもなく

鈍いのであった」

「いや、氏家いったい誰に言って

いるんだよ!」

「ただのひとりごとだよ」

よく分からないが、まぁ訊くほどでも

興味があるわけではないし。

そろそろ久坂ところに戻ろうと

踵を返し歩いていくのだった。

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