第32話 久坂の選択の由利の選択
『それでは、お二人の勇姿に心を打たれ
だと、思います。
二勝二敗となってしまい
もう一試合を行いたいと思います!』
司会者が同点だった場合の解説をする。
俺と対戦相手の十条は
チーム席に戻っていく。
久坂らの表情には
晴れていた。
「やっぱり、強かったよ由利くん。
久坂が唯我独尊と評しているがそれ
誉め言葉じゃないぞ。
「さすが・・・だった。頭のおかしい
狂った人だけど爽やかで熱さを感じた」
めずらしく
一緒に素直な言葉を漏らす。
貶して褒めるのはエリーゼの
「期待通りだったよ由利」
「安藤・・・・・・
なんかそう信頼されるほど俺達なにか
あったのか?」
「そんなこと、あるわけないだろ。
なに言っているんだよ」
肩をすくめる安藤。
「いや、それ言われるとなんかイラッと
するから後でクイズしようぜ。
俺はもっと戦いたいからなぁ!」
「構わないけど、そのときのジャンルは
スポーツや芸能だけど」
「ぐっ・・・苦手のジャンルを!?」
俺が興味もなく時間を別に使っていたため
どうしてもこの二つが苦手なのだ。
理由は前に言ったが興味がないからで
それが灯さなければなんとも。
「ハァー、イチャつくのはこれぐらいに
して五回戦もあるけど、どうする?」
「エリーゼよ。どこがイチャついて見えるのか尋ねないが、五回戦があるような
司会者も言ってたけどなんだそれは?」
3人は分かっている様子だったので
エリーゼと安藤、久坂の順を見て訊くと、
エリーゼが一度、ため息と淡々とした
態度で俺に説明をする。
「貴方は知らないようだけど、
決着つかなかった場合、もう一勝負で
決着つけること。
その五人目は4戦したわたしたちの
内の誰かが、わたしたちで決めることよ」
そうか、なら俺も選ばれることもある。
座っている三人は、視線を一度だけ
空いているイスを向ける。
三人はいつまで目の前で立ったままなのか
疑問だったのだろうと俺は考えていたが――
「由利くん任せたよ!」
久坂が呑気に呆気なく決めたのだ。
「・・・はぁ!」
「由利がまだ獲物が足りないって
眼差しを隠さずにいるぜ!」
安藤が自信満々なそんなバカなことを言う。
そんな奴がいるかよ。
「・・・まって。なら説明を求めたりは
しない。・・・・・つまり
意味もなく立っていることじゃないかな?」
エリーゼが手をあごに触れ
少ない・・・いや、ほぼない発言と行動だけで推理したのか。
「エリーゼこの中では常々、鋭い観察眼
だって思うぜ」
「・・・あれ、立っている理由は無いの」
久坂がそう呟きつまらなそうにする。
「・・・ハァー、3人とも話を戻す。
誰が最期の戦いに出撃するのを」
エリーゼが
この三人の視線は俺に向けていて
確実に勝ち一番の強者を選ぶなら
俺だろうなぁ。自分を過度な自信があって
ではなくリアリストな判断して。
「それなんだが・・・どうしても
この最後を飾るのを相応しい奴がいる」
「・・・貴方がそこまで言うなんて
もしかして自分だって痛いことを?」
リーダー風のエリーゼがジョークと
真相を尋ねる。
「俺は悪魔で熱くなるクイズがしたい。
途中から冷めてしまった俺よりも
久坂・・・久坂がいいと思っている」
「えっ!?わ、わたし・・・・・」
まさか自分のことだと思わず自分の顔を
指を差し戸惑う久坂。
「ああ、今なら
鎖はないだろ。俺達じゃなく
自分に思い込みに付けてしまった
鎖を外せたって見えるぜ。」
感情の僅かな揺れ動き。久坂の縛っていた
考えを今は言動を見て気づいた。
どうやら、俺の唯我独尊なクイズの答え方に
悩みを吹っ切れたなら、久坂の
実力を今度こそ
発揮できるだろう。
「由利くん・・・うん、ありがとう。
わたしの為に伝えようとしていたんだね。」
「チッ、そんなわけが・・・あるわけが
ねぇだろそんなの」
頭を掻きながら視線を逸らす。
的確な言葉で途中から熱くなって
ただ、いつものように誰の応援だろうが
期待など完全にない字面通りの俺のため
戦いをしていたので、それを教えようとした
だから、感謝されるとむず痒い。
「貴方の場合は、感謝をされるような
努力したいうより、ただ暴れていつもの
事をしていたら自然と示唆のようなことが
発生しただけどね」
目をつむり知っていると言わんばかりに
ため息をすると、ツッコむのだった。
「ぐっ、まぁそういうわけだから
久坂。エリーゼにそう言われると癪だが
俺の何物の捕らわれない自由すぎる戦いを」
それにしても、どうしてわざわざ
必死になるような説明をしているんだ俺。
もしかして激励とか奔走したと
思われてしまった久坂に素直な感謝されて
罪悪感になるなんて。
「うん、分かっていたよ。
ついで感覚で立ち直れなかったらとか
そこまで考えずにいたって
なんとなく分かっていたよ」
それだと、普段の俺は無鉄砲だと
聞こえるのが。満面な笑顔を久坂は
エリーゼと安藤の順に見る。
「二人ともいいかな。
わたしが最後の戦いに立っても」
エリーゼは、俺に決して向けない
笑顔で答える。
「うん。あっちゃんはあっちゃんのために
楽しんで」
「エリー・・・・・」
お互いの両手を組んでみつめる。
わあぁ!?百合百合しい場面を見れるとは
ここに来て本当によかったと思うぜ!
「あ、あれ?この流れだと俺の応援とか
励ましとかないのかな?」
安藤は、百合な展開を始めた二人に
頬を歪めた苦笑する。
「あきらめろ安藤。お前のポジションは
こんな扱いだろ」
安藤の肩をポンと置き真実を伝える。
「なに、そのポジション!?
訊いていいかなそのポジションの俺!」
安藤の嘆きの叫びに美しい百合を
終わったのか二人はその絶叫に笑う。
「あれ?由利くんが爽やかに笑っている!」
「あぁ、久坂どうしてそこ驚くんだよ」
「貴方、あっちゃんを明るくした
ことを考慮して見逃す。
もし次に汚い言葉を言ったときには・・・」
「な、なぜこれだけで・・・いつもの
ことじゃないのか」
「それは、由利が前よりも暴言の
レベルアップしていたからじゃないかな?」
俺達のいつもの独特すぎる会話を
無駄に続いたのが原因だろう。
『永平寺正解高校の皆さんそろそろ
お願いします』
司会者に催促されるほど、長く話を
していた。
『延長戦!これが本当の最後の戦い。
泣いても笑ってもこれでどちらかが
勝利するぞぉぉ!!』
司会者の高い声で響く渡るマイクで言う。
「「わあぁぁぁぁぁ!!」」
観客の声援は今までで最高の高さで
熱狂な言葉が起きていた。
久坂は中学の頃に幾度も戦っていた
ライバルの十条凜千に闘志は昂る一方。
ゲーセンにある巨大なゲーム機、一般的には
筐体と呼ぶこのゲーム機のイスに座る。
二つの画面があって、わたしの前には
30インチのテレビよりもありそうな画面。
その下にクイズの回答のために設置している
前よりも小さい画面がある。
端には、ペンが入れるための
小さなトンネルのような穴がある。
それは半円形のペンが落ちないように
ペンの身体を通す小さな形の
よくありそうなものがあった。
(よし、勝つことよりもクイズを
楽しもう。それが由利くんを見て
一瞬だけ忘れていた純粋で・・・
言語化できない熱くなるドキドキを)
ペンを抜き戦闘体勢に入る久坂。
そこには期待と勝利を背負う表情ではなく
ただクイズをするのが楽しみで
仕方ない純粋に楽しむ表情をしていた。
『それでは、お二方が準備を出来ましたので、クイズを始めます。
第一問。
しんちょうこ――の説明文をする司会者の
言葉に先に動くのは、長く艶やかな黒髪の
十条であった。
『おおーと、さすが神速の矢。
速かったのは十条凜千!
せいかい!彼は信長の名言の
是非もないなど記された貴重な資料を最初は
日記を書いていた』
由利は、意図も簡単に倒した相手は
本来は正確的で素早い答えをする
超人的なスキルを持っている。
今後、次の回答に自信と獲得点など得る者と
無い者の
なるであろう一問に久坂は緊張はあれど
好きなクイズを楽しませる要素に過ぎず
相手の方が先に答えても・・・
(わあぁー、相変わらず速いなぁ
十条さん。でも、燃えてくる楽しい)
落ち込みモチベーションを崩される
ようなことは一切なかった。
逆に集中力や思考が高まるのを久坂は
感じていた。そして自信よりも
自分がどこまで速く答えれるか
予想もできないクイズに流れるか
久坂は、クイズにトキメいていた。
『第二問。画面に表示される数を計算
してください』
司会者が説明を終えると画面に現れるのは
2547+3256+42+8+2452―6542=
とどちらが速く答えれるかはや押し。
『先に答えたのはまたも十条さん!
答えはせいかい!』
強い、十条は前よりも強くなっていた。
久坂は自分より強い相手に燃える女の子。
闘志はまたまだ、燃え続ける。
一方、十条凜千は久坂と勝ち負けを繰り返していていつの間にか十条は久坂をライバル
そして、好きになっていた。
この長い髪型も久坂と同じにした。
本人はストーカーみたいかななど自分に
そう考えていたが好きになった相手に
それを気づいてほしいのと
同じなのがその理性よりも上回っていた。
好きの定義は恋をした相手に抱く切なく
幸せな気分になる感情だと十条は
いつだったかなっていた。
でも、友達ではなくライバルで
どう話せばいいか分からなかった。
由利と戦う前は。
由利に大敗してからここまで悔しいのが
ないほど、泣いた。
近い内にプロになれると自信はあった。
けど、由利というバケモノがいて
途中から戦うのが恐くなってクイズが
苦しいはずなのに熱くなるものがあった。
(決勝は久坂と激戦だって思ったけど
あのバケモノと戦って感情が爆発した。
悔しさが大きいけど、強くなりたいって
今までないほど強く
思うようになった。)
十条凜千は、変わった。
完全無比で頂点にいるような自信が溢れる
姿ではなく、壁を越えようと
必死に抗う姿があった。
「よし、正解した・・・けど油断は
しない。」
『第三問。この映像の建物は?』
建物・・・歴史は得意ではないけど
こういう映像問題はたいてい有名な
ものが多い。
二人の画面には、細長い塔らしきモザイクの
ような映像。
少しずつ色が鮮明に変化していや戻ってきている。先に答えたのは・・・
『久坂さんが答えました。
プラハ城・・・正解!
世界最古で最高の高さの城でした』
「くっ!」
十条は、顔を歪めもはや余裕など
なかった。全力で完遂するだけ奔走して
いく顔だった。
『第四問。この漢字はなに』
クイズでは、定番で絶対的に出題する
漢字のクイズ。
画面に表れるのは1文字のみ。
その漢字は中国で一番の画数が多い漢字。
しんにょうがあって左上にはうかんむりと
など色んな漢字のパーツを無理に
組み合わせたような歪のようでユニークな
漢字であった。
『先に答えたのは久坂さん!
ビャン・・・せいかいです。
ビャンビャンメンと使い方しかない。
まさか、あの漢字を答えるとは!?』
「よし、やった」
答えられたことに小さくこぶしを上げて
喜ぶ久坂。
『それでは、第五問!
イチゴの収穫量の一位は・・・・・・
速かったのは久坂さん。
「よし!」連続正解に喜びを表す久坂
「くっ!」苦痛そうに表情する十条
『それでは第六問。
こちらの漢字はなに』
画面に漢字が3文字が表示。
鳩
鴉
鶯
『次は十条さんが速い!
順番通り答えを言います・・・・・
ハト
カラス
ウグイス
せいかーーい!!』
ここで流れは久坂と思われたが
勢いを止めさせ答える十条は、深呼吸して
勝つために精神を落ち着かせようと
言葉を言う。
「わたしは、無敵なんだから。」
『ここで、十条さんのルーティンセリフ。
次も答えを速くなりそうです』
司会者の言う通り
『おぉーと、9問目で久坂が速く答えた!
正解!そう人材適所の類義語の一つです』
ここから、
絶叫する。
『これで最後の第十五問。
今の大阪城の
作ったのは誰なのか答えてください』
縄張りは、城の設計図のことである。
先に答えたのは十条。
『十条さん答えました。
残念!違います』
「なっ!え?」
混乱する十条凜千。
『わずかに遅くのが遅かった久坂さんの
回答は、
城の改築や築城にも秀でていた。
徳川が新しい大阪城を造り上げると
そこを徳川将軍の隠居として使う予定
だったのです!
最後に正解した久坂さんが7回の回答により勝利したのは久坂さん!!』
最後のクイズで久坂は、
楽しんだと言わんばかりの
清々しい顔だった。
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