第30話 矜持がないのが矜持
「まさか、エリーゼが負けるとはなぁ」
「うん・・・エリー途中から苦しくそう
で見るのが悲しくなってきた」
エリーゼが序盤戦は優先だったが
調子を崩され立ち直ろうとするが、相手が
冷静にいつもの実力を発揮していく。
そして、相手やクイズなど頭を巡らされ
混乱に混沌に落ちたのだろう。
「・・・・・エリーゼ・・・」
安藤も苦痛に顔を歪めていた。反対の隣の
久坂も憂い顔。
俺は一体どんな顔をしているのか・・・
あの二人のように心配はしていない。
気持ちが分からないから理解できない
のか俺は。
「・・・・・みんな、ごめん。
負けてしまった・・・」
戻ってくる
エリーゼが放つ強い気力がなかった。
「ううん。エリーは頑張ったよ。
だから、強くなってまた、一緒に・・・
勝とうねぇ」
「・・・あっちゃん。でも今のわたしは
小学生の頃と違って差が出来て・・・
あっちゃんが遠く見える・・・・・
ごめん、こんなことを言うつもりじゃ
ない・・のに・・・・・・・うぅっ」
想いを伝えようと感情の
しかし、思った言葉ではなくエリーゼの
望んでいない言葉を恋慕する相手に
弱くて離れないでほしいと懇願。
前の俺ならバカバカしいと一蹴して
いただろうが、今は胸が悲しさがある。
「エリーゼそれはちがうだろ!
俺や部長もエリーゼの集中力や分析力には
だから、遠いなんて言わないでくれよ
・・・なぁ」
「・・・安藤」
この負の感情を打ち破るは安藤左内。
『熱かった戦いの熱も冷めずに次に
行きます。第三戦目―――』
マイクに響き渡る司会者の声。
だが、俺達の視線と耳はエリーゼに向けて
いる。久坂はエリーゼにゆっくり歩き
そして、ハグをする。
「あっちゃん?」
「わたし達はクイズで争って競いあって
強者だけ集める・・・綺麗事は言わない。
だから、次に言うのはわたしの真実だよ
エリー・・・・・実力なら、由利くん
がわたし達よりも強いそれこそ
姿が見えないほどに・・・」
久坂はそんな事を思っていたのか、
明るい表情は今や真剣な声音で優しさと
悲痛の混ぜ合わせた表情。
そんな久坂に俺は否定をする。
「ちがうだろ、普通に。ただの
ことをするなよなぁ・・・」
「うん。、わかっているよ由利くん。」
微笑で答える久坂に俺は心で舌打ちする。
なんだか、無理していてなにも出来ない
かったりもどかしいのだ。
「ねぇエリー、
わたしはエリーと一緒に勝ちたいよ。
だから、わたしが勝つ所を見てねぇ」
ハグする手を離し次の戦いへと歩む。
『永平寺正解高校からクイズ部の部長、
久坂篤の登場。久坂さんは数多の大会に
優勝し中学では最強と謂わさせた
一人です!』
「「うおおぉぉぉーー!!」」
「「久坂さーーーん!!」」
わたしが、戦いの舞台へと向かうだけで
熱気は最高潮に到達。
いつも盛り上がるのはわたしだと
なんだか面白くないかな。
できたらクイズでこその熱気はずなのに。
そして、こんな考えをするようになったの
は由利くんの影響かもしれない。
イスに腰を落としペンを握る。
『そして、流星左京高校からは
唯一の男子生徒の
わたしは向かいに進む新島くんを見る。
(中学の頃と同じくパーマの黒髪に
彼が得意な強い眼光は、相手の冷静力を
失わせることで定評あるけど、視線は
画面になって鋭い眼光は無意味になって
しかも、わたしみたいに鋭い眼光が
効かないのもいるので新島くんは
不運かもしれない。いえ、油断したら
いけない集中しないと。
『二人が座ったので三回戦を始めます。
第一問。バルト3国の一つ、
エストニアの首都は?』
答えが見える。
『タリン。正解!先に答えたのは
久坂さんです。
第二問。P90やF2000の開発している
銃器メーカーは?』
奇問なクイズが出てきた。
これは、アニメで見たことある確か
調べたらFNハースタルだったはず。
『おぉー、早く答えたのは新島さん。
答えはFHH・・・正解。』
「なっ――スゴイ!?」
つい驚嘆しましたが、そう言えば新島くんは
銃が詳しかった。この問題がここで
出るなんて。
『さあ、激戦の予感させる第三問。
この映像の動物はなんの動物か
答えてください』
き、来た。映像問題が。
モザイクになっていて中央には青と黄色で
風景と思われる緑色・・・でしょうか?
『さあ、経過していくうちに
ハッキリ変化していきます』
言う通りドンドンモザイクが形取るように
変化していく。鳥の形・・・青色?
『正解を押したのは新島さん。
回答は、カワセミ・・・・正解!』
くっ!映像問題は、知識や映像それと
なんだろう・・・つまり色んな要素が
求められるので格上でも間違ったり
先に答えられたりする。
あっ、格上って気付かずに過信していた。
よくない、よくない。
『第四問。この難読漢字を答えてください』
よし、このクイズならいける。
画面に等間隔でこう表示していた。
独逸
英吉利
亜米利加
う~ん確かに難読漢字だ。これ高校一年
レベル完全に逸脱しているよ。
でも、この漢字は分かる。
『なっ、なんと久坂さん躊躇いもなく
答えました。
ドイツ、イギリス、アメリカ・・・正解!
速い、はやすぎる!!』
「なっ、バ、バカな!?」
相手の驚愕をしているようです。顔は
残念ながら見えませんが声音でなんとなく
理解できる。
ここから、差をつけて有利にする。
『第五問。都道府県のお米の収穫量
一位から三位を答えてください』
それなら・・・イヤ、もしかしたら
最近のデータでは違ったりも・・・・・。
『新島さんが早かった。答えは
一位から言います。
新潟県、北海道、秋田県・・・正解!』
深く考え過ぎた。
一位新潟県で二位北海道、三位秋田県。
部長として勝ったないと。
ミスは許されない、わたしには
背負っているのだから。
向かいにいるであろう相手は唱える。
「これより、ミッションを開始し
目標を迅速に制圧する」
新島くんの勝利を掴むための唱えを、
そのルーティンは
独特で高校でも同じで懐かしかった。
(わたしには、皆のように勝利を唱える
ようなものはないけど、あえて言うなら
矜持なんだ!)
皆の想いを背負うものは矜持ではないし、
部長やランクSなど矜持でもなんでもない
・・・それを教えてくれたのは
由利くん。
『第六問。この英語を答えてください』
画面に英単語が表れる。
DIFFICULT
よし、分かった!早く書いて答えを押せば。
『答えたのは新島さん。
それからわたしは正解して相手が答えられ
僅差で負けてしまった。
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