第29話 黄金の妖精
『それでは、続けて二回戦を――』
進行を進めていく司会者。
そして、次の戦いはエリーゼ・アダムス。
奴は才色兼備。疑う者はいないほどに
ハイスペックだが、アメリカに引っ越し
中学の時代はどこの場所までかまでは
分からないが住んでいたのだ。
(そして、高校入学は日本にしたと
詳しくまでは訊いていないが
それともしたくないかは置いといて、
まだ、クイズの制度法が甘い時代には
エリーゼのような奴は苦しい・・・・・
配慮したと言っても日本の歴史、漢字の
クイズが基本的に多いし数学や化学などの
説明文も日本語で・・・・・
どうしても海外に引っ越すると
クイズの
・・・それにしても俺がエリーゼを
心配するとはなぁ。久坂や安藤とは別に
危うい所があるから懸念の種が
多いだろうからか・・・・・本当に
俺が他人・・・否!仲間に心配するのが
俺自身が驚いている。
エリーゼは、椅子から立ち上がり
久坂に笑顔を向ける。
「それじゃあ、行ってくる」
「うん。心の中で応援するねぇ」
俺と安藤には言葉などなく戦いへと
ゆっくりとした歩で向かう。・・・エリーゼただ忘れているのか、あえて言わなかったの
どちらでもいいが、
久坂以外にも話した方がいいだろ。とくに
若干へこんでいるこの勝ったのに
恋愛では久坂が軍配があって落ち込んでいると思われる安藤に。
『永平寺正解高校の才媛の一人・・・
エリーゼ・アダムス!
アメリカ生まれで現在は日本在住の
ランクSは、彼女だけではないで
しょうか?
二つ名は、バトルピクシーと呼ばれる。
誰がそう呼んだか分からないが
強さと姿勢が戦いだと思わせる
所以でしょうか?』
エリーゼが厳かなクイズゲームの筐体を
近づくにつれ、観客の歓喜の声が
増していく男女ともにだ。
「やっぱり、金髪碧眼のランクSが
珍しいのか盛り上がりがスゴいなぁ」
まだ、勝っても活躍しているわけでない
移動しているだけでこの盛り上がりに
俺が呟いてしまうほどだ。
「う~ん、どちらかと言うと可愛い所や
真剣な所がカッコイイからだよ。絶対に!」
久坂が説明している内に熱くなって
力説する。好きな相手には盲信的になって
いるようだ。
「さすがにそれはないだろ。
容姿だけじゃない・・・熱いクイズを
魅せられファンが多いだろ」
「ううん、由利くんは分かって
いないねぇ。エリーゼの可愛さやクイズも
強いのが魅せられる
なんだから!」
「・・・容姿はちがうだろ。それなら
アイドルとかで求めろの話になって――」
「フッ、これだから素人は。
由利くんどの分野でもアイドルは
求められているんだよ。
古い。その考えは時代錯誤と言うんだよ。」
話を途中に遮られ久坂には珍しい行動に
俺が呆気に取られるとは・・・
それに、熱くなってとうとう支離滅裂な
ことを言い出したぞ。
「・・・二人とも、どちらも正しい
んだから、別に争わなくてもいいん
じゃないかな?」
安藤は自然に仲介者となる。だが、もちろん
俺と久坂を止められずもう一つの
戦いが静かに始まろうとした。
(・・・なにやっているのだろう)
巨大なゲーム機のイスに座るわたしは
風物詩となるあの仰々しい言葉を
恥ずかしくて耐えているって言うのに・・・
由利はともかく、あっちゃんまで。
こうして見ると声までは聞こえるが
内容までは分からないけど、
・・・だけど、自然と個を振る舞えるというのか、気負うことを意識させられるとか
特に由利の独歩には。
(相手は確か
二つ名はないようだけど、
油断はしない・・・)
脳裏に佐々木右左の姿を思い出す。
黒のショートヘアーで表情が乏しそうな
女の子でこういうときは
イメージな人。
『それでは、第二戦目を始めます。
第一問。こちらの英語をなに?』
画面の左上から右に文字がゆっくりと
現れる。それは、誰かが
ように出現のようだった。内容は
・・・難しい。単語事態は難しくはないけど
どういう意味なのだろう。
場が静寂になる。わたしと佐々木右左は
思考が続けて気づいた静けさ。
集中しやすいから、助かるけど逆に
緊張なども起こしやすい空間になっている。
いや、今はこの解釈をしなければ。
スリーは三で・・・・・・
女の子を大人の女性に変身させる
英語3文字・・・だろうか?ならその英語
で変身させるのは・・・・・・・まず、
わたしがそれを出来るのはなんだろう、
変身させる成長して変身は・・・違う!
思い付かない!なら、別の方面で見よう。
英語の3文字を考えて――――わかった。
『なんと、一問目の難問を早く解いたのは
エリーゼさん!答えは
呆気なく答えたと言うのかあぁーー!!』
「なっ!?」
息を飲む相手の向かいクイズゲーム機の
画面があって見えないけどそんな
風に驚いているのが想像難くない。
『第二問。
(ここで、日本の歴史が!?)
徳川四天王は聞いたことがあるが
本田忠勝や井伊直政ぐらいしか知らない
わたしは、手が止まる。
『早い!佐々木さんの回答は・・・』
(相手はもう分かったというの?)
『
正解、正解です!酒井忠次は、元は
なるわけですね。』
相手の佐々木右左ほどうやら自信があった。
うろ覚えや自信がなければこんな速く
答えれない・・・この人は日本史が得意。
(負けられない・・・負けるわけには・・・いかない!)
「ただ、静かに回答するだけ。」
わたしは精神を
させるためセリフを言う。
すると、頭が戦闘スタイルの感覚か
分からないけど集中しやすくなった。
ただ、答えるだけ。わたしはクイズに
出題するのをただ答えればいい。
『第三問。トウモロコシの収穫量の
世界一は?』
これは――知っている――
『速い!これがバトルピクシーの本領発揮
のようです。回答はアメリカ・・・
正解!静かな闘志を燃やし始めた妖精に
観客も燃えている!』
周りが熱狂しているようだけど、
興味に注ぐようなことしない。
それからは、わたしの独壇場だった。
四問、五問もわたしが回答していく。
『第六問。この漢字を答えてください。』
漢字のクイズ・・・苦手だけど
直観で素早く賭けに出よう。
画面にこう表示している。
鯛と鰆と鯉を全部答えないといけない。
魚編の漢字・・・分からない。どうすれば
音読みで部首を外して答えればいいの?
『は、早い!佐々木さんの解答は・・・
たい、さわら、こい・・・せいかいーー!』
答えが
出てきた漢字だったのを今になって
思い出した。仮名を見てからなんて
まだ、集中力が足りていなかったのか。
「相手はわたしより、弱い」
『佐々木さんはここでルーティンなの
でしょう・・・雰囲気や顔つきが
変貌しているのをなんとなくですが
伝わります。』
向かいにいるとだけで顔は見えないが
この言葉にわたしは憤っていた。
焦ったらダメ!これは、相手の決め台詞の
ようなものなんだから
わたし以外にも使っていているから
どうして・・・焦りが収まらないのか。
それからの問題にわたしは思考は鈍られ
決勝で初めて間違う。
『おぉーと、エリーゼさんが間違えた!
これで相手が答えるまでは解答権がない。
おっと、その時間も必要もないと
言わんばかりに佐々木さんの解答は
366日。せいかいーー!!』
・・・そんなクイズで、わたしは365日と
間違えてしまった・・・・・
間違うと自信が摩耗していきわたしの
焦りは加速していき、何のためにいるのか
自問自答などしてしまう・・・・・
『勝者、佐々木右左さん!後半は
連続正解は爽快的なクイズでした!』
「・・・勝った・・・やったー。」
相手は勝利に酔っているというのか
喜びを叫んでいる。
一方のわたしは、終わった・・・など
情けない安堵感が広がるのを感じ
嫌悪感や敗北感で苦しくなった。
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