第23話問題があるのは、問題?
見事、予選を突破した俺達は待機と
いうことになり、軽いミーティングを
終わらせ各々、好きに行動することになる。
そう、ぼっちにはありがたい迷惑の。
(久坂達は、知り合いに歓迎されて
俺は歓迎する相手もいないからなぁ。
・・・いや、何を悲痛になっているんだ!
一人の貴重な時間だぞ。そう縛られることなく、好きにできる。くっくくく。)
よし、準備が終わるまでにクイズアプリでも
やるとするか。最近なかなかできなかったから、久しぶりで楽しみになってくるぜぇ!
スマホを取りだしアプリをしようと―――
「由利さん!おめでとうございます!」
どこか訊いたような内気そうな女の子。
「見事ね。貴方にしては、スゴかったじゃない!褒めてあげるわ。光栄でしょう?
ランクSに認められて。」
自信過剰を隠そうとしない強気な
ポニーテールしていそうな女子。
「やっぱり、無敵のような強さだよ。
この調子なら優勝もできそうだね。」
イケメンボイスと容姿を併せ持つような
ランクSが当然、負けるわけがないと
称賛する。そしてそれが疑問を生み出す。
「え?アイツが無敵の強さって・・・
貴方、過度なお世辞は、嫌味じゃない!」
ポニーテールこと、本田牡丹がそう厳しそうな目を向け僅かなされど明確な怒り。
「えっ?まぁ、そうなんだけど、
けど、本当にそう思わせるほどの
実力があるんだ彼は。」
過度な評価に首を怪訝そうにしてそして
すぐにスマイルと見事なシフトチェンジを
して自分の称賛を下げようとしない。
氏家陽に二人の少女の本田と轟は怪訝する
理由を俺は知っている。
(・・・熱くなって手加減が嫌いな俺は
結局、実力を出したのを氏家は知っている
そしてあの二人には俺が苦手とする
クイズに戦うことになって・・・
最下位になったわけだ。
久坂と挑んだ勇気がある人と思っているに
違いない。そして、なぜここまで
この二人が俺に応援するかまでは分からないが慧眼だって自負しているのだがな。)
さて、どう切り抜けようかと悩みながら
思考を巡らした結果、ひらめく。
「それより、久坂とか安藤の華麗な
クイズはどうだった。」
くく、我ながら名案すぎる。なんだって
二人は美男美女だ。そして、学園でも
非常にモテるのだ。一緒に帰路を着くと
ラブレターという時代遅れな物が
溢れんばかりに入っていたときは引いたな。
「ハァー!なにを言っているの、華麗なんてぐだらないのだけど。」
本田牡丹がなにを言い出すの!そう貫かんばかりの鋭い視線を向けられる。
「確かに久坂さんは、美しかったけど
熱い、面白い、輝くようなクイズを
するのを見たいんだ!」
爽やかな氏家らしくない熱くなり力説。
「そうです・・・由利さんのクイズは
なにか惹き付けるなにかがあるんです!」
話すのが苦手な轟香菜まで顔を近づけ
強い想いを言葉にする。
三者三様の賞賛に以外でどうすればいいか
分からずにいた。
「・・・そ、そうか。」
「そうよ!」またも否定する本田。
「・・・で、でも大したことじゃない。」
「そんなことない。感動するのを
もう一度この目に!」
なんだか、宣伝みたいな事を言うなぁ氏家。
「・・・・・。」
「由利さん!最後まで見ます。」
無言になった俺に最後まで見届けると
宣言する轟香菜にらしくない苦笑するのを
気づき仏頂面する。
もしかして、久坂達もいつもこんなことに
遭っているのだとしたら尊厳する。
「いやー、由利くんはモテモテだね。
部長のわたしとしては誇りに思うよ。
うん、うん。」
噂をすれば影。一人ではなく複数で
そもそも噂はしていない一瞬よぎって
ヤケクソになった思考で・・・いや、
落ち着けなんだか訳が分からなく
なっている。クイズ部の久坂篤クイーンは
笑顔でこの状況を本当に嬉しそうにしているのを読めるほどになっている
のがなんだか癪に思う。
「なんだよ、なにニヤニヤしているんだよ。こっち見るなよ!」
「え、反抗期!?同い年に放つのは
違う気がするのだけど。」
なんとか否定しようとしたらこんな
反抗期か!なんてツッコミ、たくなる言葉が
出てしまう。久坂がツッコむのも納得。
「思うのだけど何て言うかもう少し
ほのぼのしたやり取りがしたいって羨望
するのが、悲しいのだけど!?」
「落ち着けー!俺だっていつも、いつも
こんなやり取りは回避したいのに
お前たちが作るだろうがあぁぁーー!!」
「その権化の人に言いたくない
わたしでした。」
久坂が目を閉じて静かに言う。
「・・・えっ、なにが分からなくなった。」
「・・・あはは、そうだね。」
俺と久坂が喋ると大抵こんな事になる。
その会話を聞いていた三人というと――
「くっ!手強い・・・でも久坂に
負けるわけには!」
なぜ、そう悔しそうにしているの将棋の飛車のように高く飛ぶ本田の姿。
「敵わないなぁ・・・」
そして、意中の相手の久坂に俺と仲がいい
とか思っているが盛大すぎる勘違いだ!
どこをどう見てそう思えたかぜひ、
訊きたいなぁ。もうマトモな思考できなく
なっている本当に!
「・・・うらやましい。」
これが、うらやましいなんてやめろ
勇ましいけど、実は純粋無垢の轟!
この沼に入れば戻れないぞ。
「あはは、なんだか混沌だよね。」
久坂が三人の反応を見てそう俺に耳をたてて
小声で言う。それやめよう。
また、三人が勘違いするからなぁ。
「・・・本当に混沌だな。」
俺と久坂はため息して更なる混沌を
漂わせるのだった。
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