第21話 俺は、 船を出す何度も

昔センター試験と呼ばれる施設は

今や[国内クイズセンター試験]と名称

になり多目的な使用するようになった。

中学生クイズ部の限定の大会とか

大学生クイズサークル限定などなどで

一年前に実施した。

そして、今日が高校生クイズ部の大会として

催すことになる。

そして、名残があるのはこの施設の姿だけ

になったセンター試験を俺は疲弊した心で

見上げる。

(やっぱり、人が多い・・・

前の役割をしていたこのセンター試験は

ここまで熱気や騒ぐ人なんて、

いなかったんだろうなぁ・・・。)

ついため息が漏れてしまい

他のクイズ部仲間等は・・・

やっぱりキラキラした目をする久坂部長。

不敵に笑い燃える金髪さんのエリーゼ。

静かなる闘志を燃やす安藤左内どの。

流れでここまで来たけどこの内にある

闘志は燃えないでいた。

そんなえていると、

涼やかな響きを持つの声を掛けてくるは、

轟香菜とどろきかなだった。

「あ・・・あの!!

その・・・・・これを!?」

恥ずかしそうにして渡そうとするのは、

戦勝祈願と書かれている御守り。

「・・・これを、俺に?」

つい、渡す相手が俺なのか分からなくなり

訊いてみるとゆっくり頷く。

「う、うん・・・・・」

俺は両手の掌にある御守りを取りそして。

「そうか、なら刮目するといい。

貰ったこの想いが勝利するところを!」

「わぁー、うん。刮目する!」

屈託のなき笑顔で答える。最近この轟香菜は

憂いた表情をしなくなった。

悲しそうにするよりも笑っている方が

誰でもそう思うからなぁ。

そして、振り返ると・・・ニヤニヤする

連中がいたのだ。

「なんだお前ら、気持ちわるいぞ。」

「き、キモいって初めて言われた!?」

久坂が衝撃を受けたらしく目を丸くする。

そ、そんなに傷ついたのか!

「わ、わるい・・・言い過ぎた。

でも、純粋に応援されて面白いのか?」

すると、エリーゼがやれやれとする。

なにそれ、外国人なの?あっ、外国人だ!

「あんな場面を見せられたら誰も

気になるわよ。貴方が百合百合しい

やりとりをガン見するより遥かに

ましだと思うのだけど?」

「ぐっ!それを言われたらぐうの音も

出ない・・・だけど面白い?

2度目になるけど・・・。」

答えるのは、爽やか爽やか安藤でした。

「なんだか、爽やかな由利が

珍しかったから。」

「なるほど、分からん!」

腕を組ながらそう答える。

背後から三人の声が耳に入る。

内容はよく分からなかった。

「か、香菜まさか・・・そこまで

積極的だったなんて!?」

「僕も見ていたけど、頑張ったねぇ。」

「えっ!?・・・えーと・・・あの。」

そんなやりとりをしていた。


そして、センター内にとうとう入ると

ここで元は座って挑んでいた場所は

机やイスも大々的に変化した。

端に机を置き中央には職員の人が

教壇の方は大きなモニターを

取り付けていた。

「・・・くくっ、ここがお互いの知識、

推測、ひらめきを試される所か。」

熱くなりそう言うと久坂が呆れる。

「わぁー、久しぶりにみたなぁー。

中二病さんの由利くん。」

そして、エリーゼと安藤はこう反応する。

「ハァー、また面倒な事が起きそう。」

「ま、まぁ味方だとこれ以上ないほど

頼りになるからね。」

以上、ツッコミをするのでした。

・・・ツッコミたったかな?それは置いといて周りを見れば似たような熱意の人が

まだらだが、それなりにいて

その熱気に面白くなってくる。

「やはり、来たか永遠のライバル久坂よ!」

久坂の名を呼ぶ名前に気になったので

向けると、普通の流行りのファッションを

するイケメンが手を上げて

久坂に近づいていた。

やはり、ランクSになれば知り合いや

ライバルも多いようだ。

だが、当の久坂は訝しんでいた。

「え、えーと・・・こんにちは?」

「なんだ、俺がイケメンになったから

驚いているのか?

そうだな、俺がここまで変わったから

緊張をするよなぁ、ははは!」

う、うわー。なんだか饒舌に話をしているよ

それに、久坂の隣にいる

鬼の金髪エリーゼが恐ろしい目になって

いるし・・・触れぬ神に祟りなしと

言うし暫くは離れるとしよう。

端まで避難したらスマホを取り出して

クイズアプリでクイズをしていると、

やたらと大きな声をする人がいる。

必然、内容も聞こえてしまう。

「聞いて驚くなよ諸君。

俺はあの百発百中の狙撃手の二つ名を持つ

プロクイズ士の息子である!」

「「おぉーー!!」」

(プロクイズ士の子供も参加しているのか

・・・猛者が集まる所に行けば

当然、出会えるから

そんなに驚くことだろうか?)

今、ローディング中なので視線をスマホから

名乗る有名人の息子の声に向ける。

人垣が多くどんな奴か伺えることが

できないが、その内に戦うことになる

だろうなぁ。

暫くスマホでクイズで遊んでいると

そろそろ開催しますと放送が流れ始めたので

ポケットに入れ戻ろうとする。

流石に揉め事が収まっているだろう。

そう思っていたのだが・・・

(ふ、増えているだと!?)

クイズ部だろうか、新しく三人も加わり

親しそうに話をしていて

余計に入りにくい。

久坂とエリーゼと安藤が話をしているのは

モデル並みのイケメンなので

つまりは、美男美女の

ハイパースクールカーストの中に入らずば

いけないのだろうか・・・よし!

少し離れてスマホをするとしよう。

「あれ?由利こんな所にいないで

こっちに来て話そうぜ!」

安藤が俺を見つけそう爽やかに促す。

スゴく迷惑だ。来なければいけなくなった。

いつもなら、無視すればいいのだが、

そうすれば久坂やエリーゼに

小言を貰う羽目になる。

仕方ない、行くしかないか。

「急に居なくなったから

驚いたよ由利くん。」

久坂が俺の前まで来てそんな事を言う。

「いや、これぐらい報告しなくて

いいだろう。情報収集していたんだよ。」

本当はクイズゲームしていたが。

「へぇー、流石さすがは、由利くんだね。感服いたしました。」

「・・・いや、本当はスマホで

クイズ遊んでいただけだ。」

「素直になるのも早いクイズ好きな

由利くんらしい発言いただきました!」

「・・・な、なんか嫌な事があったのか?」

「えっ、どうして?」

「いつもよりテンションが高いからだよ。」

「あ、あははは。」

苦笑して困ったような反応にして

正解だろう。ハァー、行くか。

取り合えず離れる前に見たイケメンの

集団に挨拶と状況を確認しよう。

「初めまして、久坂部長が率いる

クイズのメンバーの一人、由利騎魅正と

言います、よろしく。」

淡々と名乗り手を向ける。

「・・・俺は、三坂尾張みさかおわりです。失礼だが、久坂とは一体どんな

関係なのか伺っても?」

あれ?このイケメンもしかして

敵視している?いやしているあの目は。

でも、怒らせた覚えがない。

拍手するが形だけの挨拶みたいだ。

「おい、失礼だろ!わりぃ、

コイツこんな所があるから許してくれ。

俺は目黒ネクスト高校クイズ部一年代表

神流川一益かんながわかずまさ

よろしくな!」

今度はしっかりした人で少し助かった。

「ああ、よろしく。

それで久坂部長となにか話をしていたか

気になるのですが、訊いても

よろしいですか?」

そう訊いて見ると長い髪を後ろに

束ねた神流川は快く答えてくれる。

「ああ、それなら先コイツ・・・

三坂部長が久坂さんと話を掛けたんで

俺達も折角だから会話に参加したんだ。」

普通に話して普通の流れに

そうなったわけか普通だ。

でも、久坂がそろそろトークを

終わらせたいので早々、終えるとしよう。

「そうだったんですか。

楽しい話に申し訳ないのですが、

そろそろ準備しないといけませんので

俺達はこれで。」

「ああ、分かった。

戦うことになってもお互い変な

気づかいなしで行こうぜ!」

「もちろんそれじゃ。」

そして、俺は手を振って久坂達の方に

向かう。

「話は解決した。うるさい三坂の奴は

来ないだろうし、場所を変えて

準備しよう・・・ってなんだその顔!?」

久坂やエリーゼは、何故かぽかーんと

口を開いていた。

俺が驚いていると久坂は苦笑して言うのは。

「だ、だって普通に挨拶できて

普通に会話が出来ていることが・・・」

久坂がそう思ったことを言うと

続け様にエリーゼも言葉を発する。

「驚いた・・・まるで常識人の

ようだった。なにか変な物でも食べたの?」

珍しく懸念そうにするが、

そんなに驚愕することなのか?

「よし、お前達が俺の事をそんな風に

思っていたことを知った・・・

次から助け舟どころか追撃の船を

出してやるよ。」

そう言ってやるも、反省どころかこんな

返事をする。

「それじゃあ、そのときはお願い!

「逆に返り討ちにする。」

最後の方は、エリーゼの勇ましい言葉

なのだが、本当にやりそうなので

船を避難することにしよう。

つまりは、ただの避難する。

そう決意していると、久坂が先の

目黒ネクスト高校の方に指をさす。

「ご、ごめん交渉している安藤にも

今から戻ってくるように船を大至急に

出してくれないかな?」

そう、安藤が今もなにか話をしていている。

「だぁー、こんなに船、船って連呼

するとは思わなかったよ!

おーい、戻るぞ安藤!!」

いつの間にかクイズ部のために奔走する

羽目になった。

ただクイズしたいだけなのに

こんな厄介な役目を強制に知らずに任命

されてすこぶるに迷惑だ!




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