第18話嵐の前に現れる静寂

もう慣れた廊下に見慣れた人。

慣れると歩きながら、考え事をしてしまう。

(あれだけ、嫌々で部室に入ったが・・・

今は放課後に向かうのが当たり前に

なったなぁ・・・。)

まだ、1ヶ月さえ経ていないのにそう

感慨深くなるのも、笑ってしまうほどだ。

(そして・・・大抵が俺の不評被害が

加速している一因の奴等の巣窟でも

あるんだよなあ・・・。)

まぁ、冷静に考えると俺が悪いときもあるが

9割が奴等だから、甚だ迷惑だ。

教室に熱い視線を時々、感じるし

振り返れば前に部室でクイズをした

おどおどしたランクSが驚いて

ノートをあからさまに見るわ、

挑発的に挨拶したと思えば自慢する

高飛車のランクSの女や

高く評価する爽やかイケメンランクSなど

・・・俺の教室の扱いはすっかり

空気として扱おうとは許されなくなった。

(そう。・・・だからこそ、俺は決めた。

今度こそ退部をして、平穏なる

ぼっちライフを取り戻してやる!)

安藤左内あんどうさないと昨日あんな

シリアスで重たい空気になった

次の日だろうと気にしないのが

我関せずにいるのが、ぼっちライフ切望。

俺よ、平穏を取り戻せ!

部室まで、近い・・・左を曲がって

歩いたらすぐだ。

部室の前につく前に色々と策を練っていく。

思考を巡らしていると辿り着き

ドアノブをゆっくりと開く。

「由利くん!聞いたら、喜ぶよ。」

突然、俺を呼び前に来るは久坂篤。

この巣窟の首魁である。

だが、いつもより明るそうにしているのが

解せない・・・一体どんな恐ろしいことを。

「決まったよ。このチームで

クイズ大会に参加することを!」

「・・・クイズ・・・大会だぁ?」

エリーゼも安藤も椅子に座り頷いていた。

・・・エリーゼが俺の視線に答えたのが

以外すぎだが・・・

気にしないことにしよう。

「うん。一年代表クイズ部の全国大会。

つまりは、由利くんが戦いたいであろう

ランクSの猛者中の猛者がチーム編成した

最強を決めるバトルロワイヤル!」

指を天に貫かんばかりに向ける。

長い黒髪がいつもより左右に動くほど

試行錯誤したであろうポーズをする。

「・・・あっちゃんテンションが

高すぎる・・・・・。」

頭痛を堪えるようにするエリーゼ。

「あ、あはは・・・」

苦笑して困惑を隠す安藤。

俺は久坂の突然のカッコいいポーズよりも

猛者の交えるだろう事のほうが衝撃だった。

「・・・そうか。とうとう荒れ狂う嵐が

来たのか・・・待っていたぜぇ!」

「フフ、流石は由利くん。狂い燃えているね。因みに暗黙のルールとして最後の

選手が一番の強敵だけど、わたしたちが

三連勝すると出番がなかなか与えられず、

それ以外だけのクイズだけになるのと、

一番槍になるか・・・どっちにする?」

久坂は不適に笑いながらチームでの

最初か最後の出番にするかの

要求を飲んでくれるようだ。

だが、そんなの迷うこともない。

「最後。俺は、俺よりも強い狂うほど

強い熱い戦いがしたいからなぁ。」

そう。ここに嫌々で来るようになったのは

熱くなる楽しい戦いがしたいから。

「やったー!これでわたしたちチームの

初陣になるね。」

快く返事に嬉いそうにジャンプする久坂。

その後、俺の片手に両手を掴みぷんぷんと

上下を激しく振り喜びを表す。

それは、いいのだが・・・後ろにいる

エリーゼが冷たく鋭い視線が・・・。

「・・・・・・・・」

(お、怒ってらっしゃる。)

まさか俺がこれだけで頬から汗が一滴、また

一滴と流れる。人、恐怖すると汗が

出るんだなぁ・・・なんて考える。

まぁ、そのお陰で少し冷静になった。

「久坂、気になったんたが

それは俺のランクでも参加できるのか。」

「うん、できるよ。ランクが条件なのは

ないから、心配しなくてもいいよ。」

「そうか。」

それはそうか。条件があるなら、そもそも

こんなに喜ばないか。

あとは、これは気になる・・・・・

「それと・・・観客とか目立つような

ことはないか?例えば優勝すると

ちょっとした有名人になるとか?」

我ながら言葉にするのが自然に恐ろしいのが

拙くなる質問になった。

久坂は肩が少しビクッとした笑顔はフリーズ

すること、沈黙が訪れた。

「・・・えーと、観戦に来た他校や

わたしたちの学校の学生も知れ渡ると

思います。」

小さな声でそっぽを向く久坂。

「大丈夫じゃない。貴方もうちょっとした

有名人なのだから。」

助け船を出すようにエリーゼが目を瞑り

そう言うのだった。

「俺達は由利が参加するのを期待してい

るよ。同じ仲間として。」

安藤は、強い信頼を宿った眼差しで

そう言う。

「・・・最初は強い選手が目的だったん

だけど、なんだか言って由利くんと

クイズするのがわたし達は好きだよ。

楽しくって、清々しい、悔しかった、

悩んでそんな喜怒哀楽を爆発させる

クイズが出来るようになったのって

君だからこそ・・・ぜひ参加してほしい!」

弱々しい久坂ではなく強く紳士的な

顔で 真っ直ぐ見て言う。

頬は赤い。言っていて恥ずかしいようで

断れるのが怖いのか震えていて

涙目でいるけど、強く思えるほどに

意志によって大きく見えた。

そして、そんな風に思われたことが

伝われたことない俺はどうすれば

いいのか分からずに迷う。

「・・・俺は――――」

「えへへ、ありがとう由利くん。」

想いを言ったのだ。

なら、俺もこの熱い想いをみんなに

伝えようと感情に任せ言った。

勢いで言ってしまったのか

何を言ったのか分からかったが、

周りの反応を見ればスゴく快く回答したのは

明確だろうなあ。

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