短編のクイズ

―元日―

由利が高校生として活躍する前の物語。

2020年12月31日に

俺はいつものように

スマホアプリのクイズ烈戦を

狂っていた。

「くくく、まったくこの日だって言うのに

クイズをするバカがいるんだな。

俺もそうだがな!」

バカというのは額面通りの意味ではなく

熱くなった俺の戦士として

認めるぜ的な意味だ。

画面には

第九問

元旦がんたんの意味は?

ちなみに一般的に誤用ではない

(やっぱり、この季節になると

正月のクイズが多いな。

まっ、正月イベント開催とかあるのだから

当たり前の話なんだがな!)

画面からキーボードが現れる。

それを入力して答えを解く。

最新型で超絶なる高性能AIが搭載していて

意味が少しずれていても

本質的に当たっているか

素早く正確的に判断する。

つまりは、辞書に載る一般的な意味を

額面通りの答えを書かなくても

AIが正確に判断してくれるわけだが

時々、ミスもあったりする。

素早く入力、

意味は、1月1日の朝と押す。

答えは正解。

対戦相手は、間違う。

「・・・・・。」

相手はそんなに強くはない。

熱は少し冷めたが別に面白くないとは

いわないが・・・

「相手が・・・

答えを諦めているな。」

一応最後まで続くつもりかもしれない。

だけど、解答スピードと博打に出る

覚悟とかそんな感情を感じない

プレイなのだ。

「・・・・・」

それから淡々と一番早く俺が全部

解答して終わる。

俺の完勝で終わりポイントが加算して

メニューに戻る。

「・・・最近本気で挑み続ける

本当の胆力の持ち主と戦いたいものだな。」

それからランダム対戦で

顔も知らない相手と対戦して全部

俺が完勝する。

メニューに戻るとフレンドメールが

届き音と振動で知らせてくる。

フレンドメール。

このゲーム内のフレンド登録している

者だけしか送り

対戦を誘ったり軽いコミニュケーション

などする。

俺にフレンド登録しているのは

ごくわずかで

頻繁に送る相手がアイツしかいないのだ。

「・・・やはり、久坂玄瑞くさかげんずいか。」

偉人の名前にするのは

なかなかいないので

ほぼ名前を被る可能性も低い。

ちなみに俺もこのゲームでは

偉人の由利公正ゆりきみまさ

呼び方が同じにされた

由利騎魅正ゆりきみまさ

リアルの名前で

そこから取って公正とこのゲームを

している。

「今日も対戦できますか・・・

くく、いいだろう。

来い!」

最近フレンドになった奴はよく挑んでくる。

飽くなき知識欲に

どんな劣勢で絶望的な大差でも

諦めず続ける。

つまり、心が諦めていないのだ

このフレンドは。

まっ、ただの俺の推測に過ぎないが。

そんかことを考え

返事を送り暫くすると

フレンドからの挑戦状が

届くことを知らすファンタジー感がある

BGMが鳴る。

この音が鳴り始めて30秒ぐらいに

メニューに入り

○○○が対戦しようとしています

表示され対戦すると押せば即対戦ルームに

移動するわけなのだが

NEW、loadingニューローディング

掛かるので30秒は短くないかと

思っている。

それは、さておき

対戦と押し

相手は、クイズの対戦設定を選んでいく。

ジャンル漢字

難易度60

俺が勝つようになってから

相手がジャンルを選ぶようになった。

(格上だと意識しているのを

顕著に表れているな・・・

奴はかなりの負けず嫌いなのか

俺と同じ狂人者かもしれないな!)

「さあ、魂を揺さぶる戦いを

しようぜ!」


一方戦いを挑んだ久坂玄瑞でゲームを

する黒髪ロングの美少女の

久坂篤くさかあつというと。

「えへへ、初詣に行く前に

この人と戦えるのワクワクするなぁー。

次こそは、わたしが勝つよー!」

第一問

この漢字はなんと読む?

悴む

「簡単だね。

かじかむ!」

そしてお互い正解。

一番早く答えたのは対戦相手の公正。

ちなみにかじかむを漢字であまり

見ない。

一方由利は。

第三問

この漢字はなんと読む?

「い!」

十二支のイノシシの「い」。

または、「がい」。

どちらも書いても辞書に乗っていたら

正解になる。

相手も【い】と答え正解と画面が

出る。

一方久坂は。

第十五問

この漢字はなんと呼ぶ

魚へんで右に周り・・・確かタイだった

気がする。

わたしは自分の直感を信じて答える。

「・・・・・。」

長く感じる時間。

静寂のわたしの部屋

そしてわたしの鼓動がうるさく聞こえる

のを錯覚の音が聞こえる。

そして、正解者が・・・

わたしの名前が入りました。

「や、やった!

・・・あー、でもスピード負けしたか。」

相手の方が早く答え

これが最終問題で結果発表に移るわけですが

いつものようにわたしは。

「負けてしまったか・・・

やっぱり公正こうせいさん強いな!」

「篤!

そろそろ出掛けるわよ。」

ママの声がドア越しに聞こえました。

スマホで時間を見ると

00時になっていました。

「うん、

わかったー。」

初詣に毎年に行くことになっています。

「あっ、そうだ!

公正さんにゲームで言わないとね。」

わたしは、元日のあの言葉を送ります。

そして由利公正というと

久坂篤と遠くから顔も知らずに

勝利して満足していた。

「くっくく、面白かったな。

本当に。」

圧勝だったが熱意が伝わり

本気のクイズの戦いができて

楽しかったぜ!

そして、フレンドメールが届く。

中を見ると久坂玄瑞からだ。

内容はこう書いていた。


新年あけまして

おめでとう!

今年もわたしとクイズしてね。


そう書かれていた。

「・・・ふん。

言われなくても挑んでくるなら

いつでも相手なるよ!」

・・・あけましておめでとう・・・か。

まさかそんな言葉をかけるなんて

なかったな。

なんだか嬉しく・・・いやいや。

「こんなことで喜ぶかよ!

・・・俺は誰に言っているんだよ。

目の前の久坂玄瑞に言っても

聞こえないっていうのに・・・

ま、まぁでも返さないとな。」

あけましておめでとう。

とシンプルで一言だけで送る。

二人が出会うまであとわずかだが

アプリで顔も知らず幾度も

対戦していたことそのフレンドが

目の前に夢にも思わなかった。







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