第15話強襲敢行されるランクE

二人の失礼な質問を屋上で説明すると

正午の貴重な時間の浪費がスゴい。

いや、佐久間さんの過去に琴線を触れたのは

嬉しいのだが、

貴重な昼をこの話だけで

終わるという未曾有の危機が訪れた。

大袈裟だと言われるかもしれないが

ここまで早く時間が過ぎたのが驚いている

んだ。

そして、

そんなことを授業中に何度も考えていた。

一般的相対性理論を覆す現象が

起きたのか!?とか、

完全に益体のない考えをしていた。

だが、気になれば無駄な考えでも

思考すれば重要な事を発見もあることで

考え続ける。

「貴方!

ランクSと僅差で負けたという

狂人者ね。」

放課後。

会話するとなぜこんなに早く経つのか

考えた結果、放課後だ。

突っ伏して頭の整理中に

勝ち気な女の子の声がした。

それにしてもランクSを追い込んだ奴が

いるのか。

どんな奴かと無理解に状況を整理させ

顔を上げると

鮮やかな黒髪のポニーテールしていて

透き通った漆黒の目は鋭い。

そして、俺を見下すように見ている。

だが、目が合うと何故か驚愕した?

「うっ!」

「な、なんだよ。」

まさかそのランクSが俺のことなのか

訊きたいところだけど

今はこの引いているのが

気になるし、その反応は失礼だ。

「・・・だ、だって目が死んでいるように

していて・・・

顔も死んでいるようだから。」

「そ、そうなのか?」

「・・・ええ。」

ええー!?

初対面でそこまで言われるの?

イヤ、そんな顔をして

訊いた俺が悪いと思う。

相手が申し訳なさそうにされると

謝りたい!・・・謝りたいが・・・・・

突然に謝って混乱しないかな?

もはや、違う種類で考えで回っている。

「すみません、色々と考えていたら

顔に出てしまい

困らせてしまって。」

悩んだ末、謝ることにした。

罪悪感をスッキリしたいし、

謝ってそんな困るような

気遣いもないと判断。

「い、いいのよ。

考えることなんて誰でも

あるわけだし。」

おぉー、なんだか優しい人だ。

「お気遣いどうも。

えーと、俺に何かようですか?」

「そうだったわ!

ランクSをもう少し所で負けたのよね?」

そ、そうだった。

確かこの人は俺を狂人者なんて

呼んで気がしたが・・・気のせいだろう。

それよりどう誤魔化すかだ。

「え、ええーと・・・

人違いではないですか?」

とりあえず人違い作戦。

「いえ、同じクラスの

貴方の噂で多分このクラスで知らないほど

に有名で、

そのランクSの戦いワタシも

見ていたから。

貴方が惨めに逃げたのも。」

くっ、まさかあの現場にいたのか。

次の策を早々に考えねば。

「だからそんなのは通じないわよ!

由利騎魅正ゆりきみまさ!」

そ、そうだ!時間稼ぎにこれがあった。

名前を訪ね、その僅かな時間に

ひらめく。

そうと決まれば実行。

「はい、その通りだけど

名前を名乗らないと?」

「そうだったわね。

ワタシとしたことが、実態だったわ。

後に一年代表クイズ部に所属となる

本田牡丹ほんだぼたん

ワタシのことよ!」

「・・・あ、ああ。」

(思ったより高飛車だな。

さきの敬語が消えているし。)

「そう言うわけで

貴方もしかしたら久坂篤くさかあつ

の所属となる部を案内してほしい。」

「いや!

なんか目的が変わっているぞ!?」

訊いてきた話題が思い切りカーブしている!

「ワタシの本来の目的はあの時に

怖じけつい・・・足が動かなくて

勝負できなかったことに

ワタシは、今でも悔やんでいるの・・・

だから案内してちょうだい!」

苦渋の表情で語る。

怖じけついたと隠そうとしているが

まったく隠せていないのを

ツッコミそうになった。

「・・・いや、いや

俺は知らないから。」

「でも、貴方よく

久坂やエリーゼに親しそうに話を

するのをワタシは知って・・・

どうしてそんなイヤそうな顔をするの!?」

「いや、だって親しそうに見えるて

どこをどう見たらそう思えるのか

理解できないから。

それに強引に久坂に入ることに

なったからわけで・・・っ!?」

あ、あれ?なにを言ったのかな俺?

彼女は、本田牡丹は笑う。

勝利の笑みを。

「フフ、語るに落ちるのを

再現なされた貴方はもはや自分の口で

認めたと当然、

案内をしてくれるよね。」

絶対的な自信。

どう執拗的に言っても論破されるのを

想像に難くないだろう。

これは、敗北した。

くそーー!!

「・・・か、勘違いしないでほしいが

俺はあくまで場所を知っているわけで

その部員とは親しくもなく、

もちろん所属どころか

パシられているだけだからなぁ!」

最後の抵抗として

強く否定する。

「それじゃ、少し待ってて

呼びにいくから。」

そう言うとスクールカースト上位にあたる

グループに入って声を掛ける。

い、いやな予感しかしない。

そしてそれは、的中した。

廊下で先頭に歩く俺に後ろについていく

二人の内の高飛車ポニーテールが言う。

「とうとうワタシの伝説が始まるわけね。

貴方が惨めに逃げた相手にワタシが

華麗に勝利を収めるのを

その目で見るといいわ。」

もはや勝った後のことまで考えている

ようだ。

そんなに実力があるのだろうか?

・・・・・もしかして。

「気になったんだが、

二人はランクが――」

「ええ、そう。

ワタシはランクS。

隣も同じSと言うわけよ。」

偉そうに返事する本田様。

「そうなのか?」

その隣の内気なクラスメイトに

訪ねるとビクッとされた。

なんだか傷つく。

「は、はい。

恐れが多いですけど・・・

わたしなんかが

ランクSで失望したですよね。」

なんだかネガティブな人だ。

漆黒のツインテールと暗そうだが

明るいクロノ瞳をした

小柄な女の子。

暗そうなのは俯いていて

儚く感じてしまう振る舞いだろう。

本田の友達ことで

案内されている。

「いや、そんなことはない。

ランクで価値を決めつけるような

ことは、下らない。」

「え?」

意外そうな声音が伝わり

いつもの俺が出てしまったかと少し反省

するのと同時に

名前をお互い知らないはずだと気付いた。

「由利騎魅正。」

「・・・あの?」

前を見ながら歩き要領が得ない反応なので

少し後ろを振り返ると

怪訝そうにしていた。

唐突にもほどがあったなぁ。

「俺の名前だ。」

「え?

・・・あっ、はい!」

少し間があってが理解したようだ。

「わたしは、轟花菜とどろきかなです。その・・・ランク気にしないの

ですか?」

恐れ恐れにして訪ねられる。

そこまで恐いのだろうか俺は。

「ああ・・・

いや、少し違うな。

ランクで区別が下らないわけで

俺は強い奴とこの魂が熱くなる

戦いがしたいだけだ。

その判別しやすいのがランクS。

それだけだ。」

冷静に考えてみたら

ランクの話をするのはあまり

なかった。

そして轟花菜はランクSだから

重荷に思っているのかもしれない。

「真っ直ぐなんですね由利さん。」

「・・・そうでもない。」

欲望を言っただけのつもりなのだが

好評価され、俺は少し戸惑う。

「ワタシは、やっぱり

猛者と戦いで狂う人なんだなぁ、

と感想かな。」

「その狂うのは、純粋に好きだから

と、わたし思うんです!」

とどろきランクSさんが

やや熱意が込めていた。

「へー、花菜がそんなに熱いなんて

あの狂人者に気になるんだ。」

「ち、ちがうよ。

そんなこと、わたし言っていないよ!?」

「否定しなくていいよ。

実はワタシも彼の実力が

気になる一人だからね。」

「・・・・・えっ、

ほ、本田さんも!?」

「あーあー、花菜。

気づいていないようだけど

本田さんも、って言ったわよ。

気になっていると本音が漏れているよ。」

「へ?・・・はっ!

由利さん違うんです。

気になってなんて

いないんですよ、本当ですよ!!」

顔を一面に赤面する轟。

「ん、・・・ああ!

大丈夫だ。

好意を抱くような言動が

恥ずかしくなって、

否定をしている。

だいたいこんな所だろ。

心配しなくても勘違いはしないよ。」

初対面でおそらくこの移動中が

初めて話をしたんだ。

それを好意を抱くような

出来事なんてないのに

轟が俺に

好きになるはずがない!

「う、うん。

・・・・・本当は、違うのだけど。」

返事の後になにか言った気がしたが

安堵か悪口の類いに決まっている。

美少女は、普通の人より性格がいいなんて

そんな夢はもうしていない。

「えっ?花菜。

本当は、違うってなに?」

隣に歩いていた友人の言葉に

慌てる。

「え・・・えと、その・・・・・」

なぜか視線を感じるのは俺の

気のせいかな。

そうに違いないと納得する。










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