第10話集う一年代表クイズメンバーだが部外者がいて

「そう・・・・・

わたしの勘違いなんだ。

あっちゃんが傷つかなくてよかった。」

「その前に謝るなり罪悪感が

先じゃないのか!?

一方的に暴力を振るうなんて

しかもかなり本気で!

それでその笑顔・・・

どうして俺がこんな目に遭うんだー!!」

「あ、あはは。

でも由利くんがここまでツッコムの

珍しいよね。」

金髪碧眼のエリーゼ・アダムス。

勝手に勘違いして勝手に暴走して

今は清々しい表情だ。

・・・殴ってスキッリしたんですね。

この暴力脳筋バカー。

「・・・どうしてだろう。

なにかわたしの悪口が聞こえる。」

目を細め周りを警戒する。

鋭すぎないか!

「き、気のせいじゃないか!

エリーゼの傍若無人に

俺もここの奴もドン引きだからな!」

俺のクラスメイト氏家陽は

こくこくと頷く。

するとエリーゼは、氏家に

怪訝そうにするのを

隣にいた部長さんの久坂篤が前に出て

エリーゼの方に振り向く。

「彼は、ランクSの氏家陽。

由利くんのクラスで

わたしに挑んだ人なんだ!」

久坂はもう元気になっている。

そして明るくこの部外者に

紹介する。

次は逆に氏家と俺の方に振り返る。

「氏家くん!

この部でエースのエリーゼ・アダムス。

得意クイズは、理系で

全分野なんでも答えれる実力なんだよ!」

知らなかったなここのエースが

奴だったのか。

言われてみたら確かに強かった気がする。

俺がそう考えていると

イケメンの氏家さんは羨望の眼差しで

エリーゼを見る。

なにか変な物を食べたかもしれないな。

「エリーゼ・・・エリーゼ・・・・・

あっ!

もしかしてあの、[バトルピクシー]の

エリーゼですか?」

なんだろうその可愛らしい二つ名は?

あの狂犬がそう呼ばれているなら

異常かもしれん。

当のエリーゼお嬢様は、

俯き赤くなっている。

それよりもその二つ名きになる。

「その、バトルピクシー・・・だったか。

なんたんだその二つ名?」

「由利君、知らないの?

一緒にいるのに!?」

氏家の奴は、俺の質問に

軽く驚愕な反応をするのだが

驚くことなのか?

この渦巻く疑問を晴らす言葉を発するのは

スマイルスタイルの久坂。

「由利くんは、確かランクEだから

・・・それでも知っていても

おかしくないのだけど

ランクが高いと周りからその

クイズに挑む姿に度々、色々な

呼び方されんだ。

そして一番しっくり来る呼び方に

自然と決まるのだけどね、

それが公的な決定なのか

投票するように周りに決められたとか

みんな違うんだよ。」

丁寧に明るく説明する久坂に

他の二人はうんうんと頷く。

どうやらよくあることなのか。

「なるほど・・・そう呼ばれるのか。」

「いや、氏家が知らないのかよ。」

俺のツッコミに慌てて手を振る。

「ランクSになったばかりだし。

それに僕の二つ名なんて中学生二年なの

だけど・・・

[不動なる壁]だからね。」

それでもカッコいいと思うのだが

不満のようだ。

俺も持っているといえば

持っているがスマホゲームの中の

二つ名だしな。

「あれ?気になったんだが、

その二つ名って、高校に入学に

自然消滅なんてのは。

氏家とかの場合で。」

(あー、氏家とすっかり

遠慮がない言葉を言うよな。)

もうすっかりお互いため口だなと

どうでもいいことを思い始め

同時に言う。

そんな俺の言葉に返事するのは、久坂だ。

「えーと、そのまま引き継いたり

前触れあったり、なかったり

変更されたりで・・・」

「あー、分かった。

いい加減で周りの期待の声が多いと

変更されるわけなんだな。

オーケー、OK。」

「さ、さすがは由利くん・・・

スゴい理解力。」

なんだか尊敬の眼差しに

なんだか落ち着かないな。

とくに久坂のような純粋無垢の

眼差しには。

「はっ!・・・気付いたらまた、

ラブコメ的な展開が繰り広げられている。」

エリーゼが顔を上げ俺と久坂を

見ておののく。

そしてその言葉の意味を知ろうと考える

隙は奴は与えてくれない。

「せ、折角だから

チーム戦でクイズで戦わない?」

「そうだね。

二人はどうする?」

久坂は、俺と氏家の順で見て

訊いてくる。

氏家が先に答える。

「せっかくだし、いいよ。」

さすが急な発言に対応力がある

リア充さん。

関係ないか、関係ないな、たぶん。

「ああ、もちろん断る理由はない。」

俺の台詞が合図にお互いタブレットを

取ろうとすると――

「その戦い・・・俺がジャッジになろう。」

声のする入口には、

最後の一年代表クイズ部員のイケメン

安藤左内が壁に体重を乗せて

クールにそう言うのだった。

「あれ?

安藤くんは、参加しないの。」

久坂の言う通り

ここの部員が部外者とクイズで

戦うのも寛大と言うか、

嫌な顔とかしないんだな・・・

イヤ、そんなことより

安藤の奴の台詞を吟味しなくても

奴は・・・。

「・・・安藤もしかしなくても

おまえは、盗み聞きしていたんだろう。」

「盗み聞きって・・・まあいいけど。

入りにくい雰囲気だったから

落ち着くまで待っていた

だけなんだ!」

「だが、悪く言えば盗み聞きだよな。」

俺の詰問に安藤は、ため息そして

困った風の苦笑い。

「クイズ烈戦などアプリで対戦もいいけど

たまには実践を重ねるために

俺がクイズを出題して

ここの早押しボタンも置いて

やるというのはどうかな?」

安藤の提案にみんなは、

異議はなく頷き肯定を示す。

「安藤くんの言う通り

わたしたちも実戦したいのと

お客さんの氏家くんもいるからね。

それじゃー、エリーゼは

人数分の早押しアンサーを置く。

わたしと由利くんは机を移動。

それじゃー、開始。」

「「おぉー!」」

久坂が指示にエリーゼと安藤は、

拳を挙げて声を上げて返事する。

その前に安藤は、指示がなかったけど

返事するのか。

冷静に考えたらここの部室の部長が

あの天然記念物のような久坂なんだけど

初めて部長らしいところ目撃した。

部外者で巻き込まれた氏家は、

羨ましそうに微笑んで見ていた。

そんな氏家に訊きたいことがある。

「いいのか?」

「いい・・・っていうのは?」

キョトンとするイケメンさん。

これだけじゃわからないよな。

「なんだかお前まで巻き込まれたみたいに

なってしまって・・・

断りにくいなら俺がなんとかするが。」

リア充は、ああ!っと

納得してくれたようだ。

「心配してくれてありがとう。

でも、大丈夫。

俺も一年最強のクイズ部と戦えるのは

機会なんてそうそうないから

楽しみなんだ。」

そう爽やかに笑い答える。

「由利くんはやく準備!」

久坂が来い来いと手と声で促す。

そうだった準備するように

指示されたんだったな。

「今いく!

そう言うことなら楽しみにしてるぜ。」

「ああ。」

俺は駆け足で机を持ち上げ

部長殿の指示に従い指定場所に置き

その上に解答のボタンを

置くエリーゼ。

四人分なのですぐに終わる。

部室の出入口を向かう形で机を

横一文字に置いたわけだが

簡易に設けるのはこの部でも

そうらしい。

右から俺、エリーゼ、久坂、氏家は

用意をした机に座る。

「・・・なんだかテレビとか

配信動画などで見る並びみたいだ。」

少し感動的に?なる氏家さんは、

呟きに隣にいるエリーゼは、

笑顔で答える。

「並べると、どうしても

無意識で並べてしまうからね。」

「言われてみればそっちの方に

しますよね。」

エリーゼと氏家は、ありふれた会話を

始める。

その光景あまりに信じられなかった。

「バカな・・・エリーゼが

普通に会話が出来るだと・・・!?」

ついそんなことを言ってしまい

エリーゼは、俺の方には

冷ややかな目で。

「バカは貴方の方だから。」

冷たい言葉。

本当にここまで冷たくされるような

身に覚えがないのに。

「それでは、クイズを始めたいと

思います。

みんな準備はいいかな?」

横一文字に並べた机の前に立つのは

司会者に徹するかもしれない安藤だ。

「フッ、構わん。」

「いいよ!」

「うん。」

「はい。」

返事をすると司会者は、

マイクを持ち。

「さあ、始めようクイズだ!

ジャンルは、勝手に選択しますので

あしからずに。

それでは、第一問。

都道府県でジャガイモの――」

ピンポーン。

説明途中でボタンを押したのは

一人のみ。

「北海道。」

「・・・正解です。」

俺の解答にみんなおののき始める。

「・・・は、速い!

由利君は、ランクSのだれよりも・・・

確かランクSじゃなかったはずだけど!?」

氏家はそう呟く。

「ちなみに彼のスクールランクは

底辺のE、だしいんだ。」

茶髪のイケメンさんの安藤の言葉に

暫くフリーズした氏家。

考えを巡らしていたのか

なにか納得した表情で返事をする。

「・・・あ、あはは流石にそんな

冗談は・・・。」

エリーゼや安藤のどこか懐かしむ

表情になるのを見て――

「マ、マジですか?」

コクッと肯定をする二人。

「・・・信じられないかもしれないけど、

彼は、ここのエースと

呼んでもいいほどに強い。」

エリーゼの言葉にとうとう氏家は

へどもどになり

判断処理できずにいた。

そんな場面を見て俺は当初の目的を

忘れ本能的に答えたことに

後悔した。

(し、しまった。

俺は雑用係でそれ以上でも

それ以外でもないのを認識するつもりが

こんな状況になってしまった。

もし・・・氏家がそう噂をされたら

俺のぼっちライフが回復不可能なほど

終わりを刻まれる!?)

何とかしなければ。

何とかしなければ!

だが、もはや遅すぎる・・・

こんな絶望的な状況にどうしたら・・・

イヤ、諦めたら駄目だ!

最後まで抵抗するだけだ。

それがそれしかないなら・・・

やってやるよ!

「ひゃほーー!

たまたま思い付いたことを

言ったら正解したぜ!」

「「「えっ?」」」

久坂、エリーゼ、安藤の三人は

目を見開き驚く。

ここからだ。

ここが勝負だ!

「やっと・・・やっと・・・・・

一問正解した・・・

ランクS様に勝ったんだぁぁ!」

我ながらバカ過ぎるぐらい騒いで

恥ずかしいが

ここまで追い込まれたら

犠牲なくして逆転など出来ない。

「そうなんだ。

たまたまなのか・・・

よかったね由利君。」

ようやく落ち着き始める氏家。

「サンキュー。」

親指を立て返事する。

「ど、どうしたの由利くん。

いまさらそんなレベルで歓喜なんて・・・

わたしたちに勝手もとくに

喜ぶような反応なんてなかったのに!?」

久坂がそう言うと思い即時に返事する。

「なにを言っているのですか?

俺が勝つなんて・・・

夢と現実を混同しているのでは!?」

「えぇーー!

ど、どうすればいいのか

わたし分からなくなったよ・・・。」

肩を落とす久坂・・・

なんかすみません!

「・・・叫ぶのはやめて。

キモいから。」

エリーゼの静かな発言。

「・・・・・あっ、はい。」

普通にに考えなくてもキモいよな。

こんな反応したら・・・。

「ゆ、由利どうしたんだ。

叫んでしまって・・・。」

戸惑う安藤。

そして手を招き振り近づくように

示す。

安藤は、近づき周りから声を届けないように

手で簡易的な壁をして小声で言う。

「あの爽やかなイケメンの氏家

に俺がここに所属とかエースとか

噂をされたら大変なんだ。」

「・・・大変というのは?」

「考えてみろ。

持て囃されるのを・・・

今でも声を何度も掛けられて

苦労しているのにさらに

増すと思うと・・・恐ろしい!?」

少し想像して体が震える。

スクールカースト上位に堕ちるのが

恐い。

俺は常にどうしたら底辺に昇れるか

悩んでいんのに。

「・・・ご、ごめん。

俺には由利の言っていることが

わからないのだけど?」

困り顔で言う安藤。

「つまり俺がザコで雑用係に

過ぎないと雑に扱えばそれでいいんだ。」

「由利なにを言っているんだよ!?」

大声でツッコムイケメン。

理解できないと顔を隠さず出ている。

そして距離ができたのを

もう少し近づけと指で振り近づき話を

進める。

「とりあえず静かにしろよ。

気付かれたら大変だから!」

「気になったけどその持て囃されるのは

嬉しいことじゃないのか?

・・・ぼっちの人が羨望するほど

だって思うのだけど?」

「バカだな安藤よ。

誰でもそうではないってことだ。

お前たちのリア充と呼ばれる種族でも

他のグループとか違う点とかけっこうある

だろう?

それと同じってことだ。」

俺の説明に分かったような

分からないような表情して指をあごを

あて考える。

「・・・なんとなく分かったけど、

それでもいいんじゃないのか?

遅かれ早かれ。」

つまり諦めろと、いうのか。

なら、出るしか・・・ない。

「そうか。

久坂に秘密する条件だったが

それを暴かすのなら

俺はここを出るとしよう。」

「俺達は仲間だ!

由利、協力するぜ。」

サムズアップするのだけど

頬が汗が流れたり

この反応を見るとまったく

かっこよくないよな。

それはさておき。

「それじゃ、頼むぜ。

・・・みんな待たせたな。」

俺が三人に振り返りそう言うと

今まで談笑していたようで中断する。

「長かったね。

お客さんいるんだから

次から待たせるようなことは

控えてね二人とも。」

久坂の奴なんだかしっかり者のように

見えるな俺と安藤は、返事。

「まったく、由利のせいで

部長に怒られたじゃないか!」

「「「えっ?」」」

今まで談笑していた三人は

安藤の辛辣な言葉と敵愾心の眼差しを

俺に向けるのを驚愕する。

よし、いいぞ。

「すみません、すみません!

ランクS様に時間を浪費させてしまい

すみません!」

何度も頭を下げる俺。

「ザコの分際でたまたま勝利して

そこまで喜んで・・・嗤うの

堪えるのが大変だったよ。」

安藤は、嘲笑する。

「「・・・ええぇぇぇぇぇ!!?」」

久坂とエリーゼの二人は異口同音に

叫ぶ。

そして違う反応をする人物が一人。

「安藤さん!

俺の友人にバカにするのは

やめてくれませんか!」

鋭い声で安藤を睨むのはなんと

クラスメイトの氏家陽。

「そ、そうだな。

言い過ぎたな、わるかった。」

「違います。」

「え?」

「謝るのは由利君の方に謝るのが

筋じゃないですか?」

「そ、そうだな。

ごめん由利。」

「い、いいよ気にしていないから。」

まさか氏家がこんなに熱い正義の

持ち主とは知らなかったな。

それといつのまにか俺を友人と

呼んでいたし

リア充の友人条件が緩和しまくっているな。

「嬉しそうだね由利くん。」

嬉しそうに笑うのは隣の席の

久坂。

「は、はぁ!

嬉しそうに見えないだろ!」

「でも、頬が緩んでいるよ。」

な、なに!

無意識でそんな顔をしていたのか俺!?

「そ、それより

早くクイズを続きをしましょう。」

これ以上話を広げられると

嫌なので促すことにした。

「そうだな。

それでは第二問。

軍艦島の別の呼び名は――」

ピンポーン。

端島はしま。」

エリーゼが答える。

「正解。

流石エリーゼ。

では、第三問。

大阪城の前の建物は?

その大阪城は、豊臣時代とする。」

ピンポーン。

「大阪本願寺。」

「不正解です。」

・・・ん?

安藤の奴、不正解と言ったのか。

久坂は否定する。

「いや、正解だよ安藤くん!」

「でも、教科書とかに

そんなの載っていませんよ。」

最後まで口に出すつもりは無かったが

俺は立ち上がり。

「安藤・・・久坂の問は正解だ。」

「え?

でも答えは・・・・・。」

「石山本願寺が答えと思っているけど

それでも正解でいい。

だけどそれ後から付けられた呼び方で

当時の本願寺を含む地域を

大阪と呼ばれていて

それで大阪本願寺・・・

細かく言うとこれが正しいんだよ。」

時代小説にそう書かれているので

知った知識。

まっ、歴史は研究が進むと

定説だと思っていたことが間違いとかで

頻繁に変わるから歴史が得意でも

多々あるミスだよな。

安藤が歴史が得意か分からないけど。

「そうなんだ・・・

知らなかったとはいえ

部長に失礼なことを言ってしまい

すみません。」

深く頭を下げる安藤に

部長の久坂は慌てる。

「気にしていないから

頭を上げて、ねえ。」

「・・・はい。

えーと、次のクイズを言います。

あっ!もちろん前の問題は

部長が正解です。」

それから久坂やエリーゼが

答え続け時々、氏家が答え

気づけば十五問ラストになる。

「ラストです。

チェコの首都プラハが夕方になると

何色に輝くか?」

最後まで言うとすぐボタンを押すエリーゼ。

ピンポーン。

「ピンク色。」

「正解。

そして、解答者、多い順に

言います。」

多く答えた者から先に言うとは

一位から最下位の順のことだろう。

「一番多く答えた優勝者は

エリーゼ!」

声高に言うとエリーゼに

手を向け優勝者を祝う。

「・・・そう。」

興味なさそうに答える。

その後の名に

久坂が僅差で2位。

大差で3位の部外者の氏家陽。

最下位で最初の一問だけ正解した俺。

その時、部員から苦笑や嘆息など

される。

分かっているよ。

傍観してなにをやっているだと

いいたのいのはそれで

イヤってほど伝わったから!

そして部長が前に出る。

「それじゃ、今日の活動は

これで終了だね。

解散!」

壁時計を見て

そろそろ19時になる時間帯。

これで解散なのだが

エリーゼや安藤は、久坂となにか

話を始め、いつものように

帰路に就くのだろう。

さて、そろそろ俺も帰ろうと鞄を取ろうと

机に向かって気付いた。

今は端の床に置いているのを。

「久坂、気になったんだが

この机とか直さないのか?」

「あっ、そうだったね。

今から始めようか。」

「それじゃ、手伝います。」

氏家も手伝い始める。

「氏家くんは、お客さんなんだから

手伝わなくてもいいんだよ。」

「いえ、僕もクイズ参加したので

手伝う理由はありますよ。」

久坂が遠慮がちに言葉を言うが

氏家は、爽やかに笑い断り手伝うのだった。

俺も手伝わないと。

机は四つとも持ち上げ奥に移動しているので

俺は、傍観するのみ。

・・・・・敗北したのになにもしないと

罪悪感がスゴいのだけど。

まぁ、たまにこんなことある。

だから自分を追い詰めるな自分と

謎の鼓舞を始める。

「みんな、お疲れ。

氏家くんもありがとう。」

「どうもいたしまして。

今日は楽しかったです。

それじゃ、失礼します。」

頭を下げ自分の鞄を持ち入り口に向かうと

思いきや俺に向かう。

「それじゃ、由利君。」

律儀に俺にも挨拶するのか優しい奴だ。

「ああ、それじゃ。」

軽く手を振る。

「君はミステリーだった・・・

いつかは、本当の君にクイズで

勝負したいものだよ。」

そんな意味深な事を言って歩く。

「・・・・・なっ!」

つまり隠し事を見抜いている・・・こと

なのか?

一瞬、呼び止めるか考えたがやめた。

うまく誤魔化せる自信がなければ

語るに落ちるほうが自信があるぐらいに。

暫く背中を見て手を振り見えなくなるまで

振る。

そして見えなくなって暫く考察する。

「・・・なぜ、気付いたんだ?」

「いやいや!

これでうまく誤魔化せたほうが

おかしいから由利!?

明らかになにかを

隠しているのは明白だから!!」

イケメン安藤の甲高きツッコミは、

部室に響き渡る。

そしてその音量に廊下に移動中の先生に

軽く注意される。

元気なのはいいが、

少し落ち着きなさいとか

そろそろ帰宅しないといけないなど

小言を聞く羽目になった。

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