第6話ランクE一人とランクS三人の戦い

この学校では一年から三年の学年による

最上位のクイズ部が用意されている。

普通のクイズ部もあるが

あちらは、厳しいルールなどない。

では、いうと最上位クイズ部では

部員は最高でも6人で

入部条件は同じ学年のランクSで

しかもよほど腕がなければ

勧誘や入部もないほど厳しい。

この最高位にあたるクイズ部に選ばれた者は

学校の代表者としてあらゆる

大会や猛者と戦えるわけだ。

(そしてここ一年の代表選手が三人・・・

最低でもメンバーは、四人必須。

久坂はそれで俺のクラスに入って

ランクSと対戦したわけか。)

俺が入って、久坂は入部届を生徒会に

手続きにいき今この空間は

俺とエリーゼと安藤の三人で

机を囲み座っている。

俺はとりあえず乱雑に積んでいる

クイズ本をペラペラと開いて見ている。

(やはり実力主義のクイズ部だけ

あってそこそこレベルの本があるな。)

あの人の本などもあってなんだか

感慨深い。最近、読んだばかりだが懐かしく

思えてくる。自殺を留め俺にクイズという

熱くなる出してくれた恩人。

テレビや本など最近、見なくなったけど

今頃はどうしているのだろうか。

由利ゆりおもしろい本があれば

借りてもいいことになっているだ。」

イケメンさんの安藤が今日が

初対面でも友人のように接してくる。

「いや、いいよ。ある程度、読んだばかり

の本だからなぁ。」

「へぇー、そうなのか。」

それしても安藤は、リア充だからなのか

話しやすく、色々と教えてくれる。

金髪で容姿端麗の

エリーゼは、対照的だった。

本を読みながらちらちらと睨んでくるで

あまり話してこない。

「そうだった!二人とも知っているか?

なんか最近の噂なんだけど、

同じ一年でランクSを追い込んだ

Eがいるのを?

眉唾物、過ぎだよな?」

安藤は、いつもの微笑で噂の話を

しようとする。

Eって、もしかしなくても俺の事か?

エリーゼは、視線を本のまま

口を開く。

「ふーん、何かの小説か漫画の話

じゃない?」

「そうだよな。雲泥の差があるのは

解りきっているし荒唐無稽な話だよな!」

「それ、俺の事かもしれない?」

俺がそう答えると二人はその場で

固まる。フリーズ。止まる。

他愛のない会話から訪れる静寂。

この固まった状態を抜けたのは

茶髪リア充さんの安藤。

「・・・あはは、話に諧謔かいぎゃくを入れるのもスムーズに

進めていいよなぁ。」

ユーモアと解釈されるが訂正する。

「いや、実際にEだ。

そして、これが証拠。」

俺は、胸ポケットから

全国の学校で配布されることになった制度の

手帳にスクールランクを見えるように

テーブルの上に置く。

二人は前がかりで目を見開き

これで何度目か驚く。

「・・・信じられない。」

呟くエリーゼ。

「・・・・・だけどそう記されているなら

事実なはずだし。

由利、悪いけど俺達とクイズで

対戦しないか?」

安藤は、支給のタブレット端末を取りだし

勝負を挑まれる。

(久坂が破った俺に認めているが

この最下位ランクに疑問を持っている。

そして自分達で確認する

腹ってことか!)

俺も鞄からタブレットを出し

安藤の真剣な表情に俺は答える

つもりはない。

俺は熱い戦いしたいだけだ!

「さあ、魂を揺さぶる

熱い戦いをしようぜ!」

不敵な笑みと熱い台詞に安藤は

少し戸惑い苦笑する。

一方、エリーゼは怖がらせ、引いていた。

「・・・なんだか性格が変わったん

だけど。」

三人タブレットでクイズアプリで人気の

【クイズ烈戦】で大戦ルームを押し

お互い準備を終えて始める。

このゲームでは、ルームを招かれた人でも

ジャンルやルールも選択権がある。

と、言ってもルームに最初に入った

プレイヤーが選択するか誰かに

譲渡するシステムになっている。

選択権者は、勝手もポイントは増えず

選択権がない者が勝てばポイント大。

(そして、この中で弱者と見なれている

俺がその選択権を与えらるわけだな。)

なら、譲渡するかといったら

別の道がある。

「「ランダム!?」」

「ランダム。これならポイントは

選択権があるものでも

ポイントが多く入るシステム・・・

勘違いしないでほしいが

これは、平等的に戦うために

選んだだけに過ぎないだけだ。」

真剣な戦いに選択権など不粋だろう。

二人の反応は、試すような眼差しだったが

次第に好戦的になっていく。

面白い!これがクイズで探求、研鑽して

いく猛者に相応しい反応だ。

金髪美少女は、視線をタブレット

をだけに徹する構え。

「ただ静かに解答するだけ。」

静かな闘志を燃え上がるエリーゼ。

安藤は、片手の指をこめかみに

キザにあて、まぶたを閉じ口を開くと。

「グラジオラスは、常に俺を

ストレリチアにハボタンを。」

まじないのような言葉を済ませたのか

まぶたを開くと、

自信が溢れる微笑。

これが奴等のルーティンか。

「精々、楽しませてくれよランクS!」

俺は廻り続けるのを決定を押し

ジャンルが止まり表示されるのは

ジャンル:総合クイズ

(総合クイズ。

その字面どおりあらゆるジャンルの

クイズのため

知識な豊富が求められ

得意分野で戦えないので平等的だが

得意なクイズが多く出る運勢もある。)

二人の反応は、特に屈服などの色もない。

どちらかといえば、望んでいたと

頬を緩めている。

(真の強者の反応だな・・・

これは期待できるな!)

そして、最初の一問目が表れる。

一問目

スペインの首都と

そこまで来たので後は想像がつき

入力していく。

クイズのかなりの猛者になれば

最後まで説明文が見なくても答える

スキルを持つ者が多い。

入力方法は、検索のときに使う

キーボードの形した画面にタッチしていく

だけ。

入力が終え寸分が経つと答えと

解答スピード順が表れる。

俺、エリーゼ、安東と順。

もちろん速く答えた者はポイント多く入る

システム。

「速い!?」

驚愕するエリーゼは、画面を見続け

そう呟く。

「スゴいな!」

感嘆する安藤。そんや反応に俺は、言う。

「本気で狩らないと

殺られるぜ!」

不敵に笑い煽る。

ちなみに反応はとくになし。

第二問目

ビッグバンを骨組となる最初の提唱した

人物は?

こんな風に説明文があまり聞きなれていない

のだと、素早く答えれず

最後まで説明文を読むのが困難な

クイズを出してくる。

入力を終わり答えは

ジョルジュ・ルメートル。

エリーゼ、由利、安藤の順で表示される。

この人物は、ベルギーの司祭兼

天文学者。

宇宙は原始的原始な爆発から始まった、

と言っていたが本格的に研究が進むのは

後の人になる。

それは、置いといて俺がスピード負けする

なんて油断したか。

一番のエリーゼは

「・・・・・。」

あの、ルーティン台詞の通り

静かに答え歓喜の声もなし。

次の解答という矢を定める狩人を

彷彿させる姿だ。

第3問目

【芒】この草の名は?

既知なゆえ、すぐに答えを押す。

・・・・・なかなか解答に移らない。

誰かが悩んでいるようだ。

対人戦、一人プレイでも

時間制限がある。

その対人戦ではよくあることとは

いえこの序盤での問題に少し長すぎる。

(・・・安藤は余裕綽々のようで

顔が真剣で焦っていない。

エリーゼの方は、汗が頬を滴り落ちている

となると悩んでいるのは奴か。)

表情を見て俺は、また画面に視線を

戻す。

TIMEタイムがギリギリ突入すると

ようやく解答に移り始まる。

答えはススキ。

解答者は、二人で

一番が俺で二番目が安藤。

「・・・くっ!」

悔しそうに呻くエリーゼ。

これは、痛いだろう。

猛者より勝る猛者達の戦いでは

このアドバンテージは、大きい。

第四問目

アンスリウムの花言葉は?

アンスリウム・・・確か知っているのけど。

これで良かったのだろうか

うろ覚えだけど、入力していく。

正解人数三人。

なんと速かったのは安藤。

その次が俺、三位がエリーゼ。

「この問題だけは自信が

間違うわけには、いかないからな!」

安藤は、絶対的な自信するに

この花などでは強いことか。

第五問目

事象の地平線の半怪と呼ばれる

ドイツの天文学者が発見して

名前を取り、その呼びかたは何?

(随分と知っている人でも

分かりにくいなぁ、これは。)

まっ、知っているので即時に答える。

今度は、いつものようにスピーディーに

二人は答える。

解答者二人。早い順で俺、エリーゼ。

安藤は、不正解だった。

「いやー、間違えたか。

次は答えて見せるぜ!」

そうユニークに親しみやすい笑みだったが

取り繕っているのが俺でも分かる。

内心、悔しさが声音が少しこもっていた

からだ。

(リア充って、取り繕うのが

得意だからなぁ。

まっ俺の勘違いことかもしれないけど。)

そして次の問題を一問も間違わず

答えていき第十問目に入る。

第十問目

大隈重信が定めた日本の橋のレール

の幅は?

(なんだ、まだこの程度か。)

「・・・・・」

「よし!」

三人ともすぐに入力すると

ドアが開く音。

もちろん誰も気にせず画面に向いたまま。

「あ、あれ?この少しの間に

クイズで戦っているの?

本当に好きなんだから。」

この声は、久坂か。

その嘆息!仕方ないな、理解しているよ

とか言っているようで

恥ずかしいし、腹が立つのだが!?

「あっ、部長戻ったのですか。」

入力を終えたのか返事する安藤は

いつもの笑顔で。

「うん。生徒会長とランクEを伏せるだけ

だし、全然に大丈夫なんだから!」

ピースをする久坂。

安藤は、流石です!と答える。

「・・・・・」

一方、エリーゼは完全に集中戦闘態勢中

で見ていない。

俺も集中力は高いほうだと自負しているけど

ここまでいかない。

エリーゼのあらゆる遮断する集中力に

羨ましくあり、尊敬に値する。

ちなみにお互い十問目正解した。

久坂は、邪魔にならないように

距離をおき本を読む。

俺達は、答え、答えて、答え続けて

とうとう最後の第二十問目に入る。

ここまで俺は一問も間違わず

(時々、二位になってしまたが。)

答え圧倒していく。

もはや逆転ができないのに

二人は、諦めていない。

戦意が失うどころか増していく。

「くく、くはははは!

面白い、面白いぞ。

ここまで熱くなれるなんて

久し振りだ!」

俺のテンションも高まる。

安藤は、今度は引かずにいた。

「・・・ああ!

悔しいけど、面白い!」

その返事は好敵手に向ける表情。

負けたくないけど、信頼できる

そんな説明できないほど

色々な表情だった。

そして最後の問題が現れる。

第三十問目

【爾来】この読み方は?

(よし!簡単だ。)

後はだれよりも速く答えるだけだ。

指に力を入れ、力まないように意識して

動かす!

素早く押してトドメの決定を押す。

もはや不正解だろうが多くの得点があるので

負けることはなく俺の勝利は確定しているが

一問も負けたくない矜持があるから!

他のプレイヤーを待ち、三秒ぐらいに

解答者が発表に入る。

そして順位は

俺、安藤、エリーゼだった。

そして次に勝利発表。

まずしたから、順位が速めに表れていき

次の上に順位がくる。

三位は安藤。

「うわあぁ!負けたか!?」

うわあぁの方はやや控えめな叫ぶ。

一位と二位の発表は、同時に

名前が出てくる。

もう分かっているが一位は俺で

二位がエリーゼ。

「・・・・・ハァーー。」

緊張を解いたのか大きく息を吐くエリーゼ。

「ふっ、久方ぶりの熱い戦いだったぜ!」

目の前で対戦するのはあまりないが

悪くなかったな。

「終わったんだね。

ねぇねぇ、どっちが勝ったの?」

本を閉じ質問する久坂。

エリーゼは、久坂に向き答える。

「あの人・・・勝った。

ここまで圧勝されるなんて・・・。」

涙目になり苦渋で俯くエリーゼ。

「うん。」

久坂は、そう答えると俺に明るい

微笑んで見てくる。

「・・・な、なんだよ。」

「ううん。

由利くん楽しそうだったなあー思って。」

楽しそうって、なんだそれ。

なんだか納得できない。

なので冷たくつい答えてしまう。

「そんなんじゃねぇよ。

熱い戦いだったてことだ。」

「つまり楽しかったんだよね?」

「・・・・・」

なにを答えても楽しいの一点張りされる

パターンに入り辟易する。

エリーゼは、俺に視線を向く。

落ち着いたのか

いつもの声音で答える。

「気になったのだけど

貴方の名前なんだったの?」

「って、名前を忘れたのかーー!?」

俺の叫びがこの空間、越え響き渡り

廊下側に路傍の人の困惑が

ここにも聞こえたのであった。

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