第4話たたかいの果てに

周囲は、状況についてこれずに

次の戦いが進んでいく。

ランクまたは、階級と呼ばれ

最高順でS・A・B・C・D・Eの6つ。

最下位が最強の存在に勝利するなど

虚構の中でしかない。

そんなフィクションのような戦いが

目の前にあった。

「ジャンルは、好きな方を選べ、

ランクS。」

俺の言葉に周囲の反応は、静かだった。

ただ観ている。

この物語のような状況に心から楽しみ

次の展開に目を離さないでいた。

「へぇー、どのジャンルでも

いける・・・ことなのかな?

でも、さきの戦いを見ていて

わたしも戦いたいから・・・・」

ジャンル:歴史・漢字・国語

に選択したランクS。

「えーと、難易度を最大の100でいいよね。」

「フッ、勿論だ!」

どうやらこのランクSは、当然のように

最高難易度を選択するとは・・・おもしろい!

(なら、この戦いは正解率より

解答スピードが勝負を決する・・・)

久しぶりに味わう緊張、恐怖、そして

高揚感。

お互い素早く入力できるように

人差し指を構える。

まるで剣豪がいつでも一撃を放っている

ようにしているようだ。

そしてそんな覇気が漂い出し

一問目がゆっくりと説明文が

現れていく。

一問:島津斉彬しまづなりあきら

曾祖父重豪しげひでに蘭学を

学び、周りは⚪⚪大名と揶揄された。

その⚪⚪に入力せよ。

俺は揶揄されの辺りで解答を始める。

正解者は10人中2人。

残りの8人はNPCが全員間違え

俺とランクSのみ正解。

どのプレイヤーが

早く解答したか表示されないのが

このゲームのルール。

二問:この漢字は[竈]

この漢字は、かまどと入力する。

正解者は同じく二人。

三問:微妙の正しい意味を入力せよ

(少し簡単なものが来たな。)

趣深く説明が出来ないと感じさせる

美しい光景

っと入力。

このクイズでは説明文が分りやすく

優れていて、スピードの三つで

点数が決まる。

(スピード勝負と思ったけど

これもあったな。)

暫く待つこと30秒、久坂が答えを

終わり、

正解者は5人。

四問:この漢字は[時鳥]

ホトトギスと迷わず入力。

そして久坂の方に見ると

あごを指に

当てって悩んでいた。

「う~ん、うーーーん?」

(どうやら、分からないようだ。)

悩んだ末、指を動かす。

正解者は一人。

つまり俺だけ。

それから正解したり間違えたりしていく

久坂。

そして最後の十五問目

この漢字は[大猩々]

答えはゴリラだが

正解者は俺一人。

(最初だけ熱いくなっただけだったな。)

分かりきった結果発表を進んでいく。

すかっり冷ややかな気持ちになっている

俺は、勝ったことに考え始める。

もし勝ってしまうと持て囃され

ちょっとしたヒーローになれるだろう。

そしてハイパーリア充として

雁字搦めな学園生活が訪れる日々・・・・・

(そんなことになると

本やアニメとクイズが出来ない!?)

冷めきた眼差しから脅威に怯える

ような眼差しになる。

(どうする。

どうすればいい。)

後のことを考えず挑み

スクールカースト最上位に降臨され。

女性の黄色い声と誘惑に敢行する者。

約束された有名大学や企業に政府から

声が掛かり立派な学歴に職業が

約束される。

(そんな、地獄絶対に回避しなければ!?)

阿鼻叫喚な展開におののく。

もう少しで一位と三位が発表される。

考えるんだ!

どうにかしないと

地獄の生活が・・・!

そうだ、これをすれば俺は負ける!

タブレットの電源を切る。

「・・・へ?」

当然、ランクSの久坂は混乱する。

画面と俺の顔を交互に何度も見てくる。

「じゅ、充電切れ?」

怪訝そうで質問する久坂に俺は

情けなく悪そうにして答える。

「アッハハ!

今は貴様の勝ちだランクS。

べ、別に俺が負けるのが恐くて、

電源を切ったからじゃないかな!」

捲し立てると鞄をタブレットに入れ

脱兎のごとく走る俺。

「・・・えぇーーーー!?」

教室を出ていき、暫くすると

甲高い声が背後から聞こえる。

まっ、理解できないだろうな対戦相手の

久坂にしたら。

(フッ、まさに策士。

策士過ぎる。

もはや川井継之助かわいつぎのすけ

黒田官兵衛くろだかんべえレベルだな。)

自分の打開策にすぐに閃く力が恐ろしい

我ながら恐ろしい過ぎる。

「くく・・・クッハッハハハハ!!」

放課後の廊下で走りながら

一人、哄笑が響き渡り

周りから好奇な目や引いているのを

気にせず笑い続けるのだった。

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