第2話クイズ大流行時代
時は流れ一年が過ぎ2021年。
桜は咲き花びらは舞うように流れる
四月。門出に希望を抱き人は不安があるものの、それ以上に新たなる始まりに
心が踊る季節。
(へっ、そんなのは
そして今日は、入学の日。
自殺をしようとした俺こと
高校生になったわけだが、
通学中の俺と同じ新入生は
楽しそうに緊張などしながらも
負の感情など宿っている者はいなかった。
(フッ、楽しそうにしている奴等は
知るだろう・・・・・・・
想像していたと違うことを!)
夢や希望が溢れているのは虚構の
世界だけと結論している俺。
だがその結論を改めることになる衝撃的な
光景を俺は目にした。
「っ!?」
(バ、バカな!!
まさか・・・現実でありえるのか!?)
希望と夢の具現化した尊き形を目にした。
その光景に荒ぶる負の感情を一切喝采が
霧散していき、代わりに芽吹くのは
清らかな心が溢れ続け奇跡と平和の象徴。
それは・・・百合だ!
それは、女の子どおしの恋愛のあの百合だ!
(まさか・・・現実で観れるとは!)
手を繋いでいる。
しかもだ!
あの恋人繋ぎだ!!
感極まって頬が緩む。
由利がそんな反応なので周りはドン引き。
だが、本人は気づいていなかった。
そんな理想郷を怪しまないよう背後で
歩いているともう校門だ。
校門は
由利はそう独特すぎる認識していた。
前にいた百合カップルを見失うと
絶望じみた顔に戻る。
周りはまたも驚愕するのだが由利は
理由が分からず本人は首を傾げる。
まっ、どうでもいいか。と思考放棄。
一年一組に入って自分の席を見つ出し
座り魂を抜かれたように
机の上に突っ伏する。
「あ、あの人・・・大丈夫?」
「顔色が悪かったし・・・時々、
不気味な笑いしていたし・・・・・・・
先生に伝えないと!」
「バカ!
まずは、救急車を――」
辟易していた由利は苛立っていた。
とりあえず無事だと伝えようと
右手を上げる。
「手を上げたぞ!」
「助けを求めているんだ。
きっと!」
「もしもし、人が倒れて――」
「俺は眠たくて寝ていただけだーー!!」
これ以上、勘違いで危惧する状況に陥り
たまらず叫び上げる。
「「うわぁー!!」」
「「キャーー!?」」
そして、俺がこの教室で狂人と
変人として広まる日にもなった。
そして早、一週間が過ぎ
月曜日の教室は、すっかり
スクールカーストと普通?の
グループが出来ていた。
だがこれは暫定的でこれから
すぐに変わって変化していくだろう。
チャイムが鳴り三々五々と自らの
机に本能的に戻っていく。
最近の教諭が現れ教壇に立つ。
「これからクイズ実力テストの結果発表
をする。
吟味し厳選した上で階級カードを定めた。
呼ばれた者は受け取るように。」
「「っ――!」」
皆が息を飲むのがなんとく分かるし伝わる。
俺はあくびをする。
新しい制度として一年一回に行われる
5日かけてのクイズを開始し
それを解き力量を推し量るようだ。
進学や就職などなど有利になり
さらに真のカーストと生徒がそう
呼ばれるものを決まる。
受け取り俺のカードはこうだった。
一年一組普通科
氏名;由利騎魅正
性別;男
学内クイズ階級E
なるほど、これが例のカードか、へぇー。
学内クイズ階級は、この学校のクイズ
の実力を現す。
高い順でS・A・B・C・D・Eの6つだ。
つまり俺は最下位となった。
「なんと今回は階級Sが三人
このクラス選ばれた。」
教諭の嬉々なる声。
「「おぉー!!」」歓喜と歓喜。
この階級Sは、各学年の最高実力。
一学年で多くても数十人しか
選ばれない実に狭い門。
そんな選ばれた者を名前を呼ばれいく。
これで真のスクールカースト最上位に
降臨したわけだ。
ちなみにそれ以外の者は差別されない
よう階級を先生は、決していわないルール。
放課後。
(くだらない一日だったし
早く帰ろう。)
そしてクイズのゲームとか
雑誌で過ごすのだ。
鞄を持ち移動しようと思ったら
入り口に集団が入ってくる。
その集団の中から体育会系の男が
前に出てくる。
「ここにランクS三人がいると聞いた!
クイズで対戦を挑みに馳せ参じた。」
何て言うか時代劇かな?
突然の挑戦者に困惑する生徒達。
俺は馳せ参じたの方が言ったことの方が
驚きだった。
カッコいいけど違和感がスゴいというのか。
流石の俺もこの状況が理解できないでいる。
荒唐無稽な台詞に唯我独尊。
ちなみに階級を普段は、
ランクと呼んでいて、階級と呼ぶのは少なく
公式では使うが。
ともかくこの男はクイズに
自信があると見た!
だがその推測を裏切ることになった。
右に移動する男は、後ろにいる女性に
頭を下げる。
おそらく同い年の一年。
長い黒髪に右のボールペン型の髪飾りで
評するだろうなぁ。きっと。
「わたしは、
ここにいるランクS対戦に来ました!」
荒んだ心を浄化させる声だろうか、
その美声に男性陣も女性陣も
黄色い声を言わずにはいられないほどに。
「「か、可憐だ。」」
「美少女だ。本物の・・・。」
「「キャーー!!」」
(・・・なんなんだこれ?)
アイドルのライブかとツッコミたくなるし
なぜか、可憐だをハモったのことも
ツッコミたい。
(それともこれが・・・普通なのか?)
そんな事を考えると
茶髪のスクールカースト高そうな
男が久坂の前に出てくる。
「ぼぼぼぉ、僕がランクSです!」
強張って、右手と右足を同時に
前に出している。
・・・本当にあるんだアレ。
「へぇー、君がランクSを取ったんだ。
スゴいね!」
「あ、ありがとうございます。
・・・も、もし
僕がこの対戦で勝ってたら
つつっっ・・・付き合って下さい!」
告白された久坂は、驚きもせず
スマイルのまま。
あっ、これ慣れている類いの反応だ。
周りの反応は、野次を飛ぶ者や
黄色い声などの十人十色。
そして彼女の反応はと言うと即答。
「うん、いいよ。」
「よぉぉぉしゃあ!」
まだ、勝利していないのに
ガッツポーズするランクS。
(・・・まあ、少しだけ見てみるか。)
二人は、タブレットを出し
クイズアプリで対戦するのは
分かるけど人垣が壁のようになっていて
二人の画面など見えない。
近くの人達は熱狂し
俺と同じ距離の者は静かに傍観するだけ。
「お、俺が一方的に・・・。」
どうやら相手は強いようだ。
そして、一人称が俺に戻っている。
戦いは不利になってきたように
驚きから苦しいそうに変化していく。
(よほど、酷い差を感じている
だろうな。)
ライバルとか同い年などに
負け続けると実力を実感をされ
蓄積していく。
蓄積したその塊は
悪い方向に考えてしまい
堕ちた淵に抗うが心のどこかに
諦観をしていく心境になっていく。
(諦めていないが
心の深層では諦めていく。
俺はそうだったが、奴も
同じ苦しみに味わっているのだろうか。)
そして、熱狂がさらに増していく。
どうやら終わったようだ。
「ま、負けた・・・。」
手が震え、タブレットの画面を
じっと見て固まる。
「う~ん、楽しかったよ。
ありがとうね。」
屈託のない笑顔。おそらく相手が
アイデンティティが折れたのは気づかずに。
告白していた男と言うと苦渋の表情だ。
「あ、ありがとう・・・
それじゃ。」
そういうとタブレットを鞄に戻し
教室を逃げていくように出ていく。
友達らしき人物が何人か追いかけていく。
(一体どれくらい努力して目指していたか
分からないが、
この悔しさは、本人しかしらない・・・)
勝利した久坂の 周りにいるお供は――
「流石は、久坂さん!」
「ヤバイ!あまりにも強すぎんしょ。」
取り巻き達は、絶賛する。
「ありがとう。
でも、強いと伺ったけど
そうでもなくて、残念かな?」
「そうですよ。」
「あんな奴なんて久坂さんの
敵ではないですよ。」
戦った相手にそう評価すると
周りもディスり始めた。
もちろんこのクラスも同じく
大したことないとかランクに分不相応など
負けて去っていく相手に配慮なしことで
言いたい放題となっていく。
突然の悪評の光景に俺はというと
気持ち悪くなる。
(ちっ!
居ないからとはいえ酷い言われようだな。)
すると俺の視線が気に食わなかったのか
最初に大声でこの教室に入ってきた
男は睨んできた。
まっ、今の俺の表情は、
侮蔑的であったのだろうなあ。
「お前、なんだその目は!」
そして、俺に指を向ける。
あー、もしかして別の人かなと
思っていたけどやっぱり俺か。
取り合えず悪いのは俺の侮蔑だし
謝るか。
「すみません。」
「フン!」
怒りは収まってくれたようだ。
暴言とか言うと思っていたが少し
意外であった。
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