※王立大学図書館の資料(1)
現王家と旧王家《『グルーディエ王家の系譜』1998年刊より》
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小国だったグルーディエが大陸で実権を握るようになったのは、暗黒時代(王暦1300年頃~1600年頃)の後と言われている。
元々グルーディエは小国だった。グルー大陸にはその他にも沢山の国があった。西のベルデ、東のビオレー、南のロサ・ベルメなどと徐々に統一され、今の形になっていった。
小国の中でもグルーディエが残ったのには理由がある。立地や交易のルートに恵まれていたからだ。また、王家が民衆に近かったこともそのひとつに挙げられる。他国に見られるような厳しい年貢の取り立てや民衆への締め付けは殆どなく、豊穣な大地と豊かな川、そして海に護られ、グルーディエは徐々に国力を付けていったのだ。
暗黒時代、世界中で様々な戦があった。グルーディエも例外ではなく、周辺国とも、頻繁に戦を繰り返していた記録が残されている。
相次ぐ戦で、当時国民の暮らしは極度に貧しかった。灌漑事業が滞り、数年間不作が続いたため、各地で飢饉が起き、暴動が起こった。王都には多くの傭兵が姿を現し、治安も悪化していた。また、流行病や農村部での魔物の出現なども問題視されていた。
内政問題も絡み、当時の王家は力を失っていた。暗殺や不審死が相次ぎ、旧王家存続の危機に瀕していた。
1601年、当時の王ジョアン3世は、王妃ユリアナとの間に3人の王子と1人の姫を設けていたが、うち2人が流行病で10歳までに死亡、残りの2人も、幼いうちに暗殺されてしまったのである。高齢であったジョアン3世は、王国の行く末を案じ、全ての権力をはとこである宰相クロードへと委ねた。
こうして、グルーディエ建国から1603年の年、それまで続いていた旧王家の時代が終わり、現在の王家へと政権が引き継がれた。
旧王家については資料が一部紛失しており、史実と確認出来ていない部分も多い。
本書では、確認出来ている王暦300年頃からの系譜をまとめている。
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