贅沢しよう(仕様?)

 今週は妻が風邪をひいたようで、微熱やら寒気やらがあったみたいなのですが、こんな時期ですから会社からは大事を持って休みなさいとの指示。


 そんなわけで、3日間連続早退をかました妻ですが、3日目は勤め先の入っているビル内の病院にも行き


『ただの風邪じゃね?』


と言われて帰って来たそうです。


 さすがに3日目ともなると、掃除や洗濯もやり尽くしたようで、体調もだいぶ良くなって来ていたので、畑にあと片付けに行ってきたようです。

 ついでに、3本分の大根ばっぱを持って帰ってきていました(笑)。


 大根ばっぱが大のお気に入りになった妻は、僕が作る大根ばっぱの炒め物を自分で作ってみると言い出しました。珍しいこともあるものですが、これは僕の味付けが納得いかないとかではなく、一緒に入れるツナの量の問題らしいです(汗)。

 ともかく、もっとツナをたくさん入れたいというのが妻の思いですが、僕としてはメインはあくまでも大根ばっぱなので・・・ね。

 しかし妻の意思は相当強固なものらしく、ツナの在庫がまだあるのに、追加で3缶パックを買ってきていました。

 ここまで気合が入っているんですから、これは好きなように作らせてみるのが旦那の愛情(笑)。


『ねぇ、この葉っぱの部分って外しちゃってもいいよね?』

『そうだね、どちらかというと茎の部分を食べるものだし、葉っぱの部分が多いと水分が多くべチャッとなっちゃうからね』

『それじゃ、少し葉っぱを落として・・・と』


 なにやら独り言を言いながら、大根の葉を処理しているようでした。


『いや~料理って下準備が大変だよね』

『特にこういう料理は、準備が8割くらいだからねぇ、作り始めたらあっという間なのにね』

『お兄さんはこれをいつもやってるんだね』

『そりゃ、まぁ、担当ですから(笑)』

『で、ちょっとツナ缶開けて欲しいんですけどぉ』

『それどれ?これはオイル漬けの方だね、それじゃあまり油を切りすぎないように、と』

『水煮だったら切らないとダメなの?』

『ほら、今も炒めてるうちからどんどん水が出て来るでしょ?そこに水煮の水分は行っちゃうと、べちゃべちゃになちゃうからね』

『オイルは少し入れても良いんだ(笑)』

『ま、水煮ほど切らなくても良いという感じでね』


 さて、無事ツナ缶を3缶入れ終わると、僕はまた動画を見ようとソファーへ座ろうと・・・


『ちょっと待って、まだツナが足りないような気がするの』

『いやぁ、結構入ってますよ?僕はいつもこの量なら2缶しか入れないから』

『うん、でももっとツナの比率を上げたいのよ』

『別に良いけどさ・・・』


 そんなわけで、都合5缶のツナ缶が投入されることになりました。完成品はちょうと大根ばっぱとツナの比率が1:1くらいの、とても贅沢(?)な大根ばっぱの炒め物になりました。

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