大根ばっぱ

 大根ばっぱ。この言い方は方言なのかな?僕は子供のころから大根の葉っぱのことを”大根ばっぱ”として認識してます。まぁ親がそう言ってましたからね(笑)。


 夏野菜がほとんど終わり、いまは秋野菜にシフトしてきています。その中でも旬なのが大根(夏蒔き)です。

 本来なら、北海道の秋の旬である生サンマにのおともに最高なのですが、今年も去年に引き続き漁が思わしくなく、大根おろしの出番が少ないです。

 だからといって、いつまでも土の中に置いておくわけにも行かないので、まぁ抜いてくるわけですね。畑に刺さっている大根をひっこ抜いて、土を落とす程度に水洗いし、そのままカゴに入れ持ち帰ってるのですが、収穫に行ってた妻から連絡が。


『ねぇ、大根取ったんだけど、葉っぱ要る?』


 あだ豆にせよ、枝ごと抜いてそのまま持ち帰ると、豆を外した後の枝というか茎が大量の燃えないゴミになってしまいます。ですから収穫後ある程度不要な部分は畑で落としてから持ち帰るので、大根も葉っぱも同じように考えたのでしょう。


『大根ばっぱは食べれるから、そのまま持って帰ってきて』


 大根ばっぱは細かく刻んで味噌汁の具になりますから、食べれるところは食べようという魂胆。まぁ逆にスーパーの野菜売り場で、葉っぱが付いたままの大根なんてものはほぼ売ってないですからね。


 妻が帰宅しましたが、立派な大根を2本持ち帰ってました。葉っぱも完全な形でね。当初、大根は1本だと思っていたのですが、2本分の葉っぱとなると、これが結構な量になります。さっそく1本分の半分の葉っぱを刻んで味噌汁に入れます。

 でも、残りはどうしようか?大根の葉っぱって実から切り落とすとね、あっという間に萎れちゃうんですよ(汗)。だから、スーパーで葉っぱだけ売ってないんでしょうね。

 保存するためには、大根の頭の一部と一緒に切り落としたものを、小皿などに水を入れ浸しておく手があります。ですがね、天然の無加工の大根の葉って30cmくらいあるんで場所も取りますし、出来ればすぐに加工しちゃいたいんですよね。


 レシピサイトを見ると、大根ばっぱのふりかけ(炒め物)の作り方があったので、これなら簡単に作れると思いさっそく調理開始。

 まずは大根ばっぱを4~5mmくらいのみじん切りにします。これは炒めるのでたくさん水が出ないように、水切りをしっかりしておく方が良いです。

 フライパンにごま油を敷き、みじん切りにした大根ばっぱを入れ炒めていきます。

 ちなみに大根の葉は、茹でても炒めても柔らかくなるのは他の野菜より時間が掛かります。それを知らずに他の野菜程度の時間で火を止めてしまうと、食感がゴリゴリになってあまり美味しくありません。

 しっかりしんなりするまで良く炒めていくと茎から水が出てきます。この水が飛ぶくらいまでしっかり炒めましょう。柔らかく炒まって来たら、ツナの缶詰の脂を半分ほど切ってフライパンへ。ツナのオイルが全体に回るようにしながら馴染ませます。

 ツナが全体に馴染んだら、麺つゆで味付け。仕上げは大量の煎りゴマを振ります。

 比較的長い時間炒めるのことで、大根ばっぱの鮮やかな緑を通り越し、若干麺つゆ色になるのですが、このくらいじゃないと食感が固いです。粗熱が取れたら、容器に入れて冷蔵庫で保存します。出来立ても美味しいですが、味が落ち着いた方がさらに美味しくなります。


 妻は持ち帰った野菜を整理し、そこから友達に連絡を取り、どうやら野菜配達に出かけたようです。帰ってくることには、ちょうど味が落ち着いてるでしょう。

 野菜収穫→配達でクタクタの妻が帰ってきて、晩御飯食べるか聞くと


『なんでも良いから米食べたい(笑)』


 そんな妻にピッタリの、大根ばっぱ尽くし定食(笑)。大根ばっぱの味噌汁は何度か作ったことがあったのですが、炒め物は初めての妻。ま、僕も初めて作ったんで。

 で、妻の味見の結果


『なにこれ?超美味し~』


 う~ん、作った甲斐があったというものです。


『これ、凄くご飯を食べこんじゃう(笑)』

『まぁ具材自体はヘルシーだから、お替りしても良いんじゃない?』

『今度、畑行ったら葉っぱだけ採ってこようかな?』

『葉っぱ採っても実が大丈夫なら良いんじゃない?それに大根ばっぱ、虫も大好きみたいで農薬使ってないせいか、結構虫に食われてるから争奪戦だと思うよ(笑)』


 ちなみに大根ばっぱの栄養素は、βカロテン・ビタミンK・カルシウム・カリウムと、大根本体よりかなり栄養価が高いので健康にも良さそうです。


 で、後日本当に葉っぱだけを取って帰ってくることになるのです・・・(汗) 

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