辛いのか?辛くないのか?

 さて、夏野菜も終盤、連日枝豆祭りなことは書いていますが、今日は義父ちゃんが作っている青唐辛子です。


 何年か前に、義母ちゃんがシシトウと間違えて育てていたことがあります。勿体ないので三升漬けを作ったら、意外と美味しかったけど、当然妻には不評でして。

 でも、義父ちゃんの畑に行くたびに、立派に育った青唐辛子が


『俺も採ってくれよ~、美味しく食べてくれよ~』


 と言っているような見事な成育っぷり。

 そのお隣には例の立派なピーマンが植えてあるんですが、両者譲らぬ立派な実を付けてるんです。

 義父ちゃんも収穫してないところを見ると、何のために作ったんだろう?と思いはしますが、このまま土に返してしまうのは実に惜しい。

 とねれば、収穫しちゃいますよね、やっぱり(笑)。


 前回の三升漬けは、それなりに辛いものが出来上がったのですが、前回義父ちゃんの青唐辛子を取ってペペロンチーノに入れてみたら、香りは辛そうでもほとんど辛みが無かったんですよ。

 本当に辛いのか謎だったんで、量を増やして同じペペロンチーノを作ってみても、やっぱり鷹の爪入れた一般的なものより辛みが無かったんです。

 だったら、これは一つの緑の夏野菜という事で、収穫をしておいたんです。


 さて昨日の月曜日、土日が一気に気温が下がって天気も悪かったので、買い物行く気も削がれ、でも食べるものが無いので買い出しに。

 さすがに月曜の夜からはお客が少ないようで、コロナ対策としては持って来いの状態で、ゆっくり見て回ります。当然お買い得シール狙いですけどね(笑)。

 鮮魚売り場で、スルメイカが半額になっていました。例年ですと夏にはこのスルメイカが大量に揚がるので、お値段もお手頃になるのですが、ここ数年はイカの水揚げが思わしくなく、それがそのまま価格に反映されてる状態が続いています。

 小ぶりのスルメイカがパックに3杯で、定価398円也。この価格じゃちょっと手が出しづらいですが、その半額の199円となれば話は変わります。

 刺身用のイカなので鮮度は言うこと無し、まぁ一般的にはお刺身で食べるのでしょうが、鮮度が良いという事はゴロ(以下の内臓というか肝)も新鮮という事。

 であるならば、これは得意の以下のピリ辛味噌炒めにするのがベスト、というか僕が大好きなだけなんですがね(笑)。勢い余って2パック6杯分買っちゃいました。


 これに合わせるのが長ネギなんですが、北海道も野菜の高値が続いていて、1本98円・・・微妙。

 同じ98円なら、緑が綺麗なニンニクの芽の方が香りも良いし見た目も良さそうなのでニンニクの芽を購入。このとき野菜室で眠る青唐辛子のことを思い出しました。

 同じ緑だし、辛みは豆板醤入れるんだから、少し減らして青唐辛子を入れるもの良さそうと、帰宅後さっそく調理に取り掛かりました。


 この料理、だいたいどのレシピサイトにでも掲載されていると思うのですが、僕はまだ妻と付き合っているときの職場の人に教えてもらいました。もう30年くらい前のことですが(汗)。

 その人は函館出身で、早朝イカ売りが来る地域だったそうで、毎朝


『イガイガァ~~~♪』(イカが道南なまりで濁ってます (笑))


 と朝水揚げされた新鮮なイカを売りにきて、母親がそれを買って朝からこの料理を作ってくれたそうで、ご飯何杯でも行けちゃうと聞いて作ってみたのが始まり。


 僕の作り方は、まずイカを分解します。身を引き抜いて骨を取って、実はそのまんまブツ切り(輪切り)にして、耳は2つくらいに切っておきます。

 続いて調味ダレですが、味噌1:みりん1:砂糖1:醤油1:豆板醤0.5(お好みで辛さを調整してね)の分量で混ぜて置き、そこにイカの身に付いたゴロを搾り入れます。切れ目を入れておくとパンクして飛び散らなくて安心です。

 ゴロを絞った中身は内臓を外し、頭に縦に切れ目を入れトンビ(くちばし)と目玉を取ります。

 そのあと水洗いして吸盤を取って、適当にゲソと切り分けておきます。

 本来なら長ねぎを3~4cmに切っておくのですが、この日はニンニクの芽と青唐辛子を同じくらいに切っておきました。


 ゴマ油をフライパンで温め、まずは野菜をサッと炒めます。野菜に火が通ったら切っておいたイカをザバッと入れます(笑)。

 あとは火が通るまで炒めるのですが、基本的にゴロが食べれるイカと言うのは、刺身でも食べれる新鮮なものですから、多少火が通ってなくても大丈夫なはずですし、炒めすぎるとイカが固くなるので注意!

 全体に火が通ったら調味ダレを入れ、ちょっと水分が減るまで絡めるように炒め、これで完成です。


 この料理の難しいところは、イカを分解するところだけですね。ちなみに妻はイカの中身を引き抜けません(笑)。当然処理した内臓も、綺麗にビニール袋に避けておかないと、あとから悲鳴を聞くことになります(汗)。


 さて実食ですが、味は分かっていますが問題は青唐辛子の辛みだけ、今回はいつもより豆板醤を控えめにしたので、どうなってるかな?

 イカと一緒に青唐辛子を口に入れます・・・モグモグ・・・


『か、辛~い!あ、あれ?そうでもない?』


 咀嚼した青唐辛子はその名の通り、唐辛子特有の香りを口の中で発しますし辛みもそれなりに出るのですが、すぐに旨味に変わりました。辛さもいつまでも口の中に残るのではなく、噛んでるうちにどんどん消えていき、イカゴロの濃厚な味とプリプリとしたイカの触感が。


『あ、これ、さわやかな辛みで美味しいぞ』


 妻が心配そうに


『全体的に辛くは無いの?』

『うん、噛むと一瞬辛みが出るけどすぐに消えるし、何と言っても香りが凄く良いよ』

『本当?』(ジト目である)

『本当だって、ちょっと唐辛子以外のところを食べてみ?』

『あ、ほんとだ、いつもの辛さくらいだね。それにニンニクの芽がより食欲を誘うね』

『でしょ?』(当然ドヤ顔である)


 この料理、本当にご飯に合うんで食べ過ぎ要注意です。僕はこれをパスタに絡めても全然食べれます。

 試したことは無いですがバターを少し入れると、もっとコクがアップすると思うますし、これなら洋酒にでも合うんじゃないでしょうか?


 そんなわけで、残りの青唐辛子も収穫リストに乗ることになり、ことしは美味しく食べてあげれそうですよ。

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