出張料理人

 お盆休みの最中のある日、妻が両親を連れまた小屋に行くという事になったのですが、なぜか僕も強引に誘ってきます(笑)。


 理由は、ジムニー(軽自動車)が汚れてるから洗いに来いと。ま、これ、本当の理由じゃないんですがね(汗)。

 僕が小屋に来て欲しい理由は、お昼ご飯に小屋の冷凍庫にある、焼き鳥を焼いて欲しいという事なんですよ。あ、この焼き鳥、本当なら義弟が来たときに食べる予定だったんですが、義母ちゃんの調子が悪くて、チェックアウト後小屋に寄ったもののお昼は食べず、すぐに実家に帰ったんで余ったてたやつ。

 で、朝9時くらいまで寝ててスマホ見たらLINEに


『これから畑仕事します。そして母ちゃんも来た』


 と妻から入っていたので、ぼちぼち顔を洗ってジムニーで小屋へ。


 11時に小屋に着いたので、さっそく七輪を出して炭起こし器で火力の準備を始めます。といっても、炭は炭起こし器に任せておけば良いので、15分ほど放置しながら、冷凍された焼き鳥をウッドデッキに出して自然解凍。

 11時45分には炭を七輪に入れ、焼き網に熱を入れておきますが、義父ちゃんが遠くの畑から戻ってきません(汗)。


『たぶん、12時になったら戻ってくるよ』


 と妻に言われたので、肉を焼くのは早いしどうしようかと思っていたら、目の前のナスがたくさん実を付けていたので、焼きナスでもしてみようかと。

 ついでにシシトウもあったので適当に摘んで、まずはナス2本を網の上で転がします。

 そういえば子供のころ、母ちゃんが良く焼きナスを作ってくれたなぁと思いながら、じっくり炭火で焼いていきます。

 ウチの両親は下戸なので、家で飲むことはほとんど無かったのですが、父が焼きナスが好きだったようで、綺麗に皮が剥かれ冷蔵庫で冷やされたナスが食卓にあがりますが、子供のころの僕はおかずに感じられなかったんですよねぇ(汗)。


 大人になってナスの美味しさを知るのですが、焼きナスの皮を剥くのが苦手でして、猫舌だけではなく猫手?で熱いものを持っていられないため、あの熱々のナスを皮を剥くなんて僕には無理ゲーです(笑)。

 それに中々綺麗に皮が剥けないんですよね、焼きナスって。そう考えると手間が掛かる料理(料理と言って良いのか)だと思うんですよ。残念ながら母がどうやってナスを焼いていたか記憶に残ってないんですが、ガスグリルか焼き網で焼いてたんでしょうが、ガスで焼くと中々時間も掛かるし手間なんですね、これ。

 幸い小屋では炭火で焼きますから、火力も遠赤外線量もガスとは全く違うので、転がしてるうち、あっという間に中まで火が通り完成です。

 ちょうど焼きあがったところで義父ちゃんが戻ってきたので、焼き鳥も焼き始めました。

 ナスの皮ですが、僕は熱くて剥けないので、マイセルフで剥いてもらうことにしましたが、食べないだろうと思っていた義父ちゃん義母ちゃんが、真っ先に焼きナスに食いつきました(笑)。


『懐かしいなぁ、昔は良く焼きナス食べたもんだ』

『この皮剥き難いんだけど、美味しいのよねぇ』


 まぁ熱々のナスに果敢にチャレンジして、一応冷蔵庫にあったおろしショウガも妻に用意してもらったんですが、お醤油だけ掛けてあっという間に完食。

 その横で、焼き鳥とやきとりをせっせと焼いて、先に僕が1本だけ頂くことに。いやお腹も減ってましたが、どうしても竹串が欲しかったんですよ。

 箸でお肉を皿に外して、その串に今度はシシトウを5~6本刺して焼き鳥と一緒に焼いていきます。

 ま、これも炭火の力であっという間に焼き上がり、シシトウもお醤油で食べてもらいました。


 ナスもシシトウも焼く直前に目の前で採ったものですから、素材はこれ以上ない新鮮さです、不味いわけがありませんね。

 今年はなぜかピーマンの出来が悪かったので、この日は焼けませんでしたが、ピーマンも丸ごと炭火で焼いてお醤油で食べると、甘味があって美味しいんですよ。


 食事終了後、炭火ですからすぐに片づけられないので、七輪を放置してのジムニーの洗車をまったりして、完全燃焼した炭の灰を片付けて、出張料理人は一足先に帰宅しましたとさ(笑)。

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