そこまでして・・・

 夏野菜真っ盛りですが、ナスも安定して収穫できるようになり、妻が雑草抜きのため1人で畑へ行った帰り、大量のナスを持って帰ってきました。


 えぇ、まだ野菜室には前回収穫したナスも大量にあるんですけどね(汗)。そんなわけで、大量に調理するには揚げびたしにすると良いのですが、なんちゃって揚げびたしとはいえ、ある程度の油でナスを炒め焼きしないといけないんです。暑いんですよ、ガス台の前は(笑)。

 幸いこの日は風があり、マンションの8階にある我が家としては、絶好の調理タイミング。なんせ風が抜ければ熱がこもりませんからね。

 では早速と全部のナスをキッチンの調理台に乗せ、切ったナスを水に浸けるボウルも出し、さらには調理後に保存する大きめのタッパーも用意して・・・用意・・・あれ?大きいタッパー3個くらいあったはずなのに、なぜか蓋しかありません(笑)。


『ねぇお姉さん、これから揚げびたし作ろうと思ってるんだけどさ』

『わぁ、やったぁ!それなら幾らでも食べれるよ』

『うん、それは良いんだけどさ、大きいタッパーが無いんだけど、どこかに片づけてる?』

『いや、いつものところに無いの?』

『うん、無いから聞いてるんだけど、だいぶ前からいつもの場所に無いとは思ってたんだよ』

『それじゃ、納戸かな?』


 妻は来週の給水管工事の準備で、床面を片付けた納戸へ入っていきます・


『あれぇ?納戸にも無いなぁ』

『もしかしたら、実家に置いて来てるんじゃない?ほら何度も惣菜持って行ってるでしょ?』

『あっ!そうだ、実家の流し台の収納が汚いからって、容器の方だけ整理箱に使ってるんだった(笑)』

『どうりで、蓋しか無いわけだ(笑)』


 妻は、それがどうしたの?って顔ですが


『無いなら、保存するの出来ないから、揚げびたしは後日作ろうか?』

『な、鍋、この鍋に入れたら?』

『うーん、一応蓋はあるけど密閉ってわけじゃないし、あまり金属の容器に入れたくないんだよねぇ』

『そっか・・・』

『というわけで、今日は』

『それじゃこれから100均行って買ってくる!』

『えっ?これから?』

『うん、今日の夜は素麺にしたかったから、揚げびたし食べたいから!』

『い、いや、タッパー買ってくるの面倒じゃなければ良いけど』

『それじゃ、買ってきまーす!』


 驚くべき行動力(笑)、普段何か足りないものがあっても『また今度』という妻が、ダッシュで買い物に行きました(汗)。


 恐るべき揚げびたしの力!(笑)。


 僕も風があるうちにと、せっせとナスを切ってはゴマ油で揚げ焼きにし、調味タレをとりあえず鍋に作り、焼き終わったナスをせっせと漬けていきます。

 大量のナスですから、中華鍋風の大きなフライパンでも何度かに分けないと開けない量で、あと1回焼けば終わるというころに妻が帰ってきました。


『お、はやかったね?あと1回で焼き終わるところだよ』

『ちょっと待ったぁ!』

『ん?どうしたの?』

『最後の分は、揚げびたしじゃなく、普通に炒めてほしいんですけど』

『別に良いけど?』

『揚げびたしは揚げびたしで、炒め物とはまた味が違うから2種類食べたい(笑)』


 女性ってナスが好きな人が多いと聞きますが、ウチの妻は特にナスが好きなようで、お陰でナスの消費も捗ります。

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