別にいいじゃん

 昨日の晩御飯は、前日夜からホッケの開きを焼く予定でした。大根もあるし、あとは豆腐と長ねぎの味噌汁でも作れば、あとは何とかなるでしょう。


 そんなわけで、妻は朝からお米を研いでました。冷蔵庫には1食分しかご飯が残っていないからなんですが、ウチに帰ってから予定通り味噌汁作って、ホッケを焼き始めました。


 そのときから何となく違和感はありました。


 その違和感が何なのか分からないうちにサラダが完成したので、いつも通り先に食べ始めます。サラダを食べ終えると、これもいつも通り妻が化粧を落として居間にやってきます。

 ちょうどホッケも焼けてきて、いい匂いが漂い始めてたので


『あ、ホッケの匂いだ』

『うん、予定通り焼いてるからあとは裏返して完成だよ』

『昨日は餃子だったから、和食が食べたいと思って・・・あっ!』

『どうした?』(この時点でご飯炊き忘れたんだろうなとは思った)


 慌てて冷蔵庫の中を探し回る妻。


『やっちゃった・・・』

『炊き忘れ?』

『うん、何となくいつもの場所(調理スペース)に置いておくのが邪魔だから、こっちに置いたんだけど、すっかりスイッチ入れるの忘れてた』

『ご飯全然無いの?』

『1人分だけある・・・私はカップラーメンでも食べるから、お兄さんご飯食べて良いよ』

『レンチンご飯も無いの?』

『この前最後の食べちゃった』

『それなら僕はパスタでも茹でるから、お姉さんご飯食べて良いよ』

『え、お兄さんがご飯食べても良いよ』

『いや、パスタなら10分も掛からないで茹で上がるから大丈夫』

『それじゃ、ありがたくご飯頂きます』


 最近お湯を沸かすのに、電子ケトルを使った方が早いことが判明したので、鍋には電子ケトルが800ml(これがMax)沸かす短時間で沸騰できる量(300mlくらい?)の水を入れ同時に加熱スタートすると、1リットルの水が最短時間で沸騰させることが出来ます。時間にして約2分、そこから茹で時間7分のパスタを茹でて、本当に10分程度でパスタが茹で上がります。

 茹で上がったパスタを、さっきサラダを食べてた皿に移し、そのままテーブルに持っていきます。


『何パスタのするの?』

『え?ホッケパスタだよ』

『ホッケでパスタ食べるの?』

『幸いにも大根おろしもあるし、和風アンチョビパスタ風だと思えば(笑)』

『お兄さんが美味しいならそれでいいけど』

『ホッケは半身づつ食べれるから、残った半分の身をこうやってパスタに乗せて、と』


 この時点で妻の眉毛はハの字である。


『あとは大根おろしを汁ごと掛けて、お醤油掛けて完成っと』

『まぁ、言われれば見えるね(笑)』

『しかもだよ、熱々のパスタに大根おろしを入れることで、猫舌の僕でもすぐに食べれる温度になるというオマケつき』

『あ、パスタに味噌汁・・・飲む?』

『あ、自分の分持ってくるの忘れてた、よそってくれる?』

『パスタに・・・味噌汁・・・』

『そんなに変じゃないと思うけど、和風具材だし』

『ま、好きなら良いんだ(笑)』

『こう考えてみよう、この麺はパスタじゃなく、太めの更科蕎麦だと、白くて断面丸いけど蕎麦と思うんだよ』

『・・・無理』


 過去のエッセイにも書きましたが、僕は色々作るけどあまり型というか、こだわりがないので、ホッケにパスタでも全然気になりません(笑)。




 

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